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Holger Czukay, Jah Wobble, Jaki Liebezeit “Full Circle (舟海)”
元CanのベーシストでもあったHolger Czukayの3枚目のソロアルバムでもありますが、今回は、Public Image Ltdの初代ベーシストJah Wobbleと同じCanのドラマーJaki Liebezeitとがっちりタッグを組んでの作品”Full Circle (邦題「舟海」←なんじゃそりゃ?)”となります。メンバーと担当楽器は、Holger Czukay (Radio Painting, G, Organ, Piano, French Horn, Perc, Processing; Rhythm Box [A1]; Vo [A3]), Jah Wobble (B, Vo; Synth [A1]), Jaki Liebezeit (Drs, Perc, Trumpet; Back-Vo [A3])となっており、録音はCanの使っていたInner Spaceで、ミックスはInner SpaceとConny Plankのスタジオで行われています。なお、ミックスは、A1でMark Lusardiによる以外、全てCzukayによって成されています。収録曲は、A面B面共に3曲ずつです。なお、Czukayのバイオグラフィーは既に書いてありますので、そちらを参照して下さい。それで、内容についてですが、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような「様々な音楽或いは音」がゴチャコヂャに混ざり合っています。そして、奇妙なな統一感があり、多分それは、ベースのWobbleによるのかも知れません(なんせ、彼のベースの音やフレージングは独特ですから)。A1 “How Much Are They?”だけ、リズムマシンを使っていますが、それでも統一感があります。一方、Czukayは様々な楽器/非楽器を使って変幻自在に曲を弄っており、それを支えるLiebezeitのドラミングも派手ではないですが、重要です。また、Wobbleの呪文のようなヴォーカルと、彼に影響されたようなダブっぽいミックスやCzukayお得意のミュージック・コンクレート的なミックスやエディット(Radio Painting)も冴えています。それ以外にも様々なギミック的処理がされており、それも魅力の一つです。例えば、A3 “Full Circle R.P.S. (No. 7)”やB1 “Mystery R.P.S. (No. 8)”で、薄ら聴こえる短波ラジオの音と無国籍風の(or 自由な)フレーズのギター(or Wobbleのヴォーカル)の掛け合いなんかも、Czukayらしいですね。多分、もっと長い時間、ジャム・セッションして録音した元曲をエディットしたのでしょう。それでフェイド・アウトする曲が多いでしよう。なお、B3 “Twilight World”はジャズ・テイストにレゲエの粉を振り掛けたような曲で、異色と言えば異色ですね。こんなに雑然としながらも、キチンとHolger Czukayの音になっているのは凄いです。皆さんも是非是非聴いてみて‼️ https://youtu.be/7m2bjYl-SNA #HolgerCzukay #JahWobble #JakiLiebezeit #FullCircle #VirginRecords #TrioRecords #Experimental #Pop #Can #PublicImageLimited #Collaboration #Dub #Radio #ShortWave
Experimental Pop Trio Records (Virgin Records) 不明Dr K2
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Conrad Schnitzler “Zug”
日本のオークションで、中々見つけられないのが、Conrad Schnitzler先生の作品です。で、やっと見つけました。結構、晩年の作品で、A面はオリジナル曲”Zug”、B面は、B1が、Stefan Betke氏のソロユニットPoleのよる再構成(reshape)、B2がChristian BorngräberとJens StrüverのコンビでもあるBorngräber & Strüverによるリミックスがそれぞれ収められています。本作品の内容を紹介する前に、B面の各アーティスト/グループについて、簡単にご紹介しておきます。先ず、Pole (Stefan Betke)ですが、彼はDüsseldorf育ちBerlin在住のミュージシャン兼プロデューサー兼マスタリング・エンジニアとして、25年間に渡って、アブストラクトな電子クラブミュージックと関わってきており、この期間にリリースしたPole名義の7枚のアルバムは、エレクトロニカへの転換を強く示唆するものです。そして、彼はダブトロニック/グリッヂを用いる音楽家であり、同時に~scape RecordsとレーベルPoleを運営し、Scape Mastering studioで働いています。一方、Borngräber & Strüverですが、1999年から一緒に作業するようになったBerlin在住のデュオです。彼等はサンプリングとリミックスで色々な音楽のリリースに関係しており、2010年には、M=Minimalレーベルを立ち上げ、色々なタイプのミニマル・ミュージックを支えてきています。今回のアルバムも、彼等のレーベルM=Minimalからですね。 それで、本作品の内容についてですが、A面のSchnitzler先生の曲は、いつものように、簡素なリズムボックスのシーケンス、それにややダウナーだが浮遊感のあるシンセによる即興的メロディと電子音と言う至ってシンプルな楽曲からなり、それだけでも、気持ち良い反復を体感できます。多分、Schnitzler先生の最初期(1978年)のアルバム”Con”に収められていた曲のフルレングス・ヴァージョンだと思われます。それで、B面に移ります。B1はPoleによる「再構成(Reshape)」ですが、Pole独特のディレイ処理をリズムボックスの音に掛け、更にリズムパターンを変え、電子ダブな曲にミックスし直して、アブストラクトな音楽に仕上げています。次に、B2はBorngräber & Strüverによるリミックス(リシェイブとは違う!)ですが、彼等は大胆にヘビーなキックのリズムを入れて、大幅にクラブ寄りの曲に仕上げていますが、その隙間から聞こえてくる電子音が如何にもSchnitzler先生的で、ちゃんとリスペクトしているんだなあと感心します。ここで証明されるのは、1978年に既に、その32年後でも充分に楽しめる音楽をSchnitzler先生は作っていたと言うか、また逆にPoleとBorngräber & Strüverは、32年前の曲を再認識でき、それを生まれ返らせたのかもと言えます。とすると、この作品では、ミニマルな電子音楽の普遍性と可塑性を同時に体験出来るものと考えます。なので、未聴の方、一度は、聴き比べてみても面白いですよ❗️ A面 “Zug” by Conrad Schnitzler https://youtu.be/pXkzMrQFckc B1 “Zug” Reshaped by Pole https://youtu.be/lHjLZ1__YE0 B2 “Zug” Remixed by Borngräber & Strüver https://youtu.be/Cz8PCS3k__g #ConradSchnitzler #Zug #M=Minimal #Pole #Borngräber&Strüver #ElectronicMusic #Minimal #Reshaped #Remixed #German #ClubScene
