P•A•L “M@trix”

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1990年後半-2000年頃に、一世を風靡した(或いは今でも?)テクノイズ。久々に聴いてみた。聴いたのは、Christian PallentinのソロユニットP•A•L。Discogsでは2018年にこのユニットは終了(或いは他界?)とのこと。そのジャンル名から、TechnoとNoiseを融合させた音楽なのだが、Gabbaとかとどう違うのかは、私には良くわかりません。ノイズ側からすると、その起源はスペインの伝説的ノイズユニットEsplendor Geometricoにその起源を言及することが可能です。そのE.G.自体もリズムマシンと最小限の電子音やVoiceで、今でも活躍していますが、彼等がテクノの文脈で語られることは稀です。一方で、近年のテクノ・シーンではテクノイズへのアプローチをするアーティストも多いようです。まあ、T.G.やSPK、Cabsなどのインダストリアル・バンドも元々、リズミックなノイズ・ミュージックもやっていた訳なので、先述のE.G.ほ勿論のこと、ノイズ側にはそのようなアプローチは既に内包されてきているのだなとも考えられます。そんなことを考えながら、聴いていました。それとも、一つ、欧州2大テクノイズ・レーベルAnt-Zen(このレーベルの傘下にHymen Recordsがある)とHandsの復興とその後の沈静化は、テクノイズの乱痴気騒ぎの鎮静化に繋がっているようです。Hymen Recordsでは、”Technoid Noise for Collapsing People”とのコンセプトで、それはインダストリアル・ミュージックよりIDM (Intelligent dance music)寄りの音楽形態のことを指すようです。なので、単にダンス・ミュージックの範疇を越えて、聴取だけで成り立つ音楽と言うみたいです。
以上がテクノイズの定義とその変遷などですが、P•A•Lの本作品について紹介していきます。今回、改めてP•A•Lについて調べてましたが、どの国のアーティストだとかについての情報は、検索にしてもヒットしませんでした(知ってる方は教えてください)。ある雑誌のインタビューでは、彼は、最初はハードロックが好きで、それらを聴いていましたが、その途中でTangerine DreamやKlaus Schluze と言ったBerlin Schoolと言われる電子音楽(勿論Kraftwerkも)に興味を持ち始めます。1980年代にはフリージャズも好きだったらしいですが、その後に、初期インダストリアルi・ミュージックの中でもT.G.やCabs, SPKに影響を受けたとのことです。そんな中で、彼は、1993年に自分の機材をレベルアップし、自分の曲を録音して、カセット作品”Concrete Rags”を自主制作でリリース。その後の1994年に、当時、独逸の新興レーベルであったAnt-Zenより、カセット作品”Plugged / Live”をリリースしています。1995年に、Ant-ZenよりCD作品”Signum”をリリース。その際、自分の苗字(C. Pallentin)から最初の3文字を取ってP•A•L名義にしています。その後、彼は2011年まで、P•A•Lとして活動しています。A1-3までは彼自身のミックスによる曲で、A4-5, B1-3は、Gabba系〜テクノイズ系の他のアーティスト(Beefcake, Kybernaut, Imminent Starvation, Synapscape, Ultra Instinct)によるリミックスを収録しています。まあ、一言で言ってしまえば、ドラムマシンやサンブラーを多用したリズミックでテクノイドな音楽ってことなんでしょうが、四つ打ちだけではない色んなリズムのヴァリエーションを楽しむことが出来ます。機械のようなマシンビートがカッコいいですね。なので、リズムの無いノイズとかインダストリアルは苦手だと言う方やもう少し刺激のあるテクノがないかなと言う方にもお勧めします。

“Megadrive”
https://youtu.be/_-rS9dHnXr0

“Metrium (Remix by mminent Starvation)”
https://youtu.be/7RICBbzjWM8

#P•A•L #M@trix #HymenRecords #Technoise #Remix #Industrial #RhythmicNoise #IntelligentDanceMusic #Ant-Zen #ChristianPallentin

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