Dome “Dome 1”

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やっと見つけました。WireのBruce C. GilbertとGraham Lewisが1980年に作った実験的ユニットDomeとしての最初のアルバム”Dome 1”です。WireやDomeについては既に紹介していますので、そちらを参考にして下さい。Domeについては、少し補足をしていきます。Wireが分裂した後、1980年にB.C. Gilbert and G. Lewis名義で、アルバム”3R4”をリリース、更には翌年に、Cupol名義で、EP”Like This for Ages”を4ADからリリースしたことが、Domeの結成や活動のキッカケになっているようです。また、美術家Russel Millsとのトリオで、アルバム”MZUI”を1982年にもリリースしており、ますますDomeとしての活動のモチベーションが上がっていったようです。1983年には、Duet Emmo (“Dome”と”Mute”のアナグラム)名義で、Mute RecordsのDaniel Millerとの共作アルバム”Will You Speak This Word”を”Dome 4”扱いでリリースしています。そして、1984年にWireが再始動した後も、Domeとしては解散はせず、1988年には後期過去作品を集めたアルバム”Yclept”もWMOからリリースしています。
それで、本作品”Dome 1”の内容ですが、その後”Dome 3”で最高傑作となる彼等の音楽の「核」となる部分を感じさせられます。Bruce C. GilbertとGraham Lewisは共にVoice, G, B, Perc, Tapesを担当し、更にGilbertはDrs、LewisはSynthも担当しています。また一曲、ゲストにA.C.M.ことAngela Conwayも参加しています。ここでは、2人は、”Dome 3”で開花する抽象的な音楽には到達はしていないものの、所々にその萌芽を認めるところがあります。独特のエフェクトを掛けたギターやベースの音を「単なる音」として無慈悲に使う様は既にインダストリアルな響きを持っています。そんな中で、A2 “Cruel When Complete”でのA.C.M.の女性Voは、返って天使の歌のように聞こえます。まだ歌詞があり、ヴォーカルもある曲が多いので、それ程の抽象性はありませんが、それでも、楽器音に対する冷徹な使用方法は充分に感じられます。そんな萌芽的作品ですが、ここから、Domeの真髄を読み解いていくと面白いかもしれませんね。もし、聴く機会があれば、ぜひともここから聴いて、”Dome 2”, “Dome 3”と聴き比べてはどうでしょうか?

A1 “Cancel Your Order” (2:12)
A2 “Cruel When Complete” (3:15)
A3 “And Then...” (4:15)
A4 “Here We Go” (3:04)
A5 “Rolling Upon My Day” (3:40)
B1 “Say Again” (3:30)
B2 “Linasixup” (3:10)
B3 “Airmail” (3:22)
B4 “Ampnoise” (4:17)
B5 “Madmen” (3:29)

A5 “Rolling Upon My Day”
https://youtu.be/4U_EZpWJ9Js?si=GIrfUmSyybc__ajM

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLprjTk8nvd1aBMlW-fWa25wh9RtQtoBCf

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