Electronic music M=Minimal 1800円Dr K2
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Modern Eon “Fiction Tales”
今まで、あんまりこの手の音楽は聴いてこなかったので、ちょっと聴いてみようと思い、購入しました。Modern Eonは1978年に英国Liverpoolで結成された、まあニューウェーブと言うかポストパンク・バンドで、この1枚しかアルバムは残していません。それで、簡単にModern Eonのバイオグラフィーを書いておきます。元々は、Alix Plain (Vo, G, Synth, Horn: 本名Alex Johnson)とDanny Hampson (B)が、Dave Hardbattle (Drs)を誘ってLuglo Slugsと言うバンドを結成したのが、母体となっています。このバンドは、直ぐにシングルを地元のレーベルからリリースしますが、その録音の直後に、Hardbattleが脱退します。それで、Ged Allen (G)とJoey McKechnie (Drs)が加入し、そこでバンド名をModern Eonと改名します。彼等は、1979年にEon Recordsから自主制作シングル”Pieces”を、1980年にInevitable Recordsよりシングル”Euthenics” (これはヒットしています)をリリースします。ところが、デビュー・アルバムでもある本作品の録音前になって、AllenとMcKechnieが脱退してしまい、その代わりに、Bob Wakelin (Synth, Strings, Vo, Perc)とTim Lever (G, Sax)が加入、少し遅れてCliff Hewitt (Drs)が加わります。このメンバーで、1981初頭に”Euthenics”を再録音し、また2枚のシングルをリリースして、漸く、1981年中期にデビュー・アルバムがリリースされます。その年のツアーを計画していたところ、Hewittが手首に致命的な怪我をしてしまい、ツアーでは彼のドラムを録音したテープを流して、何とか乗り切ります。そんなこともあって、セカンド・アルバム用のデモもあったようですが、1981年末にバンドは解散してしまいます。Leverは、その後になって、Dead Or Aliveに参加したり、HewittはエレクトロニカApollo 440のツアーメンバーになったりしています。 そんな短命だったModern Eonですが、本作品の内容の方も紹介したいと思います。まあ何と言うか、アレンジが独特で、ドコドコしたドラムや効果的に入ってくるシンセやサックス、控えめなギターやベース、それにグリーントーンて囁くようなヴォーカルスタイルは、当時としてはNew Waveだったのかな? ただ日本で言うニューウェーブと違って、ダークながらドライな印象を与えてくれます。歌詞が分かれば、もっと楽しめると思います。そう言う意味では、一時期(”Closer”辺り)のJoy Divisionに近いかも(まっ、それよりはテクはありますが)。ただ曲間にSEのようなシンセによる効果音も挿入されており、2〜3曲が連続しているように聴こえます。B1 “High Noon”だけSynth&Sax&Perc担当のWakelinがメイン・ヴォーカルを取っています。また、B面には先行シングルの曲が多く含まれており(12曲中6曲)、発売当時には、この点がこのアルバムのちょっと残念なところとのレビューもあったようです。私的には、それぞれが良い曲だと思いますので、それはそれで気にならなかったです。個人的には、ヒットしたB4”Euthenics”よりも、B6 “Mechanic”が、ドライブ感があって、気に入りました。まあ、そんなModern Eonの「作り話」を体験してみて下さい。 https://youtu.be/s_04gypMQbU #ModernEon #FictionTales #Dindisc #FirstAlbum #TheLastAlbum #NewWave #PostPunk #Alix Plain #DannyHampson #BobWakelin #TimLever #CliffHewitt #Euthenics #Mechanic #LugloSlugs
Post Punk / New Wave DINDISC 3980円Dr K2
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Fad Gadget “Collapsing New People”
Fad Gadget (本名Frank Tovey)の有名曲”Collapsing New People”と”Lady Shave”のクラブ用(?)12㌅EPの登場です。Fad Gadgetのアルバムは今となっては、入手困難で、中古も殆ど日本の市場に出回っていないか、高価で取引されています。なので、この12㌅EPもやっとの思いで競り落としました。Fad Gadgetのバイオグラフィーは前回を参照して下さい。それで、本作品の内容ですが、彼の有名曲である”Collapse New People”と”Lady Shave”を収めてありますが、A面には、”Collapsing New People”のオリジナル(A2)とKlaus JankuhnとWestBamによるリミックス・ヴァージョンWestBam Remix(A1)が、B面には、”Lady Shave”のJohn Acquaviva's Robo-Sapien Voxヴァージョン(B1)とJohn Acquaviva's Robo-Sapien Dubヴァージョン (B2)がそれぞれ収められています。B面のリミックスとプロデュースはJohn AcquavivaとChris Jordanがそれぞれやっています。 それで、A面ですが、前述のように独逸テクノ界のWestBamことMaximilian Lenz (彼はDJ Dickの兄弟)がリミックスをKlaus Jankuhnがプロデュースをやっており、鉄壁のダンス・チューンに仕上がっています。元よりこの曲はダンサブルな曲でもあるので、余計に重量級のビートになっていますし、シンセのリフもキツくなっていますね。