-
V.A.”Kontinuität Der Befindlichkeiten-Minimal Electronics 1981-1983”
Kontinuität Der Befindlichkeiten(以下KDBと表記)がグループなのか?それともアルバム・タイトルなのか?も分からず、購入したのは、このアルバムにGraf Haufenの名前があったからだと思います。1981年位に、私はメール・アート/ミュージックの世界に飛び込みましたが、そこで知り合ったのが、独逸のGraf Haufenでした。当時、彼はFâLX çèrêbRi (ファルクス・セレブリ)の名前でインダストリアルな音楽をやっていましたので、何作かはカセットを交換したりしてました。しかしなから、引っ越しの時にうっかり捨ててしまい、残念に思ってます。それで、本作品ですが、どうもGraf Haufenは偽名で、本名はKarsten Rodemannらしいと言うこと、また彼がやっていたGraf Haufen Tapesでは彼が色んな名前で小ロットでカセット作品を出していたと言うことが分かりました。先ず、T.O.L.L.はGraf Haufenのユニットで、Graf Haufen Tapesから短いカセット作品を何本かリリースしています。結構、綺麗めのシンセ音のリフに合わせて、ドラムマシン(多分、Roland TR-606?)と彼の「Alan Vega」っぽいスポークン・ヴォーカル(何か意味があるのかな?)が被ってきます。これに近いことを日本の鎌田忠さんがやってましたね。特にA4,A5の曲はインスト曲でもあって余計にそう感じます。Porn-Grafも多分、彼のユニットですが、このレコード以前にリリースしたことは無く、今回が初出になります。これもミニマルなドラムマシン(これはTR-606ではないです)とシンセのパルス音にか細いヴォーカルやそこら辺のモノを叩いでのジャンク・パーカッションが絡む。このユニットではドラムマシンが主役ですね。また、このヴォイスはラップ⁈とも思えてきます。B面に行きます。Geländeterrorも彼の別ユニットで、Graf Haufen Tapesに1作だけカセット作品をリリースしています。割と重めの音で、恐らくRoland TB-303とBoss DR-55を使っているのでしょう。インスト曲とヴォーカル曲が収録されてます。ヴォーカルもやや暗めで、エフェクトもかけられています。B5”Space Invader”では思いっ切りシンセが暴れています。Vorprogrammierte ZwangsneuroseもGrafのユニットで、以前にリリースはなく、1980年末から1981年初頭に数曲を録音しているだけです。3拍子の曲で、ドラムマシンはDR-55。それに低音シンセとヴォーカルと言うスタイル。ん〜何処か違うか?分からなくなってきますね。Die Rattenは、Karsten Rodemann (Grafのことです)とChristian Rühlickeのデュオで、この名前は凄く短い期間だけ使われており、後にIndividualterroristenと言うユニットになっていきます。これも6/8拍子の曲で、DR-55のリズムマシンにフワフワしたシンセの音が縦横無尽に暴れてます。ヴォーカルはGrafなのでしようか? Potenzstörung '81もGrafのソロユニットで、Matthias Prahlhans (また偽名!)とクレジットされています。Graf Haufen Tapesに2作品だけ出ていますが、それとは別にTransmitter Cassettenからも1作品出しています。ここではT.O.L.L.とGeländeterrorの中間のような音楽をやっています。シンセのリフと暴れるドラムマシンの音、それにシンセベースの音が絡んでいます。B9ではヴォーカルも演っています。 と言う訳で、このV.A.と言うのは、見かけ上で、その本態はGraf Haufenが1981-1983年にやっていたミニマルなシンセ・ウェーブの集大成と言ったところでしょうか? こう言う、でっ立ち上げユニットを一人で演ると言うのは当時は皆んな、考えていたように思います。かく言う私も、”Early Kinky Works 1983-1988”で同じようなことをやっていますが、もう少し違うように録音してたぞー!と言いたくなります。でも、これをキッカケにGraf Haufenの再評価が出来るといいですね。皆さんも聴いてみて差異を感じて下さい! Geländeterror https://youtu.be/-n8wqP8Ki8Q Die Ratten https://youtu.be/2S2WBy7BnyM Potenzstörung ‘81 https://youtu.be/lOc5RESSV1g #VariousArtists #KontinuitätDerBefindlichkeiten #MinimalElectronics1981-1983 #GrafHaufen #Minimal #Electronics #SynthWave #Germany #T.O.L.L. #Porn-Graf #Geländeterror #VorprogrammierteZwangsneurose #DieRatten #Potenzstörung'81
Electronic, Experimental Vinyl on Demand 不明Dr K2
-
Brume & Telepherique “Dans Le Silence / Schrei Nach Stille”
