Can “Cannibalism”

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正直に言います。私はCanに対しては食わず嫌いなのでしようが、余り興味をで持っていませんでした。なので、今までも数作は買って聴いてみましたが、イマいちピーンと来たことは無かったです。それが前回紹介した”Live In Stuttgart 1975”を聴いた時に、ガーンとヤられてしまいました。それで、聴き直そうと思い、まあ、初心者向けでもある本作品”Cannibalism”をヤフオクで購入した訳です。Canのバイオグラフィーは前回書きましたので、省略させて頂きます。それで、数あるアルバムから何故、これを選んだかと言うと、一つはセルフ・コンピで色んな曲が聴けるだろうと。もう一つはCanの曲の中で唯一好きだった曲”Mother Sky”が入っていることからです。しかし聴いてみると、意外に”Farther Cannot Yell”や”Soul Desert”、”Dizzy Dizzy”など聴いたことのある曲やLP2のB面片面を全部使った、長尺の曲”Yoo Doo Right”などの如何にもと言う曲が収められており、案外楽しめました。前回のバイオグラフィーでは書かなかったのですが、Canのメンバーは古いお城(ネルフェニッヒ城館)に自分達のスタジオInner Space Studioを持っており、その頃の機材は2トラックのテープレコーダーだけだったとか(後にこのスタジオはケルン郊外の映画館跡地に移転する)。そこで、彼等はジャム・セッションを毎回毎回、他を気にせず演り、その中から曲になりそうな骨格を抽出していたようです。なので、初代ヴォーカルのMalcolm Mooneyは、閉鎖空間で延々と続く轟音のジャム・セッションの為か、神経衰弱となり、バンドを抜けて米国に帰国したとのことです。その後に加入したDamo Suzukiは、意外と、このジャム・セッションが気に入り、彼の言葉で言うと「即興、ノイズ、マントラ、ファンクのリズムから成る狂気の混合物」へと昇華して、バンドとしてもかなり完成度の高い作品をリリースしています。このジャム・セッションによる作曲の為か、一部の曲は途中でフェイド・アウトしてしまうものもあるように感じました。また、これはベースのHolger Czukayの手腕なのか、延々と同じリズムパターンを繰り返すミニマル・ミュージックの要素が多く、また、ドラムのJaki Liebezeitがバンド結成当初、シンバルの弓弾きをやっていたら、メンバーから延々と続くハンマービート(当然、これは後にそのように形容されたのですが)を叩けと言われたとか、当初より反復する曲が多かったことと関係があるのかもです。今回、聴いてみて、そんな逸話を思い出しました。それにしても、時間も音量も気にせずにジャム・セッションを出来たと言うのは、ホント羨ましい限りです。そんな中から生み出された珠玉の曲が収められており、案外、Can初心者にもお勧め出来ると思いました。これは聴かなきゃ❗️ですね。因みにアルバム・タイトル”Cannibalism”とは「共食い」の意味で、なんか意味深ですね。

A4 “Mother Sky”
https://youtu.be/EVi-UTF9PL4

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PL01910EB8AD5E8ED3

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