My Dad Is Dead “….And He's Not Gonna Take It Anymore”

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これは何で買ったのかな?聞いた事もない名前です。My Dad Is Deadとは、バンドとかではなく、ソロ・アーティストMark Edwardsのことです。今回、ご紹介するのは、彼の実質ファースト・アルバム”...And He's Not Gonna Take It Anymore”(その前にカセット・アルバムが出ています)。それで、Edwardsと言うかMy Dad Is Deadについて調べてみました。My Dad Is DeadはMark Edwardsの録音プロジェクトとして、1984年にOhio州Clevelandで始まりました。2011年までに、12枚のフル・レングス・アルバムを出しているベテランです。その後、彼は北カリフォルニアで、Chapel Hillと言うバンドを結成しています。もう少し詳しく言いますね。彼は元々、1980年代初頭まで、Thermos of HappinessやRiot Architectureでドラムを担当していましたが、1984年に両バンドは解散。同年8月から、彼はギターを練習し、My Dad Is Dead名義で活動を始めます。最初の頃は、ドラムマシンにギター&ヴォーカルと言うスタイルでライブをやっていました。因みに、彼が24歳の時に両親は他界しており、それにちなんでのネーミングだとのことです。My Dad Is Deadは、最初にカセット・アルバム”My Dad Is Dead”を1985年に出した後、1986年に、正式なファースト・アルバムとして、本作品でもある”...and He's Not Gonna Take It Anymore”をSt. Valentine Recordsからリリースしています。その後、セカンド・アルバム”Peace, Love and Murder”をBirth Recordsからリリースした後に、1988年初頭に、Homestead Recordsと契約し、”The Best Defense”, “Let's Skip The Details”, “The Taller You Are, the Shorter You Get”と3枚のアルバムを出しています。因みに、アルバム”Let's Skip The Details”では、初めて、Edwards以外のミュージシャン(Chris Burgess, Doug Gillard, Jeff Curtis, John McEntire, Matt Swanson, Scott Pickering, Shayne Ivy)と一緒に作製し、それで、フルのバンドとしてツアーを敢行しています。1990年に欧州や英国ツアーをやっており、それが縁で、英国ツアーの時に、BBC Radio 1のJohn Peel Sessionにも参加しています。同年末にはMy Dad Is Deadは、ダブル7㌅”Shine”をリリース。これは後に、Scat Recordsが再発しています。1991年には、アルバム”The Chopping Down the Family Tree”を、1993年にもアルバム”Out of Sight, Out of Mind”をリリース。1995年には、Emperor Jones/Trance Syndicateとのスプリット”For Richer, for Poorer”を出していますが、その後、Edwardsは、短いツアーを終えた1997年末に、Web上で、バンドの解散をアナウンスしています。2002年には、Vital Congからアルバム”The Engine of Commerce”を出しており、また、2005年には、Edwards自身のレーベルUnhingedから、アルバム”A Divided House”を、2009年にもアルバム”A New Clear Route”を出していますが、結局、2011年にMy Dad Is Deadは正式に解散しています。大体の流れはこのようになります。