私の大好きなノイズ・ユニット2組による郵便利用コラボ作品180gLP2枚組みの登場です❗️Telepheriqueについては前回バイオグラフィーを書きましたので、参考にして下さい。それでBrumeなんですが、これは基本的に仏のChristian Renouのノイズ・ユニットで、時々、他の人の参加がありますが、Christianを中心にして、結構前(1985年頃)から活動しています。日本での人気は然程無いのですが、リリース量も多く、また各リリースの音楽的完成度も高いので、欧州では人気があります。そうですねえ、初期にはインダストリアルな風情もありましたが、元祖音響系ノイズ・アーティスト/作曲家でもあり、段々と渋い音響ノイズ作品にシフトしていきます。私がBrumeを聴いたのは、P16.D4のリーダーであったRLWのコンピレーションCD5枚組み”Tulpas”であり、彼の曲は大音量にも関わらず、かなり繊細で混み合ったカバー曲(!)をやっていて、それで、このユニットは凄い!と直感したものです。その後、私も彼ともコラボをすることになりましたが、それはそれとして。彼はミュージック・コンクレート、フィールド録音、コラージュと言った方法を駆使して、主に録音物(要するに宅録ですね)で活動してきましたが、最近(2022年初頭)、FBで彼は「Brumeは終わった。音楽活動を辞める」と宣言しています。才能はあるのに、何か不遇の音楽家だと思いましたし、残念な気分になりました。それで、今回、聴き直してみようと思って、本作品を取り上げました。しかしながら、この組合せは実は今回が初めてではなく、この前にも2作品リリースされています。なので、お互い、よく知った者同士のコラボであったと思います。先ずLP1枚目には、Telepheriqueの音源を元にしてBrumeが加工、変調、組み替えした長尺な曲”Dans Le Silence”としてを片面1曲づつ収めており、LP2枚目にはBrumeの音源を元に、Telepherique側が加工、変調、組み替えした曲が5曲収められています。先ず、Brumeの曲ですが、音の強弱や空間性を意識した音楽で、フィールド録音された音などが上手く組み合わさって、極上のミュージック・コンクレート作品に仕上がっています。ここら辺の音の扱い方はAubeにも通じるところがありますね。一方、Telepheriqueの曲は、核になる反復音を使い、そこに音を即物的に配置した音楽になっており、一種のクラウトロック的な面を垣間見ることが出来ますね。多分、KlausらはConrad Schnitzlerなんかが好きだったのでは?と推測します。こうやって聴き返してみると、買った時には気付かなかった音楽的側面や各グループのルーツなどを発見できて、面白いものだなと思った次第です。因みに本作品をリリースしたDuebelは、あのAnt-Zenの子会社みたいで、主に電子ノイズ系の作品を1999年までリリースしています。装丁も丁寧ですので、皆さんも見つけたら、是非❗️ YouTubeには無かったので、反則技ですが、それぞれがDe Fabriekとコラボした曲を貼っておきます。 1. Brume & De Fabriek “Untitled” https://youtu.be/Sj8bVX1M7Js 2. Telepherique & De Fabriek “Untitled 3” https://youtu.be/QqEsZTAsh4E #Brume #Telepherique #DansLeSilence #SchreiNachStille #Duebel #MusiqueConcrete #Industrial #Collaboration #Electro-Acoustic #Electronic #Noise
Electronic, Experimental Duebel 不明。Dr K2
-
Telepherique “Kein Teil dieser Welt”
君はTelepherique (「テレフェリーク」と発音?)を知っているか? と言う訳で、1990年代を代表する独逸の電子ノイズ・グループTelepheriqueを紹介します。その始まりは1989年であり、中心メンバーは、Klaus Jochim, Danijela Jochim及びRene Jochimから成る家族バンドで、独逸のWürzburgと言う街で始まりました。その目的は、異なる文化的背景を持つアーティストやグループと作業すること、そしてそのプロセスを探求することです。それで、彼等はメールアート・プロジェクトとして活動を開始し、世界中の人々と連絡を取り合い、協力し合ってきました。まだ、その頃は、インターネットで、音楽データを送ることが出来ず、寧ろ郵便利用の方が確実で、早かったと言う背景もあります。先程、「中心メンバー」と言いましたが、しばしば、他のアーティスト(Ulf Harr, Echart Seilacher, Harry Lüftl, Stefan Au, Stefan AltやKarinら)もコラボの関係で、そのメンバーとしてクレジットされることがあったからです。そして、このTelepheriqueと言うバンド名も、仏語で「ケーブルカーの路線」を意味しており、一段上の高みから、「景色」を一望できると言う訳で付けられたとの事。また、このバンドの首謀者Klaus Jochimは活動を開始すると同時に、ノイズ/実験音楽レーベルDraftfunk-Productsを運営して、初期のカセット作品などをリリースしていましたが、1996年に活動は停止しています。実は、私(K2)もKlausを通じてTelepheriqueと郵便利用コラボをやっていまして、伊のOld Europe CafeよりCD ”Wolkenphänomen”をリリースしてもらっています。まだ、1990年代ではカセットや良くてDATでの音源交換によるコラボが主流だったのですが、2000年以降は音源や音素材をデータとしてインターネット上で送れるようになったので、彼等の音楽活動は自然消滅したみたいで、現在はKlausも音楽から足を洗ったみたいです。 