Benny Golson (BLUE NOTE TOKYO, 2018年05月5日, 1st show)

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Benny Golson (BLUE NOTE TOKYO, 2018年05月5日, 1st show)

今回のステージは"Jazz For Teen"という子供向け企画でしたので、同僚のご家族と8人という大人数で見に行きました。

ベニー・ゴルソンは聴衆に「子供たちは大切だ、未来だ」と優しく語りかけ、また演奏中にステージから子供たちにアイ・コンタクトを取ったり手を振ったりしていました。ちょっとした眼差し・素振りから「本当に子供が好きなんだ」というのがよく伝わってきました。

「私もかつては未来だったが、いまは昨日になってしまった」「信じられないかもしれないけれど、私にも10代があったし、髪だってあったんだよ」とユーモラスに語りかけながらステージは進みました。子供たちにジャズを教える、という趣旨だからでしょう。最初はわかりやすいオリジナル、2曲目は12小節の古典的ブルース、3曲目はバラードでした。

しかし、ここでハプニング。なんとあのゴルソンから"Mood Indigo"の曲名が出てこなかったんですよ。「曲名なんだったっけ・・・」と言って、ピアニストに教えてもらっていました。でもこの曲、2016年・2017年のステージでもやっていたし、ネットで見る限りはほとんどすべてのショウで演奏しているんですよ。やっぱ、トシなんですね。。。89歳ですしねぇ。

続いて「みんなが知っている曲ですよ」「タイトルは秘密です」と言いながら始めた4曲目は、なんと井上陽水の「少年時代」でした。これは「文化に垣根はない」ということを示したかったのでしょうね。終わったときに、「これはニューヨークに持って帰ります」とコメントして大喝采を浴びていました。

5曲目は、ゴルソン抜きのピアノ・トリオで、新しいスタイルでの演奏。疲れたのもあるでしょうけれど、「古い音楽から新しい世代の音楽へ」という視点を示したかったのかな。

トリオが終わり「じゃあ」と何か演ろうとしたところで時間を告げられ、あららーという表情で「もう最後の曲になってしまいました」と謝りながら始めたのは、定番のブルース・マーチ。毎回期待している大好きな"I Remember Clifford"は今回も聴けませんでした。5月4日に演ったらしいのに。残念でした。

ステージ後のサイン会は長蛇の列でした。ゴルソンはサインをしながら、自分のケータイで子供たちの写真を撮ったり、話しかけたり、すごく楽しそうでした。ちなみに、僕も順番の時に話しかけましたが、お義理のようにサインをしてくれただけでした。

https://www.youtube.com/watch?v=pkb01Zud4uU

set list
1 Horizontal Ahead
2 Now's The Time
3 Mood Indigo
4 少年時代
5 Holy Land (without Benny Golson)
6 Blues March

ちなみに4曲めの途中で、ゴルソンのゼスチャーに「呼ばれた」と錯覚した我が愚息がいきなりステージに上がってしまいました。ドラムソロの途中で、演奏の邪魔にならなかったのは幸いでした。ゴルソンは平然と後ろから優しく抱きしめてくれて(捕獲)、僕はゴルソンから愚息を受け取りました。ちょっと感動的な瞬間でした。ちなみに、帰宅してから「あのとき頭に何か当たったんだけど」というから「後ろからチューってしてくれたんだよ」と伝えると、「げげ!きたねー!!」だと。あのくそガキ!もちろんイッパツ、しばいときました。

そういえば、巨体のドラマー、カール・アレンも穏やかで子供好きそうな人で、ステージに上がる直前に最前列の娘に日本語で「元気ですか?」と話しかけてくれました。固まった娘が二回目でようやく「元気です」と答えたらまた日本語で「ほんと?」と言ってて。ちょっとおかしかったです。あと、終わってから帰る前にわざわざステージから愚息のところに来てスティックをプレゼントしてくれました。途中であくびをしたり耳を塞いだりと失礼極まりない振る舞いをしていたのですが・・・。ちなみに、そのスティックは同僚の息子が欲しがったらしく、一本分けてあげてました。二本セットなのに・・・と思いましたが、それこそ「ケチな大人の発想」だなと。反省、反省。

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