月報 日本ポリドール(日本グラモフォン)1950年代

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戦前からの日本ポリドール蓄音器(株)は、戦後宝商会の資本参加によって再建されましたが、福島県桑折工場の焼失等もあり、1953年1月に一旦解散しています。その後 1953.5.1 に日本ポリドール(株)が設立され、1953.5.27 にレコード協会に入会しています。1956.4.2 には社名を日本グラモフォン(株)に変更します。その際にドイツ・グラモフォンと富士電機製造(株)が資本参加しています。<解散した旧日本ポリドール蓄音器(株)は、実はこれで完全消滅したのではなく、その後一騒動起こすことになるのですが、その話は何れまた……>
ヴァリアブル・ピッチのカッティング技術はドイツ・グラモフォンによるものであり、弱音部ではピッチを狭めて収録時間を稼ぎ、強音部はピッチを拡げて溝の接触を防ぐというもので、特に静かな部分の多いクラシックでは効果が大きくなります。先行ヘッドで直後の振幅を予知し、カッターの送り幅を調整するという技術は、テープ録音の賜であり、ドイツが磁気録音の先進国だったことと関係が深いものと思います。VG盤と称する78回転のヴァリアブル・ピッチ盤が盛んに宣伝されているのも、LP移行の過渡期ならではでしょう。
CORAL レーベルの第1回発売が 1954.9.20 だったのですが、レーベル名は「コラール」になっています。LP 第1回も同タイミングで予告されましたが、これはその通りには進まず、何回か延期された後、1954.11.10 に漸く発売されました。1955年10月号には ARCHIV の登場が告知されています。古楽器による演奏の草分け的な存在です。ポップス系では Polydor レーベルの P盤 が発売されていました。(ビクターの S盤,コロムビアの L盤 に向こうを張って !?)
邦盤の制作は1955年2月号を最後に途絶えてしまい、想い出盤と称する旧譜の再発盤や童謡のキンダー盤のみとなります。(復活するのは1958年6月号です)
1958年2月新譜として、バディ・ホリーの国内初レコードが紹介されています(SP C-124)。タイトルは「ペギイ・スュー」、アーティスト名は「バデイ・ホリイとオーケストラ」となっています。ただ、コメントを読むと、これがロックン・ロールであることはきちんと認識されていたようです。因みに翌 1958年3月号には45回転盤(DC-1032)が載っていますが、タイトルは「ペギイ・スー」に改められています。

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    chirolin_band

    2022/02/24 - 編集済み

    mamoasami 様

    chirolin_bandです。コメントありがとうございました。早速返信しようとしていたところ、操作を誤り、いただいたコメントを削除してしまいました。まことに申し訳ありません。返信だけ投稿させていただきます。大変お詳しいですね。仰る通り LPPM-1 シリーズは、1番〜6番がサントスの一人舞台、7番でようやくアルフレッド・ハウゼが登場という感じでしたね。私は、「LP登場〜月報廃止」の期間に発売された全レコードの情報をデータ化しております。ファイルは Excel ですが、アプリがなくてもネット上で開くことはできると思います。Excel がインストールされていれば、ダウンロードして覗いてみてください。(Mac でしたら、無償でついてる「Numbers」でも開いたり検索することができます)
    私のプロフィール画面をご参照下さいませ。

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      mamoasami

      2022/02/24

      chirolin_band様
      早速、貴方様のデータベースを拝見致しました。とても、労力が必要な素晴らしいファイル作成に頭が下がります。ありがとうございます。
      私も、ポリドールの50年代の月報を数冊持っていますが、貴方様のようにこれだけの、そして有名なレコード会社各社の月報を収集されたエネルギーと財力には感服しました👍
      私は、古稀を過ぎ貴方様のようなエネルギーはもはや少なくなって来ましたが、所持しているサントス楽団やミューラー楽団のレコードコレクションを展示してみたくなりました。とても、素晴らしい宝物殿を展開戴き感謝しか有りません。
      これからも、貴方様のご活動に期待しております。
      有りませんございます。

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      chirolin_band

      2022/02/25

      ご返信ありがとうございます。
      今となっては、リカルド・サントスとウェルナー・ミューラーの関係性を御存知ない方々が大半ではないでしょうか?
      私自身も、資料を収集しているとは言え、現物はほとんど所持しておりません。
      50年代のレコードは、その価値を認識している方の手を離れたら、あっという間に離散してしまうような気がします。
      是非、コレクションを拝見させてください。楽しみにしております。

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