Wolf Eyes “Difficult Messages”

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ええっと、このアルバム”Difficult Massages”は、一応、Wolf Eyesの名義でリリースされたセルフ・コンピとなっていますが、よくよく見てみると、全曲、違う名義での曲をコンパイルしたものとなっており、レーベルは共に英国Warp Recordsの傘下です。また、このアルバムには、A5版のブックレットが付いていますが、内容はダラダラと綴られた日記みたいな感じです。それで、Wolf Eyesについては、以前にもそのバイオグラフィーは書いてありますが、元々は1996年にNate Youngを中心に米国Detroitで結成され、現在では、YoungとJohn Olsonのデュオになっています。また、1993年冬に、Gretchen Gonzales (G), Bryan Ramirez (G, Vo), John Olson (Drs, Sax)で、Universal Indiansを結成、その後、色々とメンバー・チェンジがありましたが、1998年に、元Couch and GalenのAaron "Mike Ephron" Dilloway (G, Open-Reeled Vo)で加わり、現在では、Dilloway, Gretchen Gonzales, John Olsonと言うメンバーになっています。ここら辺の事情はややこしいので、またの機会に解説します。それで、この作品に収められているバンドの殆どが、詳細不明であり、本作品にしか参加していないようなので、恐らく、大部分は、NateとOlsonがでっち上げたバンドではないか?と思います(分かる範囲で少し説明しておきます)。内容はA面6曲/B面5曲が収録されています。そんな、Wolf Eyes(?)のアルバムですが、取り敢えず、各曲を解説していきます。
A1 Wolf Eyes “Phone Intro”:当たり前ですが、YoungとOlsonのデュオです。単調なベースとディレイをかけたVoから成る意味不明な曲です。
A2 Short Hands “Dank Boone”:詳細不明。Lo-Fiなサイケ・ロックな曲ですが、結構、シンセの宇宙音が入るのが特徴かな?
A3 Time Designers “Passive Tempos”:詳細不明。左右にパンを振ったリズムマシンから成る曲で、単純ですが、面白いです。
A4 Gretchen “Locked Rivers”:Gretchen Gonzalesのことで、Universal Indiansにも参加しています。怪獣の鳴き声のようなギターらしき音が響き渡ります。更に弓弾きの音も加わってきます。
A5 Stare Case “Lost Head”:Stare CaseはYoungとOlsonが、2010年に始めた別ユニットで、American Tapes等から多量の作品を出しています。ボンボンとしたベースが反復リズムを刻み、虚なVoと途中からシンセ音や浮遊するSaxによる効果音が混在していきます。
A6 U Eye Trio “Courted Reverb”:詳細不明。正体不明の芋虫のようなリズムをベースに、変調テープや管楽器やら弦楽器の音が混じり、更にぶっきら坊なVoも!
B1 Short Hands “3rd Night Tax Edit”:詳細不明。ダルなギターの弾き語り風(Vo無し)に、シンセの効果音が混在した緩々サイケな曲です。
B2 Animal Sounds “Michigan Red Squirrel”:Wolf Eyesの2人に、Alex Moskosが加わったトリオです。笑い袋とエコーを掛けたフリーキーなSaxに、突如、無関係にシーケンスが入ってきます。
B3 Wolf Raven “Tulsa Once”:詳細不明。磁気テープのノイズによるテープ・アッセンブリーな曲で、所謂「電波系」ですね。
B4 Universal Eyes “Tense Lapse”:2018年から始まったOlson, YoungによるWolf EyesとAaron Dilloway, Gretchen Gonzales, OlsonによるUniversal Indiansの合体バンドです。B3に連続して始まり、シンセと法螺貝(?)、テープ音、Sax等がごった煮になった混沌曲です。
B5 Invisible Thread “Feedback 6”:OlsonとYoungによる別名義で、2020年頃から3本のカセット作品を出しています。アンプを使った低音フィードバックと、ディレイを掛けたノイズ等が反復したり、崩れたりする得体の知れない曲で、本作品は締められます。
 この作品を聴いて思ったのは、次世代の”LAFMS”的なポジションに、彼等は位置しているのではないか?と。つまり、限られた人数で、自由にバンドらしきものを形成して、あるコンセプトに沿って、自由に音を出すと言う原初的欲求に忠実に動いていると感じたからです。しかも、そこから紡ぎ出されるのが、緩い音/ノイズ/音楽である点でも、如何にも「アメリカン」な音楽なんですよね❗️また、このアルバムと対になる作品に”More Difficult Messages”もあるようですので、気になる方は是非是非❗️

[U Eye Trio version]
https://youtu.be/BqpWJDIc-po?si=9GteL4SSt0OOM6ir

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lqxFbMJQdMZA_w83VMnFDzGS8M063Nf3s&si=4eQc6vyeYWW2nuoL

[BandcampのURLを貼っておきます]
https://wolf-eyes.bandcamp.com/album/difficult-messages

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