一方、B面はオリジナル・ヴァージョンは収録されていませんが、カナダ人DJのJohn Acquavivaがリミックスを、Chris Jordanがミキシングとエンジニアをやっています。こちらもフロアー向けのチューンに仕上がっていますが、B2はダブなのかと思いますが、聴いてみると、インスト曲になっているだけのようでした。いずれにしろ、Fad Gadgetの曲の良さーーダンサブルな面ーーが引き出されており、聴き応えがありますね。さあ、皆さんもこれを聴いて、レッツ・ダンス‼️ですよ。 A1 “Collapsing New People - WestBam Remix” https://youtu.be/moIDlxZnGxY B1 “Lady Shave - Acquaviva’s Robo-Spien Vox” https://youtu.be/Nxb3uijong4 #FadGadget #CollapsingNewPeople #LadyShave #MuteRecords #Remix #Reissue #SynthPop #ElectronicPop #ClubMusic #Synthesizers #KlausJankuhn #WestBam #JohnAcquaviva #ChrisJordan
Electronic Pop Mute Records 1101円Dr K2
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Tin Huey “Contents Dislodged During Shipment (不思議な落とし物)”
Devoが出てきた時に、米国のゴムの街アクロンが注目を浴びたのですが、その中でも途轍もなく変なバンドが、このTin Hueyです。彼等は1972年に結成、1982年に解散しています。それで、先ず、Tin Hueyのバイオグラフィーを書いておきます。元々はMark Price (Wesley the Stashと名乗っていました)がギターを、Michael Aylwardがベースを、Stuart Austin (Napoleon Lemensと名乗っていました)がドラムを担当していたRagsと言うバンドから派生したと言われています。その後、Harvey Goldがオルガンで参加しで、Tin Hueyにバンド名を変えますが、Priceが脱退してしまいます。残ったメンバーは一時期、アコースティックな音楽もやっていましたが、やがて、Arthur Batanoff (G)とWayne Swickley (B)が加わります。しかしなから、BatanoffとSwickleyは脱退してしまい、その後、Priceがベースで再加入します。それに伴って、Aylwardはギターにシフトし、Goldはギターとキーボードを担当することになりすぎ。そして、Lochi Macintoshがサックスで加わりますが、その後、Ralph Carneyが彼に代わってサックスを担当することになります。そして、15-60-75 (The Numbers Band)でベースを担当したChris Butlerが最終的にギターで加入し、Tin Hueyとしてファーストアルバムの時のラインナップになります。彼等は、Captain Beefheart, Frank Zappa, The Stooges或いはthe Soft Machineに影響を受けて、アクロン/クリーヴランドで、Devo, Pere Ubu, Electric Eelsらと共に活動しはじめます。そして、1977年に最初のシングル”Pappet Wipes”をClone Recordsより、更に翌年セカンドシングル”Breakfast with Tin Huey”を同レーベルからリリースします。丁度、その頃、Devoなどが注目を浴びたこともあってか、アクロン/クリーヴランドのグループに注目があつまり、その関係か、彼等はWarner Broth. Recordsと契約し、1979年に、本作品でもあるファースト・アルバム”Contents Dislodged During Shipment”をリリースします。しかしながら商業的成功は得られませんでした。再度、この時のメンバーをまとめますと、Chris Butler (G, Perc, Birdcalls, Vo), Harvey Gold (Piano, Synth, G, Vo), Michael Aylward (G, Slide-G, Vo), Mark Price (B, Vo), Stuart Austin (Drs, Perc, Synare Vo), Ralph Carney (B, Tenor-, Alto-, Soprano-Sax, Clarinet, Organ, Perc, Piano, Harmonica, Vo, Large Nose, Duck Calls)の6人組です。その後、彼等は個々人でそれぞれ活動していましたが、1980年代初頭には、バンドは、Ralph E. ことRalph Legniniと一緒に演奏しています。そんなこともあって、次のアルバムを出すまで20年もかかっています。そんなセカンド・アルバム”Disnformation”は、1999年に ButlerのレーベルFuture Fossil Recordsから出ています。さらに最近では、1970年代中盤のスタジオ録音やライブ録音を集めたサードアルバム”Before Obscurity: The Bushflow Tapes”が2009年にSmog Veil Recordsから出ています。その後も活動しているようですが、Priceは大腸癌で他界しています。 ザッとこんな感じのバンドなのですが、本作品の内容について紹介していきます。先ず、最初に感じるのは、メンバー皆んな、演奏が上手いと言うことです。と言うのも、曲は皆んな2〜3分の曲なのですが、結構、どの曲も展開が早かったり、変拍子らしき変な譜割りがされているのを難なくこなしているのは凄いです。私的には、B面の方が好みなのですが、それは上記の特徴がより明確になっているからです。とは言え、時にジャジーに、時にフリーキーに、時にブルージーに、また時にハードロック調になったりするのも興味深いです。多分、サックスやクラリネット担当のRalph Carneyによるアレンジが大きいのかも知れません。確かにそう言う意味では、Frank ZappaやCaptain Beefhesrtの影響はあったのだろうと思います。なので、単に米国の地方のニューウェーブ・バンドとして片付けるのも惜しいですね。因みに、A1の”I Am A Believer”はMonkeysのカバーですが、割と「普通」に演奏しています。そんなTin Hueyですが、もし、アクロン・サウンドに興味があれば、聴いてみて欲しいですね。 https://youtu.be/o3RMOp8Y2E0 #TinHuey #ContentsDislodgedDuringShipment #WarnerBrothRecords #AlternativeRock #NewWave #AkronSound #Cleveland #FirstAlbum #ChrisButler #HarveyGold #MichaelAylward #MarkPrice #StuartAustin #RalphCarney