それで、本作品”Kein Tein dieser Welt”は、1994年12月10日に、ニュルンベルクのKulturzentrum BleiwissでのライブをDATで録音したもので、都合、3曲が収められています。メンバーは音楽担当がコア・メンバー3人で、ヴィジュアル担当としてA面収録曲”Desensibilisierung”ではUlf Harr, Nicolaus Lang及びEckart Seilacherが参加、B面2曲”Kein Teil Dieser Welt (Part 1)と(Part 2)ではDanijela Jochimかヴィジュアルを担当し、Harald Lüftlkがパフォーマンスで加わっているようです。このコンサートにはコンセプトがあって、そのことについて、Klausがコンサートの演劇的背景を書いた紙が同封されてますが、独逸語なので解りません(このコンサートの内容については自身のレーベルからVHSのビデオが出ているので、もし可能なら見てみたいですね)。それを踏まえても、彼等の音楽はクラウトロック直系の電子音楽なのですが、アマチュアなので、シンセもKORG MS-20などの安価なモノを使っていたらしいです。何と言うか、電子音によるアンサンブルなんですが、そこは先達と違うのです。まず第一に音が大き目であること。そして、不明瞭なリズムを間を縫うようにシンセの音がウニョウニョすると言えばいいのでしようか?ノイズ・ミュージックとしては音楽的、プログレとしては未成熟で、中庸な音楽なんですよ。A面全部を使った”Desensibilisierung (放任的)”ではリズムボックスとシンセのパーカッシヴな音と生ドラムらしき打楽器の音に絡まるように電子音がウニョウニョしてますね。ただ垂れ流しではなく、お互いの音を聴きながら、操作しており、曲に展開があります。なので、皆が、好き勝手に演奏している訳ではないようです。後半にはベースラインらしき音も。B面は”Kein Teil Dieser Welt (この世界の一部ではない)”が都合Part 1とPart 2に分けられています、と言うか、A面の続きになっている音源を都合良くフェイドイン・アウトしています。こちらもA面後半で聴くことのできたベースラインが聴けます。不穏なベースラインに電子音、更にはテープ音がB-2でも聴くこと可能です。これは本当にどう言うコンセプトでやっていたのかが気になりますねぇ。何だろ?こう言うのを当時はアブストラクト系ノイズって言ってたのかなぁ?意外とライブでは轟々たる電子音になっていますね。スタジオ録音とは印象が違います。その意味で、本作品はTelepheriqueのライブ録音が聴けるので、貴重な作品だと思います。今だからこそ、Telepheriqueを聴きましょう❗️因みにオリジナルら300枚限定で青盤です。 やはりYouTubeには無かったので、他の曲を。 Telepherique “Schwerer Stand” https://youtu.be/TKHU5guXxGo #Telepherique #KeinTeinDieserWelt #MargibalTskrnts #L’AProductions #Electronic #Industrial #KorgMS-20 #Synthesizer #KraulJochim #DanijelaJochim #ReneJochim #German #MailArt&Music
Electronic, Experimental Marginal Talents / L’A Productions 不明Dr K2
-
Conrad Schnitzler & Michael Otto “Micon In Itaia”
毎度、お馴染み、Conrad Schnitzler先生❗️今度は独逸のバスーン奏者のMichael Ottoと共作です。まあ、Conradの方は既に何回も書いているので。前述のバイオグラフィーを参考にしてください。そのMichael Ottoは全く謎な人で、Discogsで調べても、このアルバムしか、オフィシャルな録音物は無いですね。しかし、本来はバスーン奏者でありながら、Violin, G, Glockenspiel(要するに鉄琴です)も演奏できるというマルチ・インストルメンタリストみたいです。まあこのくらいしか分かりませんでした。 それで、本作品ですが、割と短い曲が多いです。ただそれぞれの曲は、Conradの不思議な電子音とMichaelのマルチな演奏によって、それぞれの音楽のアイデアで、違った輝きを放つ結晶のように散りばめられてます。しかし、Conradのアイデアとそれを実現するテク、凄いです。また、それに呼応できるMichaelの演奏能力も大したものですね。Conradは主に彼のお気に入りのシンセYamaha CX5を使ってますが!コロコロした音作りが何とも不思議の風景を想起させます。それを元にMichaelがプッシュしていくと言う作り方ですかね。B-8(最後)は手拍子とホワイト・ノイズの曲で締めています。兎に角、音作りのアイデアが豊富で、難解なことはなく、常にユーモアを伴っているかのようです。決して普通の意味で「ポップ」な音楽ではありませんが、聴いてて飽きないですね。隠れた名作と言えましょう。皆さんも、この2人のユーモアな小曲集を是非体験してみて下さい。 因みに伊のADNは1980年代にメール・ミュージック/アート関係で有名になり、故に重要レーベルの一つと言えましょう。 https://youtu.be/dpr36Yaqfsk #ConradSchnitzler #MichaelOtto #MiconInItalia #ADN #YamahaCX5 #Guitar #Violin #Glockenspiel #Collaboration #Electronic #Acoustic #Gernan
Electronic, Experimental Auf Dem Nil (ADN) 1100円Dr K2