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- Thomas Hamilton “Pieces For Kohn”
Thomas Hamilton “Pieces For Kohn”
私も、このアーティストについては全然知りませんでしたが、視聴してみて、面白かったので、購入しました。そのアーティストはThomas Hamilton(Aerosmithのベーシストじゃないです)。それで調べてみようとしましたが、同姓同名のアーティストが多く、また世界的に知られている訳ではないので、困難を極めました。それで、このアルバムに付いている解説を掻い摘んで、書くことにします。彼は、ミルウォーキーの高校生時代に、1965年のVladimir Ussachevsky先生の講義を聞いて、電子音楽に目覚めたそうです。その中で、Vladimir先生はその時代に有名であった電子音楽の作曲家(Bulent Arel, Karheinz Stockhausen, Pierre Henry, Milton Babbitとその協力アーティストOtto Luening)について触れられてたそうです。それで、Thomasは、電子音楽の実験を気づくきっかけになり、音を出す為の自作基盤を作り挙げてたミュージシャンThom David Masonと一緒に学んでいきます。その後、Thomasは、1969年にワシントン大学の学生になる為にセント・ルイスに引っ越し、卒業後には、そこで、電子音楽をデザインしたりして、録音スタジオを立ち上げます。そのスタジオで、既成のDIYシンセを初めて作り上げ、それから数年はCVで働く電子機器の開発をやっています。1970年中盤になって、彼は電子音楽が他の楽器による演奏よりも満足し得る音楽であると悟ります。そんな彼は、セント・ルイスのアーティストBill Kohnと出会います。Billは3-Dの幾何学的・建築的作品をペイントやプリント及び水彩画で作り上げでおり、その作品の色彩感覚がThomasのお気に入りになりました。それで、Billの個展を開くことになって、Billから、オープニングの音楽を作ってはくれないか?と頼まれます。それで、Thomasはレコードの作製と同時にオープニングの曲を作り始めます。彼は先ずワシントン大学附属電子音楽スタジオで聴いてきた音楽を聴き直します。そのスタジオと言うのは、Thomasがデザインし、1971年に最初に建てたものです。そこで、彼はシンセARP 2500とら2600を用いて、本作品を多重録音していくことになります。ただ、色んな電子音を同期させるのは難しく、4トラックで録音した素材を、更に16又は24トラックのレコーダーに落とし込んで、複雑なリズムを作り上げました。この手法はそれからも、彼のお気に入りの手法となります。また、この作品では、エンジニアBill Schulenburgの素晴らしい手腕のお陰でもありました。その後、ThomasはLPをリリースしますが、暫くして、New Music Distribution Serviceを知り、彼等もまたThomasを作品を流通させています。彼は1980年にワシントン大学を辞め、1987年にはセント・ルイスも去って、ニューヨークに移り住みます。これが、ある意味アカデミックな経歴の持ち主であったThomasの略歴です。
それで本作品ですが、A面2曲、B面2曲で、全体の印象は、コロコロと可愛らしい粒子様な電子音がダンスしてあるかようであります。今でこそ、シンセの同期はMIDI でアマチュアでも簡単にできますが、これが1975年に録音されていたのには驚きます。アカデミックな音楽背景を持ったThomasですが、ポップと言う意味ではなく、案外、聴きやすい印象です。それと彼は、本当にシンセの音が好きなんだなあと感じ入ります。ヨーロッパの電子音楽の系譜とは異なり、ポップネスやユーモアを感じさせることとが、特徴でしようか。癖になります。また、Thomasは表立っての作品は、長い経歴の割には少ないのですが、クレジットとしては60作以上のCDに入っています。特にRobert Ashleyとは付き合いが長く、ツアーもサポートしています。そんなThomasの最初期の音源を聴いてみては如何でしょう?
A1 “Modhera” (7:44)
A2 “Bonampak” (9:23)
B1 “Girnar” (7:15)
B2 “Fatehpur” (7:10)
https://youtu.be/FxMSbMrLWOA?si=LkTUP9zEsLy0eRzf
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