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ヒカシュー “s/t”
これはこれは、危うく忘れそうになってしまうところでした。ヒカシューのファースト・アルバムです。当時は、P-ModelとPlasticsと共に「テクノ御三家」と呼ばれてましたね。そのバンドの成り立ちについては以前に書いてありますので、そちらをご参考にして下さい。ただ一つだけエピソードを。まあヒカシューはキーボード2人にル・インチの3人が合体して出来たバンドですが、彼等が活動していて、少し認知度が上がった頃、何と大阪Vanity Recordsからアルバムを出さないか?と(故)阿木譲さんより声がかかったらしいのですが、良く考えたら、機材を持って行く手段が無いことに気付いて、結局、断ったとのこと。もし、それが実現していたら、また変わったのかもしれませんね。それで、当時、イケイケだった(?)近田春夫さんにプロデュースしてもらって、このデビュー・アルバムが出来上がったと言う訳です。それで、当時、田舎の高校生だった私は、このアルバムを早速購入し、当時はヘビロテしてましたね。特にA6 “プヨプヨ”とB6 “幼虫の危機” (この曲はヒカシュー結成前に巻上さんがディレクションした演劇の劇中歌からきています)は、毎日聴いてから登校してました。まあ、今から思うと、彼等の「変態性」に陶酔していた、遅れてきた厨二病だったのでしょう。まあ裏ジャケは、如何にも「テクノポップ」と言う感じで、そそりましたが、、、。この時期のメンバーは、巻上公一 (Vo, B, Trumpet), 海琳正道 (G, Vo), 戸辺哲 (Sax, Clarinet, G, Vo), 井上誠 (Mellotron, Synth), 山下康 (Synth, Rhythm-Box)でしたが、アルバムの録音には、ゲストとして、高木利夫 (Drs). 泉水敏郎 (Drs), 若林忠宏 (Sitar, Tabla), 菅谷憲 (Chorus), 森勉 (Chorus), そしてPhewことモリタニ・ヒトミ (Voice)も参加しています。ある意味、象徴的だったのが、Kraftwerkの”The Model”の日本語カバー(A2)を演っていることですね。また、戸辺さんのフリーキーなSaxや海琳の巧みなギター、そして変態的な曲を作る山下さん(ひょっとしたら「プヨプヨ」は独逸Clusterの”Zuckerzeit”A1からヒントを得たのかな?)も凄かったです。決して、それまでのロックとかポップとかの様に「カッコつけた」ところが無く、どちらかと言うと「ダサい」んですよ。まあそれは近田さんのプロデュースもあったのかなあと想像しますが、意外と本人達のキャラなのかもしれませんね。そんな彼等の出発点を聴いておいても良いのではないでしょうか? https://youtu.be/ua1BN8w6Iik #ヒカシュー #FirstAlbum #Eastworld #TechnoPop #NewWave #テクノ御三家 #Synthesizers #Sax #Mellotron #RhythmBox #Guitar #Bass #Vocal #巻上公一, #海琳正道 #戸辺哲 #井上誠 #山下康 #プヨプヨ #幼虫の危機 #モデル
Techno Pop / New Wave Eastworld ¥2500Dr K2
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Naoki Kasugai “DD. Records Works 1983-1984 Part Four”
春日井直樹氏のDD. Records期のセルフ・コンピレーションも第四弾になりました。DD. Recordsを、春日井氏の作品から謎解く作業もここまできましたが、謎は深まるばかりですね。と言う訳で、春日井直樹氏のPart Fourを紹介したいと思います。A1 “The Walls of One Theorist”でのダブっぽい処理のなされたギターとハイハットの絡み合い、それに続くA2 “Monster Battle”での強靭なビートとわん、そしてA3 “Shock !”でのヴォーかルとドラムマシンによる 即興演奏への流れはバッチシですね。B1 “Top News”の逆回転、B2 “5 O’Vkick News”ではフリー系ピアノがインダストリアルな音の上で転がっているような。そしてB3 “TV Study”ではT.G.(特に“Discipline”)を思い起こすようなインダストリアルな力強い曲が。また他の曲では接触不良系のミックスも聴くことができます。と言ったように振り幅が広いのですが、何となくちゃんとまとまっているところがいいですね。一番、インダストリアル色が強いLPですね。 この作品はYouTubeにないので代わりに”Film Music 2”を貼っておきます。 https://youtu.be/T-SK-GQV7DQ #NaokiKasugai #DD.RecordsWorks1983-1984PartFour #DaytripRecords #DD.Records #Industrial #ExpermentalPop #宅録