Alternative Rock Warner Broth. Records 1800円Dr K2
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Asmus Tietchens “Der Fünfte Himmel”
またまたAsmus Tietchens先生のアルバムですが、今回は、初期の作品からの曲をコンパイルしたセルフ・コンピレーション・アルバム”Der Fünfte Himmel”を紹介します。この頃のTietchens先生の作品(4枚あるのですが)は、「ヨーロッパ4部作」と言われており、これには、アルバム”Biotop”, ”Spät-Europa”, “In Die Nach”及び”Litia”が含まれでおり、いずれも2色のモダーンなデザインで統一されています。それでこれらの4部作に1996年作の10㌅EP”Rattenheu” (このEPはアルバム”Litia”のCD再発の際のボーナストラックです)も加えてのトータル5枚の作品から選曲されたのが、本作品となります。どの曲も捻りの効いたシンセ・ポップな内容で、如何にも宅録っぽい音触りですが、5枚のアルバムからチョイスされていにも関わらず、統一感のある構成になっているのは流石ですね。ただし、B面は、やや実験色が強く、この後のTütchensの方向性も示唆しています。Discogsのジャンルにも書いてありますが、「シンセ・ポップ」で「実験的」となっており、正しくその通りですね。また、前回、”Biotop”でも書きましたが、参加者は全て、Asmus Tietchensのアナグラムによる「メンバー」で、全部彼1人でやっています。またプロデュースにはRokko Ekbekとありますが、それは、この頃、Tietchens先生とつるんでいたオランダ人音楽家Okko Bekker氏のことで、後に、連名でもアルバムを作製しています。クラウトロックと言うと何やら怪しげで難解な先入観を持つかもしれませんが、全然、そんなことは無く、この時期のTietchens先生の作品を知るにはもってこいの作品なので、未聴の方はこのアルバムを是非とも聴いてみて下さい❗️ https://youtu.be/dZKQH3bg_tw #AsmusTietchens #DerFünfteHimmel #BureauB #SelfCompilation #Krautrock #SynthPop #Experimental #ヨーロッパ4部作 #Biotop #Spät-Europa #InDieNach #Litia #Rattenheu #OkkoBekker
Krautrock, Electronic Pop Bureau B 2580円Dr K2
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Asmus Tietchens “Biotop”
やっと手に入れました。独逸電子音楽界の重鎮Asmus Tietchensのサード・アルバム”Biotop”です。Tietchens先生のバイオグラフィーは、以前にArchive Boxのところで書いてありますので、そちらを参照して下さい。本作品では、勿論、Tietchens先生が全曲作曲し、自らもElectronicsを演奏していますが、他にも参加メンバーがおり、Stu 'Snatch' Seemi (Drum Programming), Mischa Suttense (Harmonizer, Flanger), Achim Stutessen (Ring Modulator), Hans Tim Cessteu (Synth), Sam 'The Cute' Sins (Synth, Effects), Tussi Schemante (Synth, Voice)と成っています (本当にこのメンツが存在するのかは、ちょっと嘘くさいんだよねー)。そして、内容なんですが、初めて聴いた時は、「宅録テクノ・ポップやん❗️」と思ってしまいました。例えば、日本のDD. Recordsの鎌田忠さんとかの作品と近いものを感じました。1981年にリリースされていることを考えると、ほぼほぼ同時期ですね。いや〜参った!参った!こう言うシンクロニシティってあったのですね。イメージとして、Tietchens先生、もっと堅苦しいと言うか仰々しい電子音楽を演る人かと思ってましたが、ここでは、変なメロディのインスト「テクノ・ポップ」ですね。ただB面にくると、何だかポップなのか?アンビエントなのか?よくわからない曲に移行していきます。そんな意味も含めて、Asmus Tietchens先生の嗅覚の良さとセンスの良さ及びそれらのコンセプトを具現化するテクを感じますね。なので、もしシンセ・ウェーブとかに興味を持っている方なら、絶対ともこのアルバムを聴いてみて下さい❗️きっと発見がありますよ。 https://youtu.be/pbhaf7_MdUQ #AsmusTietchens #Biotop #SkyRecords #BureauB #Reissue #Remastering #Krautrock #Electronic #Pop #TechnoPop #Ambient
Krautrock, Electronic Pop Bureau B (Sky Records) 2580円Dr K2
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Fehlfarben ”Tag Und Nacht / Dollars Und Deutschmarks“
独逸音楽界(NDW)のスーパーグルーブにして現役バンドFehlfarben (「フェールファルベン」と発音)の7枚目のシングル “Tag Und Nacht / Dollars Und Deutschmarks (Speed Dance Mix)を紹介します。この12㌅マキシ・シングルはサード・アルバム”Glut Und Asche”からのシングルカットになっています。Fehlfarbenについては前回書きましたので、バイオグラフィーは省略させて頂きますが、この元になったアルバムの参加メンバーは、Rüdiger Sterz (B), Uwe Bauer (Drs, Back-Vo), Thomas Schwebel (Vo, G, Synth, Back-Vo), Uwe Jahnke (G, Back-Vo), Achim Fink (Horn), Rainer Winterschladen (Horn), Wolfgang Schubert (Horn), Lionel Dussauchoy (Perc, Back-Vo), Mattias Keul (Piano, Clavinet), Friederike Zumach (Strings), Stefan Kriegeskorte (Strings), Ulrich Alshuth (Strings), Ulrike Kleine (Strings), Harald Lepschies (Synth), Jochen Schmidt (Vibraphones)から成ります。