Nurse With Wound “To The Quiet Men From A Tiny Girl”

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Nurse With Wound。これは、もう、平山悠氏の本を読んだ方が、明らかに良いガイドになる思いますが、まあ、簡単にバイオグラフィーを書いておきます。Nurse With Wound (NWW)は、1978年にSteven Stapleton, John Fothergill及びHeman Pathakによっで結成された実験音楽プロジェクトですが、1979年にはHemanが去り、1981年はStevenのソロプロジェクトになっています。それまでは、クラウトロックや即興音楽をやっていましたが、その頃はインダストリアル・ミュージックの範疇で捉えられていました。ソロ・プロジェクトになってから、特に”Homotopy To Marie”以降が、本来のNWWの最初のアルバムになったと、Stevenは証言しています。それ以降、40作以上のアルバムを出しており、ダダやシュールリアリズム或いは不条理なユーモアが、NWWの作品には影響を与えています。それに反して、音楽スタイルは幅広いジャンルに及びcabaret music, nursery rhymes, John Cage, The Beach Boys, krautrock, ambient music及びeasy listeningを内包しています。テープ・ループやテープ加工をちょっとしたユーモアを持って使う場合、特にStevenにとって、Musique concrèteはもっとも重要な手法になっているようです。また、彼は、”Babs Santini”名義でアルバムのアートワークを手掛け、トータルなものとして作品を作っているようです。また、最近のことですが、2005年にオーストリアのWienで、21年振りにライブパフォーマンスを行いました。その時のメンツはStevenの他に、Colin Potter, Matt Waldron, Dian Rogerson (Stevenの妻)とAndrew Lilesであったとのこと。また、近年では、Stereo Lab, FaustやSunn O)))らとのコラボにも着手しています。
それで、本作品ですが、本作はNWWのセカンドアルバムに当たりますが、基本的に、既存のマニアックな音楽の断片やアコースティックな楽器・非楽器のから成るコラージュです。ただ、コラージュと言うだけではなく、かなり緻密に組み立てられており、長尺の曲でも飽きません。聴くたびに新しい発見があります。また、金属質な音は、あの元T.G.のPeter Christophersonの持ち込んだ鉄製の椅子の軋みかもしれませんね。本作品はウィーン・アクショニズム派のRudolf Schwarzkoglerに捧げられています。ジャケ写もそれに関係したモチーフが用いられており、Stevenの卓越した審美眼をビシビシ感じますね。そんなNWWの初期作を体験してみてはどうでしょうか?まさに「耳で見て、目で聴く作品」です。

A面”Umbrella Link”〜“She Alone Hole And Open”
https://youtu.be/WVi30nC30xE

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