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Naoki Kasugai “DD. Records Works 1983-1984 Part Three”
DD. Recordsでリリースされていた春日井直樹氏のセルフ・コンピレーション第三弾です。今回は全体の印象は「リズミック」といっても良いんじゃないかなぁ。A1 “Let’s Dance”はタイトル通り「踊ろうぜ!」って言う歌詞だし、曲もファンキーだしね(すこーしだけダブのスパイスあり)。でも何かスネイクマン・ショーっぽい?A2 “They Will Fall A s It Is !”もバッチリとビートが効いてるし。A3 “Sakes=Radio P=“もミディアムテンポながらもリズムが強調されてるし。A4 “Henius Picasso’s Prophecy”はビートは無いんですが、何らかの電子的な打撃の乱打から成ります。B2 “Death Time”はDomeのようなミニマルだけど、冷徹なパルスが感じられます。 B4 “One More Time”は少しだけThe Residentsが入っているような曲ですが、この曲自体は静と動が上手く配置されています。 と、こちらの作品も色々楽しめるように曲が配置されていますが、本作では、リズムボックスなどの多用からよりポップな感じがします。でも決して万人のポピュラリティーを皆さんが感じる訳ではなくて、独自路線を走っています。それが「春日井直樹」ですから。 この作品もYouTubeには無いので、彼の他の作品を。 https://youtu.be/aL5R3XYuDsQ #NaokiKasugai #DD.RecordsWorks2983-1984PartThree #DaytripRecords #DD.Records #ExperimentalPop #Industrial #宅録
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Naoki Kasugai “DD. Records Works 1983-1984 Part Two”
本作品も春日井直樹氏が、若かりし頃、日本地下音楽界最大の謎DD. Recordsからリリースしたカセット音源から、彼自身がセレクトした曲をコンパイルした曲から成るレコードで、200枚限定です。今回はPart Twoになります。こちらの作品はどの曲も知らなかった曲なので、純粋に楽しめました。A1 “Frustration”ではギターとベースのユニゾンから成るミニマルな展開が面白いてす。A2 “Escalation”は歌詞付きの曲だが、歌詞はちょっと厨二っぽい。がしかし、曲はインダストリアルで良い❗️ A3 “Die Summer”はこれまた諸ポストパンクな曲調で唸ってしまいました。編集しているのか、途中で終わっている感じが残り、フルで聴きたいと思いました。また、B1 “Heathen Beat”の躍動感は飛び抜けているし、B2 “Gray Forest”やB4 “Water”(こっちの方はビートレスで実験的)ではメタリックなギターも聴けて、この辺りからサイケへと流れたのかな?とも思ったりします。最後はB5 “A Daily Life”でワルツのリズムになって聴き取り辛いヴォーカル入りの曲で締めます。この作品はセルフ・コンピレーションの割に統一感があり、中々楽しめました。こう言う「何ものにも形容し難い音楽」こそが、真の地下音楽なんだろうと思います。そんな音楽を求めてる方にお勧めします。 この作品とは関係ないですが、春日井氏が関係している実験映画のサントラを引用しています。 https://youtu.be/5UNdKKIPGKg #NaokiKasugai #DD.RecordsWorks1984-1984PartTwo #DaytripRecords #DD.Records #SelfCompilation #ExperimentalPop #Abstract #宅録
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Naoki Kasugai “DD. Records Works 1983-1984 Part One”
名古屋の春日井直樹か、かつてDD. Recordsに残した自分のカセット音源からチョイスした曲を5枚分のLPにまとめ上げたのが、この”DD. Records Works 1984-1984”となります。その第1作目が、本作品”Part One”です。そもそも、DD. Recordsって何?と言う方もいらっしゃると思いますので、簡単に書いてみます。1980年前位にレコードなどを録音してカセットを交換するサークルがあったのてすが、そこから発展して、当時、宅録機材を持っていた鎌田忠氏が中心となって作ったのが、DD. Recordsです。このレーベルは基本的にカセット専門で、購入規模者は、希望作品と一緒にカセット代(クロームテープ!)とデータやアートワークが載ってあるコピー4面分のA4コピー代と郵送料を送ると、希望作品が、ダビングされて送られてくると言うシンプルなシステムでしたが、今ではすっかり「日本地下音楽最大の謎」として噂されるようになっています。