それで内容ですが、A面B面共に、タイトなリズムに煌びやかなホーン・セクションを大々的にフィーチャーしたダンサブルな曲で、特にB面はかなりファンク調のベースが強調されたミックスになっており、思わず踊りたくなるチューンにリミックスされています。また、SchmidtのVibraphonesも良い雰囲気になってますね。これの元のアルバム”Glut Und Asche”の前のセカンド・アルバム”33 Tage In Ketten”は以前にも紹介しましたが、それと比べると段違いにメジャー寄りと言うか、格段に洗練されたスマートな内容になっています。Fehlfarbenは、このアルバムをリリース後、一度バンドは解散していますが、1990年代には、2枚のリミックス・アルバムをリリースしています。因みに、オリジナルをリリースしているWelt-Rekordは初代VoのPeter Heinが1980年代に運営していた自主レーベルで、後にEMIに吸収されています。1980年代のFehlfaubenの音楽の一端を知るには良いブツなので、見つけたら、購入するのは良いかも⁉️ A “Tag Und Nacht” (4:38) B “Dollars Und Deutschmarks (Special Dance Mix)” (5:54) A “Tag Und Nacht” https://youtu.be/Bby0nivalJ8 B “Dollars Und Deutschmarks (Special Dance Mix)” (5:54) https://youtu.be/S8dT88--esc?si=aJE4Q9dsTno2HWPt #Fehlfarben #TagUndNacht #DollarsUndDeutschmarks #Welt-Rekord #EMIElectrola #1983年 #SingleCut #GlutUndAsche #DanceMusic #Funk #Horns #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #RüdigerSterz #UweBauer #ThomasSchwebel #UweJahnke #Guests #AchimFink #RainerWinterschladen #WolfgangSchuber #LionelDussauchoy #MattiasKeul #FriederikeZumach #StefanKriegeskorte #UlrichAlshuth #UlrikeKleine #HaraldLepschies #JochenSchmidt
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Welt-Rekord (EMI Electrola) 1500円Dr K2
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Conrad Schnitzler & Pole “Con-Struct”
さてさて、今度のConrad Schnitzler 先生ほ、ダブ・マスターのPoleことStefan Betkeとのコラボです。”Con-Struct”シリーズ第5弾に当たります。Conrad Schnitzlerについては既に色々書いていますので、ここでは彼のバイオグラフィーは省略しますが、Poleについて少し補足しておきます。PoleことStefan Betkeは、1967年にDüsseldorf生まれで、バンドではキーボードとシンセを担当していました。また、彼は1999年から2010年の間には、Barbara Preisinger と共同で~scapeというレーベルも運営し、自分自身の作品を出す為に、2011年9年にPoleと言うレーベルを運営するようになり、それが彼のソロユニットにもなっています。その一方でScape Masteringスタジオでダブ・ミックスやマスタリングなどの作業も続けています。彼の肩書きは多く、ダブソニック/グリッチアーティストだけではなく、プロデューサー、マスタリング・エンジニアなどとしても活動しています。元々はDüsseldorfで活動していましたが、1996年にBerlinに移り、活動を続けています。Pole名義のアーティストとしては、”1”, “2”, “3”などをリリースしており、同時に、ダブ処理された再発版”Waldgeschichten”, “Waldgeschichten 2”, “Waldgeschichten 3”も出している多作家です。それで、今回は、Conrad Schnitzlerが選んだ相手が、このPoleです。この”Con-Struct”シリーズというのは、元々はSchnitzlerが作った作品を他のアーティストが再構築(リミックスではない)するプロジェクトであったとのことです。なので、今回は、Poleが Schnitzler の過去音源をダブ処理しつつ、再構築しています。簡素なリズムはあるものの、全体的に低音重視の曲になっているのが特徴でしょうか? しかも全曲、歌詞なしのインストで、一応、リズムとかはありますが、BPMは低目で、スローな曲に仕上がっています。Schnitzlerの作品としては、やや暗目のトーンになっており、異色な出来栄えです。そんなConrad Schnitzlerの作品も中々異種格闘技戦みたいで面白いので、ファンの方は聴いてみると良いでしょう。 “Wiegenlied Für Katzen” https://youtu.be/JGReNnQvM30 #ConradSchnitzler #Pole #Con-Struct #BureauB #ElectronicMusic #DownTempo #Dub #ClubMusic #Experimental #Synthesizers #DrumMachine
Electronic Experimental Music / Dub Bureau B 1200円Dr K2
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Michael Rother “Sterntales”
