可動戦士　量産型ザク

祈りを越えた愛だけを

人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、すでに半世紀。地球の周りには巨大なスペースコロニーが数百基浮かび、人々はその円筒の内壁を人工の大地とした。その人類の第二の故郷で、人々は子を産み、育て、そして死んでいった... 宇宙世紀0079 地球から最も遠い宇宙都市サイド３はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。この一ヶ月あまりの戦いでジオン公国と連邦軍は、総人口の半数を死に至らしめた。人々はみずからの行為に恐怖した。戦争は膠着状態に入り、八ヶ月あまりが過ぎた... ファンにはお馴染みの故永井一郎氏によるナレーションで始まる「機動戦士ガンダム」。劇場版第一作は1981年3月に松竹系の劇場で公開されました。TVシリーズ（1979年4月〜1980年1月）の初回放送は、視聴率低迷による関連商品の販売不振によって全52話の予定が43話で打ち切りとなってしまいました。しかし打ち切り決定したころから人気が高まり（当初のターゲットである低年齢層ではなく、中高生以上）劇場版の企画が立ち上がったそうです。二作目の「機動戦士ガンダムII 哀戦士編」は1981年7月に、三作目の「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」は1982年3月に公開され、それぞれヒットしました。さらに、それに呼応するように人気を伸ばしたのがプラモデルでした。サンライズがクローバーに再三打診するも断られていましたが、打ち切り決定後にバンダイが権利を獲って1980年7月から販売がスタートしました。以降、来年で40周年を迎えるバケモノ・コンテンツへと成長するのでした。劇場版一作目の「機動戦士ガンダム」はTVシリーズの13話まで、ほぼ1クール分を再編集したものになっています。正規の軍人がほとんど乗っていない戦艦に、主人公とその周辺、そして避難民...それぞれの思惑やエゴがぶつかり事態は好転しない。対するジオンの部隊も思うように立ち回れない。ルウム戦役で「赤い彗星」と恐れられたジオンのエースパイロット、シャア・アズナブル。「V作戦」（新型モビルスーツの開発とその運用を前提とした新造戦艦の開発）をキャッチするも帰還途中で物資が不足しており、また自身の部隊のクルーも古参と新兵で構成され統率しきれていない。さらには、本国に補給を打診するも僅かな増援しか受けられない... このあたりの組み立て・演出はとてもリアリティがあります（TVシリーズではより細かく描かれています）。ようやく連邦軍の宇宙拠点ルナツーに逃げ込むものの、乗員（ほぼ全員が民間人）は保護されない上にそのまま連邦軍本部ジャブローへ向えと命令されてしまう。期待の新鋭戦艦が難民船になってしまい、乗り込んだ人たちの処遇も定められない。ルナツーは拠点といえど、単艦の追撃部隊に対抗する戦力もなく（新たに攻め込まれても困る）ただ厄介払いしてしまう。大気圏突入のタイミングで新たに追撃を受けるホワイトベース。そして、なんとガンダムはホワイトベースとともに地球に降下します。ここも大事で、ご都合主義のファンタジーではなくこの世界においてオーバーテクノロジーな存在であるという演出だと思います。地球に降下したホワイトベースはガルマ・ザビ大佐率いるジオン公国軍地球方面軍の猛攻を受けます。劇場版ではスムーズに進んでしまいますが、TVシリーズでは”なんとか払いのけた"という（クルーの反乱、避難民の反乱、シャアのガルマ・ザビへの裏切り、イセリナの復讐劇とアムロの鬱、など）構成になっています。そして終盤、第13話の「再会、母よ...」を先に回してすれ違う親子とその別離を描き（このドラマは必見！）、ランバ・ラルとの戦闘からガルマの国葬でのギレンの演説をみせることによって、ただ必死に戦ってきて、それが戦果をあげて、しかし何が良くて何が悪かったのかも実感できていないクルー達にあらためて敵対する相手を明らかにし、主人公達（視聴者も含む）の進むべき方向を示していくという演出は面白いです。 SF的にはザクのコロニー侵入シーンの描写が素晴らしいですね。完璧なタイトルバック https://m.youtube.com/watch?v=wpQUmdw5U8Y #参考 #考察 #思い出 #なんかスミマセン