しかも、当時から鎌田氏がよっぽどじやないとリリースしないと言うスタンスであったので、最終的に250本位の作品をリリースしています。一部の作品は、80年代には米国Aeonによっても配給されていました。そんな中で、1980年代中頃に就職で名古屋に移った鎌田氏はは 突然プッツリと連絡が途絶えてしまい、DD. Recordsは、以後、都市伝説的に語られるようになってしまいます。 そんな中でも本作品の作者 春日井直樹氏は後期DD. Recordsから作品をリリースしていた方で、当時は高校生であったようです。元々はノイズ/インダストリアルな曲でしたが、どうもその後はサイケがかった音楽に移行していきますが、ここではその萌芽はまだ聞こえてきません。A1 “Image”はDD. Recordsのコンピ”Omni 4”に収録されていた曲で、当時、この曲の完成度に驚嘆し、嫉妬すらしたものです。この曲は所謂インダストリアルで、兎に角かっこいい。それ以外の曲は初めて聴いたものばかりですが、既にアマチュアのレベルを越えた曲作りや録音技術に舌を巻いた次第です。A2 “12 People Died Yesterday”などはThe Residentsっぽい雰囲気さえありますね。ただ、複数の収録アルバムから選んでいる為か、アルバムとしての統一感には欠ける印象です。そこが、ちと惜しいです。”Image”以外にもA面は割とポップ寄りの曲が配置されており、それに対してB面はインストの小曲から成り、ちょっとしたポップミュージックてと実験性を試しているようです。よく考えたら、このアルバムの中で、インストじゃ無いちゃんと歌詞がある曲は2曲しかないですよ!そんなことを軽く超えている春日井氏の世界を一度、体験しては如何でしようか? 春日井氏はこのシリーズのYouTubeを殆どアップするのを辞めたので、このCMだけ。 https://youtu.be/ISZZm5wD_y4 #NaokiKasugai #DD.RecordsWorks1983-1984PartOne #DayTripRecords #DD.Records #Industrial #ExperimentalPop #宅録
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Pere Ubu “The Art of Walking”
またまた、Pere Ubu (ペル・ウブと呼ぶ)ですが、本作は、米国クリーブランドのアヴァン・ロックのPere UbuがイギリスのRough Tradeに移籍しての最初のアルバムになります。この前にTom Herman (G)が脱退したので、Red KrayolaのMayo Thompson (G)が正式に加入しました。そして、本作はPere Ubu初の日本盤でもあり、このことを知った私は、早速、近くのレコード店で購入しました。ジャケやアルバムタイトルからして期待していましたが、最初、聴いた感想は、Mayoの書いた名曲”Horses”以外の殆どの曲は分からん」とか「つまらん」でした。なので、暫くは聴き込んでみようとしたのですが、当時は余り触手が伸びず、今の今まで忘れていました。それでまた、聴き直したのですが、これが意外と良い❗️それまでのPere Ubuとは少し路線が違いますが、その根底にあるDavid Thomas (Vo)の「元気一杯」の悲哀とかタイトなリズム隊やMayoの味のあるギター、そして多少後退しましたが、革命的シンセ奏者Alanのプレイとかは、何処をとってもPere Ubuだと感じました。万人受けする音楽ではありませんが、「捻くれたポップ」とか「アメリカの闇」に興味のある方は、是非聴いてみて下さい。なお、Prer Ubu自体は1982年に一度活動を辞めましたが、1987年から現在まで、David Thomas以外のメンバーを代えて活動しているようです。 A1 “Go” (3:34) A2 “Rhapsody In Pink” (3:35) A3 “Arabia Nights (Arabia)” (3:57) A4 “Tribute To Miles” (4:20) A5 “Misery Goats” (2:37) B1 “Loop” (3:14) B2 “Rounder” (3:25) B3 “Birdies” (2:27) B4 “Lost In Art” (5:11) B5 “Horses” (2:34) B6 “Crush This Horn” (3:00) https://youtu.be/KME9ZJ-UmWU?si=QTRDbf1tPyF7DbsJ [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLE5F9A01C128D1DE4&si=A7xd8C4y_csxxYp2 #PereUbu #TheArtOfWalking #4ThAlbum #Cleveland #AvantRock #ArtRock #RoughTrade #AllenRavenstine #DavidThomas #MayoThompson #ScottKrauss #TonyMaimone
Avant-Rock / Art Rock Rough Trade ¥2500Dr K2