Bill Nelson “A Catalogue Of Obsessions”

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ちょっと気になり出したBill Nelsonのソロ作品を集めようかなぁと思って、思わず、ポチりました。本作品”A Catalogue Of Obsessions”は、1985年にリリースされた4枚組ボックス・セット”Trial By Intimacy (The Book Splendours)”の1部として制作されています。その他3作品として、このボックス・セットは、”The Summer Of God's Piano”, “Chamber Of Dreams (Music From The Invisibility Exhibition)”, “Pavilions Of The Heart And Soul”から構成されており、この時点では、全て未発表曲から成っており、また、先述のボックス・セットは、Nelsonの写真集”The Arcane Eye”とパックになっています。彼自身の言葉によれば、これらの作品は「音のスケッチ・ブック」であり、未発表曲集ではないとのことです。多分、思い付いたメロディをそのまま、宅録で曲らしく録音していったものを集めたと言う意味だと思います。なので、音質や完成度は敢えて無視してリリースされていたのだと思います。Be-Bop DeluxeからRed Noiseそして、ソロと言う風に変遷してきたBill Nelsonの1980年代の活動において、このボックス・セットは一つのエポック・メイキングな作品であり、それ故に、このアルバムもその1/4を構成しているので、重要な作品であることが理解出来ると思います。まあ、Nelson本人は、「音のスケッチ」と言っているので、このような短い曲のオンパレードになっているのだとは思いますが。内容としては、本作品には、両面10曲ずつ収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。あっ、因みに、Nelsonは、3回結婚しており、現在の妻はYMOの高橋幸宏の娘Emikoさんです(あんまり関係ないですね、すまん!)。
★A1 “Sex Party Six” (4:44)は、ゆっくり走る機関車のような電子リズムとミニマルなシーケンスになだらかなメロディの曲で、時々インドっぽくて牧歌的。
★A2 “Wider Windows For The Walls Of The World” (2:16)は、やや金属質なリズムマシンとマリンバによる異国情緒漂う曲です。打ち込みのセンスが良い。
★A3 “Time In Tokyo” (3:05)は、ややスローで、日本的と言うよりチャイナ的なメロディのエレクトロな曲ですが、YMOの「駄目な」部分を感じてしまいます。
★A4 “Happily Addicted To You” (1:03)は、ハープのようなシンセのアルペジオとアコギの組合せが斬新な曲です。
★A5 “Snakes With Wings” (2:09)は、スローでやや重めの曲で、シーケンスの上のサブメロ・シンセが心地良い。タイトルは「龍」のことかな?
★A6 “The Boy Pilots Of Bangkok” (2:29)は、機械的な音色リズムマシンに何となくYMOチックなメロディがちょっと残念な曲。でも打ち込みのセンスは良い。
★A7 “Erotikon” (1:49)は、重めのリズムとシーケンスに針のようなメロディと緩やかなメロディの攻めが合いが面白い曲です。
★A8 “Birds In Two Hemispheres” (1:45)も、嗚呼、YMO的だなぁと思ってしまうような電子音楽です。シンセ・ソロは良いのにぃ!
★A9 “Windmills In A World Without Wind” (2:24)は、ノンビートのアンビエントな曲ですね。電子音系クラウトロックっぽいかな?潜水艦の中のような感じ。
★B1 “Love's First Kiss” (1:41)も、ゆったりとしたアンビエントな曲ですが、リズムなあって、女性のナレーション入りです。
★B2 “Initiation Of The Heart's Desire” (2:01)は、アルペジオ・シーケンスが心地良い曲で、ややアンビエント風かな? シンセのメロも良い。
★B3 “Edge Of Tears” (1:49)は、ゆったりとしたアンビエント風アレンジの優しい曲です。流れるようなリズムが心地良いです。
★B4 “Test Of Affection” (2:28)は、弦楽四重奏を思わせるようなシンセのダビング音に乗せて、くすぐったいようなシーケンスと晴れやかなメロが効いた曲。
★B5 “Words Across Tables” (1:51)は、逆回転のリズムマシンとシーケンスに合わせての、シンセのメロディが印象的な曲です。
★B6 “A Promise Of Perfume” (3:09)では、リズムマシンとシーケンスとアコギの絶妙な組合せを堪能できます。
★B7 “This Dangerous Age” (2:05)では、波状の多層化したシーケンスに合わせて、なだらかなシンセがソロを弾きまくります。
★B8 “The Glass Breakfast” (1:53)も、弦楽四重奏的シンセに、SE的電子音と優しいメロディのシンセから成る曲です。
★B9 “Talk Technique” (2:12)では、コチャコチャしたリズムマシンとシーケンスに柔らかいシンセのメロディと男児と男性Voがハマります。
★B10 “The Last Summer For Dancing” (2:10)でも、逆回転リズムマシン同期の正回転スネアとシンセのメロが冴えています。凝ってる曲だなあ。
★B11 “View From A Balcony” (1:55)は、静かな波の如く湧き上がる電子持続音とメロから成るアンビエントな小曲で、これでアルバムを締めています。

 聴いた感じの総合では、A面は大体がYMOの陰がチラチラ見えるリズミックな曲が多い印象で、A面最後辺りからB面は、ゆったりしていて、リズムマシンを余り使用しないアンビエントな雰囲気が強いですね。個人的には、アンビエントな曲にはYMOっぽさが無いので、安心できます(YMOファンのリスナーさん、ごめん!)。まあ、Nelson自身がスケッチ的なアルバムと言っているように、曲はあくまでも思い付いたメロとかシークエンスを試して、そこに肉付けしましたと言う感じなので、これらの短い曲(の素)を更に発展は出来ると言うことなのでしょう。その意味では、多彩なアレンジで面白かったです。他の3部作も聴いてみたくはなりますね❗️

クレジット曲順
A1 “Sex Party Six” (4:44)
A2 “Wider Windows For The Walls Of The World” (2:16)
A3 “Time In Tokyo” (3:05)
A4 “Happily Addicted To You” (1:03)
A5 “Snakes With Wings” (2:09)
A6 “The Boy Pilots Of Bangkok” (2:29)
A7 “Erotikon” (1:49)
A8 “Birds In Two Hemispheres” (1:45)
A9 “Windmills In A World Without Wind” (2:24)
B1 “Love's First Kiss” (1:41)
B2 “Initiation Of The Heart's Desire” (2:01)
B3 “Edge Of Tears” (1:49)
B4 “Test Of Affection” (2:28)
B5 “Words Across Tables” (1:51)
B6 “A Promise Of Perfume” (3:09)
B7 “This Dangerous Age” (2:05)
B8 “The Glass Breakfast” (1:53)
B9 “Talk Technique” (2:12)
B10 “The Last Summer For Dancing” (2:10)
B11 “View From A Balcony” (1:55)

https://youtu.be/aK1_63mkfxY?si=BimtgPbeK-KLUg6i

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