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SPK “Information Overload Unit”
ようやく、SPKの登場です❗️まあ、これを見ている皆さんはこのバンドのことはよく知っているとは思いますが、簡単にバイオグラフィーを。豪州Callan Park病院の精神科病棟で看護師をしていたニュージーランド生まれのGraeme Revell ("EMS AKS", "Operator", "Oblivion"とも表記される)とその患者であったNeil Hill ("Ne/H/il"とも表記される)が1978年に結成したのが、通称SPK(色々と表記仕方がある)です。その名前の由来は独逸のマルクス主義的政治結社であるSozialistisches Patienten Kollektiv (社会主義患者集団)の略からなんですが、色々文字っています。Kraftwerk, Can, Neu!, FaustやJohn Cageに影響を受けた2人は、Danny Rumour (G)とDavid Virgin (B)の言う2人のティーンエイジャーを誘い、1979年に7’シングル”SoliPsiK”を自主リリースします。1980年にDominik Guerin (Synth: "Tone Generator"とも表記される)が加入しますが、この後はバンドの視覚的演出(これがまたエグい。死体、セックス,奇形、フリークスなどのグロい映像をバックに流して、演奏しています)も手掛けます。その年の5月にSurgical Penis Klinik表記でEP “Meat Processing Section”をリリースしますが、このEPにはNeilは参加していません。GraemeとDominikだけで、渡英してロンドンでSPKのファーストアルバムである本作品”Information Overload Unit”を作成します。この作品はVauxhallのスクワットで、Graemeの兄弟のAshley Revell ("Mr.Clean"とも表記される)とMike Wilkins (G, B, back-Vo)のヘルプで録音されてます。このアルバムは異常心理状態や精神遅滞について作られており、1980年に自身のレーベルSide Effectからのリリースになりました。その後、1985年のNormalからの再発では青盤もあります。1980年6月に、名曲”Slogun”の入ったシングルをリリース。1981年7月にJames Pinker (Dr, Perc)とKarel van Bergan (Violin, Vo)を加えてUSツアーを行います。一方、豪州ではNeilのSPK (SoiiPsiK)が、Kitka (Kit Katalogとも表記), Sushi (Margaret Hillとも表記), Charlyiev (Paul Charlierとも表記)とSkorne (Neil Hillの表記)でシングル”See Saw”をリリース。この時期はSPKが英国と豪州に2つ存在していました。なお、この頃だと思うのですが、Neilは単独で来日してますね。1982年にGraemeとDominikはBrian Williams (後のLustmord), John Murphy (“Kraang"とも表記)及びDerek Thompson (後に、一時、The Cureのメンバーにもなる)を加えて、1982年にセカンドアルバム ”Leichenschrei”をリリース。その直後、Sinan Leong (Vo)を加え,SPKのサイドプロジェクトDance Macabreを結成したとか。しかしながら、GraemeとSinanはSPKをもっとコマーシャルにしたいとして、1983年8月には、コンパイルしたマキシシングル “Auto Da Fé”をSepPuKuの表記でリリース、インダストリアル・ディスコとも言われました。彼らはすぐにSepPuKu表記で、マキシEP ”Dekompositions”をリリースしています。一方,Neil Hillは1984年2月に自死します。その2日前に彼の奥さんのMargaret Hill (née Nikitenko)がダイエット薬の過剰摂取で逝去しており、その後追い自殺だとか。それでSPKはツアー後豪州に戻り、サードアルバム”Machine Age Voodoo”を作成、翌年に大手のWEA Recordsからリリースします。これ以降は「Blondie meets Kraftwerk」とも評されるポップ路線になり、また、この頃から、Graeme自身も映画などのサントラ作りに注力するようになります。それでSPKとしては1986年の”Zamia Lehmanni: Songs of Byzantine Flowers”と”Digitalis Ambigua: Gold & Poison”をリリースしますが、前述の理由で、1989年にSPKは解散します。ザッとのヒストリーはこんな感じです。(長すぎ❗️)
それで彼らのファーストアルバム”Information Overload Unit”ですが、Graemeの方のSPK(System Planning Korporationの表記)の作品で、当時の音楽ライターは「TGやCabsのようにうるさいけど、何だかドキドキするような音楽であった」とか。今,聴くと、多少ザラザラして歪でダークな電子音やギターのフィードバック音及びテープ音が垂れ流されているようにも感じ、何だかプリミティブな出来ですね。若干、A面の曲の方が勢いがあるようにも思えますが、やはり,脳外科の開頭手術のジャケ写(私のはリイシュー盤なので違う)やそれまでのレコードでの病理解剖のジャケ写イメージが先行していたから、カッコよかったんですかね?当時は、そのようなショック・タクティクスが流行りましたから、その先駆けとも言えます。あと、TGの様な胡散臭さは、何だか取ってつけたような感じだし、Cabsほどの「ポップネス」は無いかなぁ。まとまっている様な、いない様な、ちょっと中途半端な感じがしますが、1980年前後であれば、まだインダストリアル・ミュージックの走りとして先進的に捉えられたのであろう。また彼等が、Einstrutzende Neubautenを知っていたかどうかは計りかねますが、既に、このアルバムではメタパーが使われています。そんなSPKのウルトラでハイパーな音楽はどうですか?
◼️Face Ultra
A1 “Emanatiön Machine R. Gie 1916” (5:23)
A2 “Suture Obsessiön” (5:06)
A3 “Macht Schrecken” (5:19)
A4 “Berufsverböt” (5:30)
◼️Face Hyper
B1 “Gröund Zero:Infinity Dose” (4:18)
B2 “Stammheim Törturkammer” (4:33)
B3 “Retard” (4:25)
B4 “Epilept:Convulse” (2:32)
B5 “Kaltbruchig Acideath” (4:32)
https://youtu.be/V1DEHbZQT8k?si=9Z2tHsxnX1b58fy7
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