No More “Suicide Commando”

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ちょっと前のSynth WaveやMinimal Waveの発掘・再発・再評価で、意外な程、注目を浴びていたバンドの一つが、このNo Moreです。元々は、1979年に、独Kielで、Andy A. Schwartz (Vo, G, B), Tina Sanudakura (Organ, Synth, Sequencer, Drum Machine), Christian BlödornことChristian Darc(Drs, Drum Machine, Perc, Vo), Thomas "Ugly" Welz (B)の4人組として結成されたポストパンク/No Wave志向のバンドだったのですが、1980年にデビュー7㌅EP “Too Late”をリリースしています。この時には、TEACの4トラックMTRを使って、小さな洗濯部屋で録音されており、”Brutal”と形容される位にかなり音が悪かったみたいです。その後 1980年終わり頃にThomas Welzが脱退し、1983年末までは、トリオで活動しています。1981年にリリースされたシングル”Suicide Commando”がバンドとしての最大のヒットとなり、英国NME誌では「正しく独逸的な電子音楽形態」と評され、次の年からじわじわと、ジャンルやシーンとは関係なしに、国際的にこの歌は広がっていきます。また、この曲のシングルは数回リリースされ、それらはまた最近になっても、再発されたりしています。今回、ご紹介するのも、オリジナルのシングルの再発盤で、リマスタリングしてあります。それで、1990年代では、この歌は、テクノやエレクトロのシーンにも浸透していき、DJ HellやEchopark (Moguai & Torsten Stenzel)によってリミックス盤が出たりしています。その後、1982年に、No Moreは、ミニアルバム”A Rose Is A Rose”をリリースしますが、英国NMEの記者は、「Lou Reedのアルバム”Berlin”から生まれた独の若者3人によって作られた」アルバムと評しています。このミニアルバムをリリースした後に、No Moreは、よりダークで、よりオリエンタルな要素を取り入れていきます。1984年に、Thorsten Hartung (B)が加入し、勢いに乗って、独と蘭でのツアーを開始しますが、直ぐにこの曲の演奏禁止となり、結果、1986年末にバンドは解散してしまいます。解散直前に、アルバム”Hysteria”をリリースしています。SchwartzとSanudakuraは、新たなバンドNijinsky Styleを結成します。そうして、2006年に、SchwartzとSanudakuraは、デュオの形態で、No Moreを再始動し、新録アルバム”Remake/Remodel”をリリースし、2008年末に、ツアーを再開、2010年1月には、シングル”Sunday Mitternacht / A Rose Is A Rose”をリリースしています。2010年3月には、アルバム”Midnight People & Lo-Life Stars"をリリースし、2012年にも、アルバム”Sisyphus”をリリースしています。2015年になると、よりポップな作風となって、シングル” Stardust Youth"とアルバム"Silence & Revolt"をリリースしています。
 以上が、No Moreの略歴となります。このバンドがラッキーであり、不運でもあったのは、一重に”Suicide Commando”が大ヒットしたことだと思います。なので、曲は知っている人は沢山いらっしゃるとは思いますが、もう一度、聴き直してみましょう。

★A “Suicide Commando” (3:23)は、ドラムマシンと生Drsを同期しているのかな?ミニマル・シンセ・ウェーブの典型とも言える名曲です。徹底したミニマルなSynth-Bとオルガンのリフに、男性Voの歌詞とメロディを少し変えるだけ成り立っている奇跡のアレンジです。多分、この手の音楽が好きな方は聴いたことがあると思います!
★B “In A White Room” (3:34)は、激しいドラムマシンのビートと太いSynth-Bに、無表情な男性Voが乗る曲で、間奏ではSynth-Bは1オクターブ上がって、SE的シンセが聴くことが挿入されます。こちらもミニマル・ウェーブな曲です(Creamの曲ではないです)。

 今回、このシングルを聴き直してみて、改めて思ったのは、このシングルのヴァージョン(初期ヴァージョン)では、シーケンサーも使っていなんいんですね。ちょっと意外でした。多分、鍵盤楽器は、全てTina Sanudakuraの手弾きですね。後、ここでは、Andy A. SchwartzもVoに専念しており、GもBも弾いていませんし、Christian Darcに至っては、ドラムマシンのスウィッチをオン/オフしていだけでは?と思ってましたが、実際にはスネアの音を担当したいるようです。それから、私自身の昔の経験でも、コード進行さえしっかり決めていれば、意外とメロディとかにヴァリエーションが作れると言うことがあります。しかしながら、ここまで無駄をそぎ落としだからこそ、後にリミックス盤とか何度も再発が出る名曲になったと思います!ミニマル・ウェーブ好きの方はマスト・アイテムですよ❗️

A “Suicide Commando” (3:23)
https://youtu.be/vrgsL4NYa-k?si=Fc5OsJNizwuiDexy

B “In A White Room” (3:34)
https://youtu.be/1gu9CDzHG4Y?si=BwsZ2PIgnKjP69yz

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    4AD

    2024/05/26

    NO MORE は  アナログ3枚と コンピレーションCD 持ってます。 ドイツにはZICK ZACK ATA TAK レーベル以外に80's には素晴らしいGOTH,COLD WAVE系のバンドが数多くいたことを 日本人にもう少し注目してほしいです。

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