それで、本作品なのですが、先ず、LP1は、My Dad Is Deadのファースト・アルバム”...And He's Not Gonna Take It Anymore”の再発で、1985年10月〜1986年1月に録音されたもので、LP2は、そのアルバムの前にカセットで出していたセルフ・タイトルの作品(1985年3〜6月にEdwardsとTim Gilibrideによって、Fostex 4 Track recorderで録音)をリマスタリングしての再発となっています。それでは内容を紹介していきましょう。先ずはLP1ですが、G, B, Drs, Voは全てEdwardsが一人で演っているとのことです。初っ端のA1 “Talk To The Weatherman”のギターのドライなリフからして米国独特の砂っぽい感じで良いです。この曲では生ドラムを使っているのでしようか? まあ、そんな技巧が上手いと言う訳では無く、シンプルな曲が多いのですが、米国臭さが沁みます。A2 “The Quiet Man”やA3 “Mary Jane”はドラムマシンを使っていますが、一人でやっているからか、垢抜けてないところが、また良いです。A4 “Black Cloud”は、生ドラムの使用もあって、コード進行やアレンジが凄くカッコ良いです。A5 “Say Goodbye”も生ドラムで、ヘビーなインスト曲で、少しだけSonic Youthっぽいかな? A6 “40 Hours”は一転、ガレージっぽくて、ザラついたギターの音色と切羽詰まったヴォーカルがグーです。B1 “Anti-Socialist”は、またドラムマシンを使っていますが、その為か結構印象が変わります。B2 “It's Easier...”は、またまた生ドラムで乗り切る曲で、米国っぽい部分とJoy Divisionっぽい部分のブレンドが良い塩梅です。B3 “My Head”やB4 “Death Of A Salesman”はドラムマシンのビートが心地良いです。B5 “In Your Mind”では枯れたギターの音色が沁みますね。B6 “Statistic”はドラムマシンで、どこと無くコード進行がJoy Divisionっぽいんですが、アレンジで明るくしているように感じます。B7 “Mother And Child”は、生ドラムと猪突猛進な曲ですが、サビのところはカッコ良いし、途中のブレイクでハッとさせられます。
次にLP2ですが、先述のように、ファースト・アルバムの前に録音したデモ音源集のような位置付けで、曲も、LP1と重複するものもあります。また、Edwards以外に、Tim Gilibrideも参加しているようです。C1 “Statistic”, D2 “The Quite Man”, D3 “Anti-Socialist”, D4 “Mary Jane”はそれぞれ、B6, A2, B2, A4のデモ・ヴァージョンです。C2 “Too Many”はドラムマシンと生スネアで色を付けたインスト曲で、心地良いです。C3 “The Entrepreneur”は結構、ゴリゴリにギターを弾いて、ロックしている曲。C4 “Innocent”は、ドラムマシンを使いながら、ギターとヴォーカルの掛け合いが面白い曲。C5 “Last Call”はギターから始まる曲で、生ドラムを使ったスロー・バラード調です。唯一、コーラスのある曲。C6 “Roughneck”もギターで始まる元気一杯なインスト曲で、最後フェイドアウトします。D1 “Indiana”はライブ録音なのか?残響がカッコ良いインスト曲です! D2, D3, D4はデモ・ヴァージョンなのですが、録音場所の残響からか、結構印象が変わりますね。D5 “Rut”もドラムマシン使用で、何やら中近東風な雰囲気があるようなインスト曲。D6 “Waste”はまるでポストパンクな曲で、ドラムマシンも生ドラムも無しです。D7 “Back Away”は隠しトラックかな?ドラムマシンの逆回転にギタードローンが乗っかる結構、実験的な曲で、ビックリです。
と言う訳で、一通り、聴いてみましたが、初め、ジャケ写やデータでソロで全部やっているとかを見てて(何となくカントリー&ウエスタンの弾き語りなんかを勝手に想像していました)、ん〜これはあんまり面白くないかもなぁと思っていたのですが、予想を裏切って、ドラムマシンや生ドラムとギターとベースそしてヴォーカルでここまで面白い音楽が出来るとは❗️とビックリしました。やはり米国地下音楽界は侮れませんね。My Dad Is Dead自体は何枚もアルバムを出していますが、この再発盤は絶対聴いた方が良いですよ‼️さあ、レッツらゴー!

LP1 A2 “The Quiet Man”
https://youtu.be/u-dCtEIvxWU?si=rIcAHMNtOhiPAroW

[LP1 ”...And He's Not Gonna Take It Anymore” full album “]
https://youtu.be/tDQYvfDuvFI

[LP1 & LP2のBandcampのURLを貼っておきます]
https://mydadisdead.bandcamp.com/album/and-hes-not-gonna-take-it-anymore-expanded-edition

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