Matt Dennis / Plays And Sings Matt Dennis (US, Trend, TL-1500) <1954>

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Matt Dennis / Plays And Sings Matt Dennis (US, Trend, TL-1500)
TLP-110-D1 / TLP-111-D1

 歌手というより作曲家として有名なマット・デニスの、ホーム・グラウンドであったハリウッドのクラブTally-Hoでの1953年のライヴ盤。白人のヴォーカルというと感情を込めて叙情的に歌い上げるものが多いですが、マット・デニスはさらりと非常に軽く歌っていて、それがとても気持ちいいです。テンポを変えたりおどけてみたり、そんな自由自在で表情豊かなヴォーカルを披露できるのは作曲者ならではの強みでしょうし、そうした自由なヴォーカルにピアノが追随するのも弾き語りならでは、ですね。2曲で妻でもあるヴォーカリストVirginia Maxeyが参加して華を添えてますが、二人の掛け合いがまた素晴らしく楽しいです。観客とのやり取りも温かく、ほのぼのした気持ちで聴くことが出来ます。

 深溝とそうでないものと2枚持っていますが、いずれもマトリクスはまったく同じです。

https://www.youtube.com/watch?v=8db_E3nUGr8

When lovers make no rendezvous
And stroll along Fifth Avenue
When this familiar world is through
Will you still be mine ?

When cabs don't drive around the park
No windows light the summer dark
When love has lost its secret spark
Will you still be mine ?

When moonlight on the Hudson's not romancy
And spring no longer turns a young man's fancy

When glamour girls have lost their charms
And sirens just mean false alarms
When lovers heed no call to arms
Will you still be mine ?

When they invent eternal youth (crazy line)
Used cars dealers tell the truth
When Emily Post is too uncouth
Will you still be mine ?

When all the Crosbys disappear
Milwaukee stops producing beer
When Johnny Ray sheds not a tear hear, hear
Will you still be mine ?

When Esther Williams won’t go near the water
Hopalong Cass saves the rancher’s daughter

When Hedda hasn't got a hat
And Garbo buys a welcome mat
When Miss Monroe gets old and flat-fat
Will you still be mine ?

「ありえないこと」を並べて「そうなっても僕のものでいてくれるかい?」と問いかけるラブ・ソング。

エミリー・ポストは1890年ごろに社交界で人気を集め「エチケットの権威」と言われた女性だそうです。
Crosbysは、おそらく「ビートルマニア」みたいなものでしょうね。

ジョニー・レイは1952年のCryで有名になった歌手で、床に崩れ落ちたりステージで泣いたりするなどのパフォーマンスが有名だったそうで、"Mr. Emotion" "The Nabob of Sob" "The Prince of Wails"といったニックネームがあったそうです。

エスター・ウィリアムスは1938年の全米大学選手権において15歳で世界記録した競泳選手で「水着の女王」など水泳関連の映画に出演した女優。

Hopalong Cassはおそらくホパロング・キャシディ、架空のカウボーイで善良な市民を悪漢から救う正義の味方ですが・・・どういう意味なのか。。。

グレタ・ガルボは伝説的な女優ですが、極端な人嫌いで35歳で引退し隠遁生活をしていたとは知りませんでした。
Miss Monroeはもちろんマリリン・モンローですね。

これまでは "Used cars dealers tell the truth" や最後のモンローの部分などなど、聞き取れたいくつかのラインで笑ってましたが、このたび歌詞を初めてじっくり読んでみました。固有名詞が多いから分かりにくかったですが、当時のひとには常識的な内容だったんでしょうね。

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