やっときました❗️独逸人ギタリストにしてマルチ奏者Michael Rotherのセカンド・ソロ・アルバム”Sterntales “の登場です。まあ彼に関しては既にバイオグラフィーニを書いていますので、そちらを参照して下さい。セカンドでも、プロデューサーはConny Plank、Drsは元CanのJaki Liebezeitが協力して、本人は、G, Piano, B, Vibraphone, Hawaiian-G, Synth, Stringsを演奏。このアルバムにはA面3曲、B面3曲が収録されています。やはりと言うか、当然と言うか Jakiによるハンマービートがほぼ全編に聴かれます。しかも、ギターによる、よりメロディアスな曲が多くなっており、クリーントーンのギターは伸び伸びとして、シンセやヴィブラフォンによるメロディも多幸感に溢れています。基本的には、ファースト・アルバムと同様なコンセプトで作られています。因みにファースト・アルバム”Flammende Herzen”も本アルバムもオール・インスト曲です。B1のタイトル曲”Sterntales”の出だしなんかは、今でも通用する程、モダンです。またA1 “Sonnenrad” A2 “Blauer Regen”の緩いミニマルけど情感たっぷりな曲も捨て難いですね。B2 “Fontana Di Luna”のヴィブラフォンによるメロディも秀逸です。そんな訳で、本作品は、ファーストの路線を踏襲をしてはいますが、よりも情緒豊か流れにっており、Rother 氏の魅力が存分に楽しめますね。こんなプログレが欲しかったと思える方或いはNeu!などの音楽が好きな方は買って損はしませんよ❗️ “Stromlinien” https://youtu.be/2-zjgWAYMoo [full Album] https://youtube.com/playlist?list=PLsq37WHm6P3cu_LRr_Un6Y5wtUfJRhOko #MichaelRother #Sterntales #SkyRecords #KrautRock #Repetition #HammerBeat #JakiLiebezeit #Guitar #Synthesizers #Vibraphone #Bass #SecondAlbum #Ex-Neu! P
Krautrock, Ambient Sky Records 5300円Dr K2
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Michael Rother “Flammende Herzen (燃える心)”
さあさあ、Michael Rother祭りだよー。と言う訳で、独逸ロック界の重要人物Muchael Rotherのソロ作品としてはファーストに当たる“Flammende Herzen (燃える心)”を紹介します。因みに、私の持っているのは国内盤の再発盤です。M. Rotherについては、前回、紹介したので、ここでは、バイオグラフィーは省略します。まあ、元(極初期)Kraftwerk, 元Neu!, 元Harmoniaと言うクラウトロックの根幹の1つに常に関係してきたアーティストの1人がM. Rotherと言うことは覚えていますよね?. それで、本作品でも元CanのJaki Liebezeitがドラムで客演しています。一方、M. Rotherは、G, e-Piano, B, Synth, Organ, e-Percを担当、プロデューサーは名匠Conny Plankです。もうこれだけで、音楽が脳内再生されますよね? Liebezeitごlが叩き出すハンマービートは当時の音楽評論家には「単純な音で退屈」と評されていましたが、今や、この反復する音楽は寧ろビート・ミュージックの根本であり、これこそが祝祭性を現出させる要素だと思います(しかし、同じ音楽でも時代によってはかなり解釈や印象が異なるものだなあと思います)。A面2曲、B面3曲で、良いバランスで収録されています。特にA面で聴かれる伸びやかなクリーントーンのギターが印象深く、またメロディーも簡素ではありますが、生き生きとしていて非常に心地よいです。ファースト・ソロにして既に音楽の方向性が定まっています。クラウトロックにおける基本の名盤でもあるので、是非とも持っておきたい1枚ですね。 https://youtu.be/3xTf8mznnIw #MichaelRother #FlammendeHerzen #燃える心 #PolydorRecords #SkyRecords #Reissue #HammerBeat #JakiLiebezeit #SoloAlbum #Ex-Neu #Ex-Harmonia #RepetitiveMerody #KrautRock
Krautrock, Ambient Polydor Records / Sky Records 2880円Dr K2
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Bush Tetras “Rhythm And Paranoia: The Best of Bush Tetras”
元Contortionsでスライドギターを弾いていたPat Placeが、1979年に結成したのが、Bush Tetrasです。詳しいバイオグラフィーは前回のシングルのところを参照して下さい。さてさて、そんなアヴァン・ファンクをやっていたBush Tetrasの3枚組LP&ブックレットのボックスセットが本作品になります。元々は、それ程注目してはいなかったのですが、ある時期にBush TetrasをApple Musicで聴いてみて、何だ、良いじゃないか❗️と思って、一時期、ヘビロテしてました。それから彼女らのファンになった訳ですが、本作品はBush Tetrasのベスト盤と言うこともあって、速攻でヤフオクで競り落としました。またブックレットの方も、今まで日本ではそんなに知られていなかった彼女たちの写真や歌詞なんかもふんだんに載っていて、改めてカッコいいなあと感激至極。初期のメンバーはCynthia Sley (Vo), Pat Place (G), Laura Kennedy (B), Dee Pop (Drs)でした、1983年にKennedyとPopが脱退し、代わりにBob Albertson (B)とDon Christensen (Drs)が加入していますが、このメンツになってバンドは直ぐに解散してしまいます。 それで、2005年にBush Tetrasは再結成していますが、その時には、Julia Murphy (B)が参加して、NYCでの活動や欧州ツアーを敢行しています。なお、2011年11月24日にオリジナルメンバーのKennedy (B)が肝不全で長い闘病生活の後、他界しています。2012年にベースはJulia MurphyからFelice Rosser (B)に代わりますが(ここら辺の入れ替わりはブックレットとWikiで異なる記載があります*)、2016年初めに、Krakatoa, Walking Hellos, PSXOや1000 Yard Stareに在籍していたVal Opielski (B)に交代しています。 *Wikiでは、2013年2月に、Murphyの代わりに、Cheap Perfume, Grayson Hugh, Church of BettyやUnknown Genderに在籍していたCindy Rickmond (B)が、短期間だけ加入しているとのこと。 それで、2021年10月9日に、ドラマーのDee Popが亡くなります。丁度、本作品がリリースされる時であり、The ClashのTopper HeadonやSonic YouthのThurston Moorの弔文が掲載さるています。そうして、ドラムにThe ContortionsのDon Christensen (Drs)と新ベーシストとしてR. B. Korbet (B)を迎えて、NYのLe Poisson Rougeでのパフォーマンスを行なっています。