18世紀頃のフランスのトランプ(ハートのキング)

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1700年代後半から1800年代はじめにフランスで刷られたトランプ。絵柄はハートのキング。

木版で合羽刷りされている。合羽刷りとは版画の技法でステンシルと同じ方法。水に強い型紙に模様を描き、切り抜いた型紙の上から刷毛で絵の具を塗って刷り出す。

出品者によるとフランスのコレクターから譲られたもので、このような16世紀から19世紀の合羽刷りの西洋カルタは近年は本当に見かけなくなったとのこと。数字は見られても、特に絵札はレアなのだとか。

絵柄が全身像になっているのが古い印。これが、19世紀の中期(1840年代頃から)になると、半身像が向き合う現代の形のトランプに変わっていくそう。

あたたかみのある色と配色がマルセイユ版タロットぽい。このタロットも16〜18世紀に作られたものなので、恐らく技法は同じだからだろう。

なお、タロットとトランプの起源は同じところからだが、トランプのハートはタロットのカップ(聖杯)に値する。カップのキングは情の深い男性。感情や心の幸せ、周りに左右されない想い。

ハートのクイーンや別のスートのキングやジャックなど、ほかのカードも出品されていたが、デザインに1番惹かれたのと、求めるものに近い意味を持つため、ハートのキングを選んだ。

専門店でマット加工と額装をされたそうで、絵画の雰囲気。壁掛けやスタンドができるようになっている。

#印刷物 #フランス #アンティーク

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