Naoki Kasugai “DD. Records Works 1983-1984 Part One”

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名古屋の春日井直樹か、かつてDD. Recordsに残した自分のカセット音源からチョイスした曲を5枚分のLPにまとめ上げたのが、この”DD. Records Works 1984-1984”となります。その第1作目が、本作品”Part One”です。そもそも、DD. Recordsって何?と言う方もいらっしゃると思いますので、簡単に書いてみます。1980年前位にレコードなどを録音してカセットを交換するサークルがあったのてすが、そこから発展して、当時、宅録機材を持っていた鎌田忠氏が中心となって作ったのが、DD. Recordsです。このレーベルは基本的にカセット専門で、購入規模者は、希望作品と一緒にカセット代(クロームテープ!)とデータやアートワークが載ってあるコピー4面分のA4コピー代と郵送料を送ると、希望作品が、ダビングされて送られてくると言うシンプルなシステムでしたが、今ではすっかり「日本地下音楽最大の謎」として噂されるようになっています。しかも、当時から鎌田氏がよっぽどじやないとリリースしないと言うスタンスであったので、最終的に250本位の作品をリリースしています。一部の作品は、80年代には米国Aeonによっても配給されていました。そんな中で、1980年代中頃に就職で名古屋に移った鎌田氏はは 突然プッツリと連絡が途絶えてしまい、DD. Recordsは、以後、都市伝説的に語られるようになってしまいます。
そんな中でも本作品の作者 春日井直樹氏は後期DD. Recordsから作品をリリースしていた方で、当時は高校生であったようです。元々はノイズ/インダストリアルな曲でしたが、どうもその後はサイケがかった音楽に移行していきますが、ここではその萌芽はまだ聞こえてきません。A1 “Image”はDD. Recordsのコンピ”Omni 4”に収録されていた曲で、当時、この曲の完成度に驚嘆し、嫉妬すらしたものです。この曲は所謂インダストリアルで、兎に角かっこいい。それ以外の曲は初めて聴いたものばかりですが、既にアマチュアのレベルを越えた曲作りや録音技術に舌を巻いた次第です。A2 “12 People Died Yesterday”などはThe Residentsっぽい雰囲気さえありますね。ただ、複数の収録アルバムから選んでいる為か、アルバムとしての統一感には欠ける印象です。そこが、ちと惜しいです。”Image”以外にもA面は割とポップ寄りの曲が配置されており、それに対してB面はインストの小曲から成り、ちょっとしたポップミュージックてと実験性を試しているようです。よく考えたら、このアルバムの中で、インストじゃ無いちゃんと歌詞がある曲は2曲しかないですよ!そんなことを軽く超えている春日井氏の世界を一度、体験しては如何でしようか?

春日井氏はこのシリーズのYouTubeを殆どアップするのを辞めたので、このCMだけ。
https://youtu.be/ISZZm5wD_y4
 
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