現在は、ドラムはSonic YouthのSteve Shelley (Drs)が加入し、Pat Place (G), Cynthia Sley (Vo), R. B. Korbet (B)と共に、活動を続け、2022年3月にNYCのBowery Electricで、Dee Pop追悼ライブをやっており、バンドとしては、現在も現役で活動しています。 とまあ、Bush Tetrasの活動の大筋はこんな感じなんですが、本ボックスセットの内容の方も凄いです。先ず、どの曲もいつまで聴いても飽きないと言うこと。多分、PatのギターとCynthiaのヴォーカルが鍵を握っているからではないか?と思われます。そして、リズム隊がしっかりしている点も彼女らの音楽を磐石なものにしていると思います。初期は、アヴァン・ファンクとも言うべき跳ねるような曲が多く、また聴き込むと、Patのスライド奏法(と言って良いのかどうか?)が、ギターのカッティングの時に見られるんですよ。そこら辺はやはりNo Waveの現場にいたからだと思います。しかしながら、中期にはよりヘビーでスラッジィな曲が多くなり、後期でも単純に聴かせる音は寧ろ豊潤になってきてます。正にマジカルな演奏です❗️そう言う意味では、ここに収められている曲は、No Waveから生まれた彼女だちの「音楽」と言うものなのでしょう。それこそが、ポスト・ノー・ウェーブですね。前回も書きましたが、Pat Placeがギターのコードとかを弾けるのには驚きます。ブックレットの方もカラー写真やフライヤーなども多く、また紙も上質なものを使っていますので、見応えがあります。また、全曲、歌詞が付いているのもポイント高いです。このボックスセットで過去を清算した彼女らがこの先、どんな音楽で我々を揺さぶってくれるのかが楽しみです。そんな彼女らの音楽を一度は聴いてみて下さい❗️ “Cowboy In Africa” (live) https://youtu.be/FD9i2vyvW2w [full albums] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lOQW5F0v8TJP0NS6Ju4zz28Yg9DrBxWw0 #BushTetras #RhythmAndParanoia: #TheBestOfBushTetras #WharfCatRecords #Avant-Funk #Ex-TheContortions #Post-NoWave #BoxSet #PatPlace #CynthiaSley #Laur Kennedy #DeePop #JuliaMurphy #FeliceRosser #CindyRickmond #SteveShelley
No Wave / Avant-Funk Wharf Cat Records 8195円Dr K2
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Bush Tetras “Things That Go Boom in the Night / Das Ah Riot”
James Chance & the Contortionsで、スライド・ギターを担当していたPat Placeが、The Contortions脱退後、結成したのが、このBush Tetrasです。その時期、私はスライドギターだけしか演奏できなくてバンドなんか出来ないだろうと勝手に思い込んでいて、全然興味が湧かなかったんですよ。時を経て、AppleMusicでアルバムを聴いて、ビックリしました!「ちゃんとギター、弾けるやん❗️と。先ずはバイオグラフィーを簡単に。初めにBush Tetrasは1979年にNYCで結成されたポストパンク或いはアヴァン・ファンク・バンドです。彼等の作品として一番有名なのは、シングル曲”Too Many Creeps”で、このギザギザしたリズム、薄く切るようなギター、ぶっきらぼうなVoに特徴付けられます。メンバーは、Cynthia Sley (Vo), Pat Place (G), Laura Kennedy (B), Dee Pop (Drs)で、最初期には、Adele Bertei (Vo)とJimmy Joe Uliana (G)も居たようです。勿論、PlaceはThe Contortionsのオリジナルメンバーであったので、Bush Tetrasは真面目にやっていませんでした。まあ適当にダラダラやっていただけです。それで、名前の由来ですが、可愛らしいアフリカ人のことを”bush babies”と呼んでいたことと、ある種の魚を”neon tetra (その他の地域では違う読み方もあったらしい)”と言う名前を繋げて、Bush Tetrasとバンド名にしたとのことで、何かトライバルな雰囲気がら気に入って、その名前にしたらしいです。バンドのデビューは、1980年に99 Recordsからリリースされた7㌅EP “Too Many Creeps”で、ビルボードチャート・クラブプレイ部門で57位となります。その後、本作品でもあるシングル”"Things That Go Boom in the Night"が英国レーベルFetish Recordsより、1981年にリリースされ、英国インディーチャートで43位になっています。その後も、そこそこの人気を得て、レコードを出していきますが、1983年にKennedyとPopが脱退し、代わりにBob Albertson (B)とDon Christensen (Drs)がすぐに加入しますが、直ぐにバンドは解散してしまいます。1989年に、ROIRがライブ・カセット・アルバム”Better Late Than Never (Original Studio Recordings 1980-1983)”をリリースしています。その後、彼女たちは再結成をして、活動を復活させていますが、ここではその辺りのことは省略させて頂きます。 ちょっと長くなりましたが、彼女らの活動は上記の通りです。それで、彼女らのセカンド・シングルが本作品になります。A面”Things That Go Boom in the Night” (通称Boom”)もBメンバー”Das Ah Riot”も全盛期の彼女らのタイトでカッコいい曲になっています。跳ねるように前のめりになるタイトなリズムを保ちつつ、ギターがその隙間に切り込んで、沢山の刀を振り回すようなサウンドと物憂げと言うか突き放した感じのクールなVoのコンビネーションがめちゃくちゃカッコいいです。カウベルのようなパーカッションもポイント高いです。個人的にはB面の曲の方が好みですが、今度は何とかアルバムを手に入れたいところですね。もし、このシングルを見つけたら、即購入ですよ❗️ “Das Ah Riot” https://youtu.be/k01s8kAFXbA #BushTetras #ThingsThatGoBoomInTheNight #DasAhRiot #FetishRecords #Ex-TheContortions #PatPlace #CynthiaSley #LauraKennedy #DeePop #NoWave #Avant-Funk
