Brian Eno “Another Green World”

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皆さんの知っていらっしゃるBrian Enoの初期の作品の一つが,この”Another Green World”です。オリジナルは1976年にIsland Recordsからリリースされています。私がEnoのことを初めて知ったのは、オプスキュアでもロキシー・ミュージックでもなく、”No New York”のプロデュースなんですよ。なので、他のリスナーでも彼のことに詳しい人も沢山いると思いますので、バイオグラフィーは簡単にしておきます。Enoは、イプスイッチ・聖ジョセフ・カレッジとウィンチェスター美術学校に在籍し、美術を学んでいましたが、在学中からバンド活動をしており、Andy Mackayに誘われて、1971年にRoxy Musicに加入、その後、1973年に脱退、ソロ活動に移行します。特にKing CrimsonのRobert Frippとの共作”No Pussyfooting”は有名ですね。それ以外でもソロのロック作品”Taking Tiger Mountain (By Strategy)”などを発表していく一方で、前衛的音楽やニューエイジ的音楽も発表していきます。それが,本作品や”Ambient 1: Music For Airport”などの非ロック的な作品へと繋がっていきます。また、彼は、Harold BuddやJon Hassellらのアンビエントの才能を開花させています。そのような活動と並行して、色々なロック・アーティストとコラボをやっており、その中でもDavid Bowieの「Berlin 三部作(“Low”, “Heros”及び”Lodger”)」に参加しているのは有名ですね。1980年代になると、Talking HeadsやDevo, Ultravox!, U2と言ったニューウェーブなグループのプロデュースを始めており、その最たるものが、当時のNYCの最地下の音楽を集めた”No New York”のプロデュースですね。その後も視覚芸術とのインスタレーションに行ったり、21世紀にはColdplayなどポストロックなグループの作品への参加など衰えを見せません。ザックリ言うとこんな感じでしょうか?
それで、本作品ですが、1975年に作製されており、Enoが丁度,アンビエントに行くか行かないかの辺りの作品になります。なので、ヴォーカル入りのロックっぽい曲とシンセ中心の割と静か目の抽象的なインスト曲から成ります。Enoはこのアルバムを作製する際に、35曲ほどを書いていますが、どれを選んでどうすれば良いかに悩み、Oblique Strategiesと言う一種のタロットカード的な手段で曲の選択と仕上げを行ったとされています。それにしても、各曲のクオリティは勿論、全体のバランスも良いアルバムだと思います。なお、本作品発表時でも、高評価で、「ロックとアンビエント、動と静などが上手く配置された傑作」と言われています。2004年でも、Pitchfork誌のスタッフが選んだ「1970年代のベスト・アルバム100」では10位にランク・インしています。あと、この時代に既にリズムボックスが平然と使われているのも特徴かと。重要なことは、彼はいつも自分のことを「非音楽家」と言っている点で、それは、彼が録音スタジオを一種の「楽器」として使うことと関係があるようです。また、それは後のThis HeatやCabsにも言えることでしょうね。そんなアルバムですので、Enoの魅力を聴くには最良の作品だと思いますよ。

https://youtu.be/qafV7HgPbTo

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