Telepherique “Kein Teil dieser Welt”

0

君はTelepherique (「テレフェリーク」と発音?)を知っているか? と言う訳で、1990年代を代表する独逸の電子ノイズ・グループTelepheriqueを紹介します。その始まりは1989年であり、中心メンバーは、Klaus Jochim, Danijela Jochim及びRene Jochimから成る家族バンドで、独逸のWürzburgと言う街で始まりました。その目的は、異なる文化的背景を持つアーティストやグループと作業すること、そしてそのプロセスを探求することです。それで、彼等はメールアート・プロジェクトとして活動を開始し、世界中の人々と連絡を取り合い、協力し合ってきました。まだ、その頃は、インターネットで、音楽データを送ることが出来ず、寧ろ郵便利用の方が確実で、早かったと言う背景もあります。先程、「中心メンバー」と言いましたが、しばしば、他のアーティスト(Ulf Harr, Echart Seilacher, Harry Lüftl, Stefan Au, Stefan AltやKarinら)もコラボの関係で、そのメンバーとしてクレジットされることがあったからです。そして、このTelepheriqueと言うバンド名も、仏語で「ケーブルカーの路線」を意味しており、一段上の高みから、「景色」を一望できると言う訳で付けられたとの事。また、このバンドの首謀者Klaus Jochimは活動を開始すると同時に、ノイズ/実験音楽レーベルDraftfunk-Productsを運営して、初期のカセット作品などをリリースしていましたが、1996年に活動は停止しています。実は、私(K2)もKlausを通じてTelepheriqueと郵便利用コラボをやっていまして、伊のOld Europe CafeよりCD ”Wolkenphänomen”をリリースしてもらっています。まだ、1990年代ではカセットや良くてDATでの音源交換によるコラボが主流だったのですが、2000年以降は音源や音素材をデータとしてインターネット上で送れるようになったので、彼等の音楽活動は自然消滅したみたいで、現在はKlausも音楽から足を洗ったみたいです。
それで、本作品”Kein Tein dieser Welt”は、1994年12月10日に、ニュルンベルクのKulturzentrum BleiwissでのライブをDATで録音したもので、都合、3曲が収められています。メンバーは音楽担当がコア・メンバー3人で、ヴィジュアル担当としてA面収録曲”Desensibilisierung”ではUlf Harr, Nicolaus Lang及びEckart Seilacherが参加、B面2曲”Kein Teil Dieser Welt (Part 1)と(Part 2)ではDanijela Jochimかヴィジュアルを担当し、Harald Lüftlkがパフォーマンスで加わっているようです。このコンサートにはコンセプトがあって、そのことについて、Klausがコンサートの演劇的背景を書いた紙が同封されてますが、独逸語なので解りません(このコンサートの内容については自身のレーベルからVHSのビデオが出ているので、もし可能なら見てみたいですね)。それを踏まえても、彼等の音楽はクラウトロック直系の電子音楽なのですが、アマチュアなので、シンセもKORG MS-20などの安価なモノを使っていたらしいです。何と言うか、電子音によるアンサンブルなんですが、そこは先達と違うのです。まず第一に音が大き目であること。そして、不明瞭なリズムを間を縫うようにシンセの音がウニョウニョすると言えばいいのでしようか?ノイズ・ミュージックとしては音楽的、プログレとしては未成熟で、中庸な音楽なんですよ。A面全部を使った”Desensibilisierung (放任的)”ではリズムボックスとシンセのパーカッシヴな音と生ドラムらしき打楽器の音に絡まるように電子音がウニョウニョしてますね。ただ垂れ流しではなく、お互いの音を聴きながら、操作しており、曲に展開があります。なので、皆が、好き勝手に演奏している訳ではないようです。後半にはベースラインらしき音も。B面は”Kein Teil Dieser Welt (この世界の一部ではない)”が都合Part 1とPart 2に分けられています、と言うか、A面の続きになっている音源を都合良くフェイドイン・アウトしています。こちらもA面後半で聴くことのできたベースラインが聴けます。不穏なベースラインに電子音、更にはテープ音がB-2でも聴くこと可能です。これは本当にどう言うコンセプトでやっていたのかが気になりますねぇ。何だろ?こう言うのを当時はアブストラクト系ノイズって言ってたのかなぁ?意外とライブでは轟々たる電子音になっていますね。スタジオ録音とは印象が違います。その意味で、本作品はTelepheriqueのライブ録音が聴けるので、貴重な作品だと思います。今だからこそ、Telepheriqueを聴きましょう❗️因みにオリジナルら300枚限定で青盤です。

やはりYouTubeには無かったので、他の曲を。
Telepherique “Schwerer Stand”
https://youtu.be/TKHU5guXxGo

#Telepherique #KeinTeinDieserWelt #MargibalTskrnts #L’AProductions #Electronic #Industrial #KorgMS-20 #Synthesizer #KraulJochim #DanijelaJochim #ReneJochim #German #MailArt&Music

Default