No Wave / Avant-Funk Fetish Records 1800 円Dr K2
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Dome “Dome 1”
やっと見つけました。WireのBruce C. GilbertとGraham Lewisが1980年に作った実験的ユニットDomeとしての最初のアルバム”Dome 1”です。WireやDomeについては既に紹介していますので、そちらを参考にして下さい。Domeについては、少し補足をしていきます。Wireが分裂した後、1980年にB.C. Gilbert and G. Lewis名義で、アルバム”3R4”をリリース、更には翌年に、Cupol名義で、EP”Like This for Ages”を4ADからリリースしたことが、Domeの結成や活動のキッカケになっているようです。また、美術家Russel Millsとのトリオで、アルバム”MZUI”を1982年にもリリースしており、ますますDomeとしての活動のモチベーションが上がっていったようです。1983年には、Duet Emmo (“Dome”と”Mute”のアナグラム)名義で、Mute RecordsのDaniel Millerとの共作アルバム”Will You Speak This Word”を”Dome 4”扱いでリリースしています。そして、1984年にWireが再始動した後も、Domeとしては解散はせず、1988年には後期過去作品を集めたアルバム”Yclept”もWMOからリリースしています。 それで、本作品”Dome 1”の内容ですが、その後”Dome 3”で最高傑作となる彼等の音楽の「核」となる部分を感じさせられます。Bruce C. GilbertとGraham Lewisは共にVoice, G, B, Perc, Tapesを担当し、更にGilbertはDrs、LewisはSynthも担当しています。また一曲、ゲストにA.C.M.ことAngela Conwayも参加しています。ここでは、2人は、”Dome 3”で開花する抽象的な音楽には到達はしていないものの、所々にその萌芽を認めるところがあります。独特のエフェクトを掛けたギターやベースの音を「単なる音」として無慈悲に使う様は既にインダストリアルな響きを持っています。そんな中で、A2 “Cruel When Complete”でのA.C.M.の女性Voは、返って天使の歌のように聞こえます。まだ歌詞があり、ヴォーカルもある曲が多いので、それ程の抽象性はありませんが、それでも、楽器音に対する冷徹な使用方法は充分に感じられます。そんな萌芽的作品ですが、ここから、Domeの真髄を読み解いていくと面白いかもしれませんね。もし、聴く機会があれば、ぜひともここから聴いて、”Dome 2”, “Dome 3”と聴き比べてはどうでしょうか? A1 “Cancel Your Order” (2:12) A2 “Cruel When Complete” (3:15) A3 “And Then...” (4:15) A4 “Here We Go” (3:04) A5 “Rolling Upon My Day” (3:40) B1 “Say Again” (3:30) B2 “Linasixup” (3:10) B3 “Airmail” (3:22) B4 “Ampnoise” (4:17) B5 “Madmen” (3:29) A5 “Rolling Upon My Day” https://youtu.be/4U_EZpWJ9Js?si=GIrfUmSyybc__ajM [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLprjTk8nvd1aBMlW-fWa25wh9RtQtoBCf #Dome #Dome1 #DomeRecords #Wire #BruceC.Gilbert #GrahamLewis #A.C.M. #Industrial #Experimental #AbstractMusic #Voice #Guitar #Bass #Percussions #Tapes #Drums #Synthesizers
Experimental music Dome Records 5000円Dr K2
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Big Black “Songs About Fucking”
先日、久しぶりにBig Blackを聴いたら、一時期、CDでよく聴いていた”Songs About Fucking”のレコードが欲しくなり、丁度、出品されていたブツ(未開封)を競り落としました。やっぱり、Big Black、カッコええわぁ!となった次第であります。CDだとこれにボートラとして、Cheap Trickの”He’s A Whore”のカバーが入っていましたが、このタイトルからしてヤバい❗️なお、バイオグラフィーは前回書きましたので、ここでは省略させて頂きます。なお、この時のメンツは、Dave Michael Riley (B), Melvin Belli (G: Santiago Durangoの別名), Steve Albini (Vo, G)の黄金のトリオです。音の全てがraw、Roland TR-606も全開です。歌詞や曲名が何となくヤバいでのは伝わりますが、英語やそのスラングが分かれば、かなりヤバいと思いますよ。もうアルバムタイトルからして英語圏では駄目なのですが、私が最初に見た時には"Songs About F○○King"と言う風にシールが貼ってありました。内容の方は、前回紹介した"The Hammmer Party"より音的には数段良くなっています。重くなったリズムマシン、キリキリした金属質な2本のギター、それを支えるベースも低音カットされて、最早、"低音ギター"如し。そのアンサンブルは見事です。マシンロックの最高峰ですね。また、Kraftwerkの"The Model"のギターロック的カバーも素晴らしい出来です。もうベタ褒め状態です。特に"L Dopa", "Colombian Necktie", "Fish Fry"辺りの曲は大好きですね。単純なコード進行なんですが、アレンジが絶妙で、何度でも聴きたくなる中毒性があります。なので、皆さんも聴く時は充分に注意してください!因みに、最近になって、Steve Albiniは、Big BlackやRapemanでの「悪趣味なテーマなどは若気の至りだった」と反省の弁を述べたみたいです。大人になったね、Steve Albini! https://youtu.be/s0xCAZLE7c8 #BigBlack "SongsAboutFucking #TouchAndGoRecords #MachineRock #SteveAlbini #DaveMichealRiley "MelvinBelli #JunkRock #TheModel
Junk rock TOUCH AND GO RECORDS 3000円Dr K2