Noise “天皇”

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もう何度も再発している日本アンダーグラウンド界の問題作、Noiseの「天皇」です。私のは初回プレス分ですが、当時、2000枚プレスして全部売り切り、更には他のレーベルからの再発も悉く瞬殺。メンバーは、現在は Maher Shalal Hash Bazで活躍している工藤冬里さんと大村(現: 工藤)礼子さんの2人です。一曲だけ渡辺敏子さんがドラムで参加しています。元々は、Worst Noise, Worst Noise Dance To Deathなどとバンド名の変遷とメンバーの入れ替えがありましたが、1970年代後半から1980年代前半で活動し,結果、バンド名はシンプルにNoiseになりました。殆どのトラックは冬里さんの壁の様なオルガン音と礼子さんの天使のような歌から成ります。時に、礼子さんがギターやトランペットで、冬里さんがドラム(と言うかスネアとハイハットのみ)も演奏しています。オルガンもよく言えば絶対的壁の様に鳴らされていますが、悪く言えば、初心者が適当に弾いているだけとも言えます。ちょっと違うかもしれませんが、米国のUNS(Z’evの変名)の様なオルガン・ノイズが近いでしょうか?また、礼子さんの歌は伸び伸びとしていて、バックのオルガンと相まって、一種の讃美歌の様でもあります。興味深いことに、歌詞カードが付いているのですが、独逸語訳も付いています。海外のマニアも探していると言われているアルバムですが、Noiseとしてはこの一枚で終わっています。私個人は、当時、内容も余り吟味せずに買いましたが、その時は、「何だ、つまらん」と言う感想でした。それにアルバム・タイトルや歌詞に、当時のマイナー(ロック喫茶のこと)周辺のバンドの独特な言葉が散りばめられているのもマイナスポイントでした。しかし、この機会に30年振り位に聴き直してみましたが、意外にもすんなり聴けて「凄く良かった」と感じました。時々入る礼子さんのフリーキーなギターやトランペットもカッコいいです。だから、良いと思える人には「愛聴すべき宝物」ですが、特に何も思わなかった方には「クズ」になると言う、聴き手を選ぶ音楽なんだろうなと思います。そん音楽ですが、気になった方は、中古盤屋で探してみて下さい。個人的にはこの演奏をでかい教会でやってみたら面白いかもと思いました。

https://youtu.be/zwIkYB8QVZ4

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