Vintage Crop “Serve To Serve Again”

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Vintage Cropって知ってますか? これまた、謎物件です。取り敢えず、届いたものは聴いてみます。その前に、このバンドのことを調べてみました。Vintage Cropは、豪州Geelongの「バンド」で、元々はJack Cherryの宅録ソロユニットとして始まっており、その時は、主にSoundCloudに曲をアップしたりしていたようです。その後2016年に、Tyson Harper (G)及びTylerとLuke O’Brien兄弟が加入して、通常のバンド形態となり、同年11月に、Cherry自身のレーベルWeather Vane RecordsよりリリースしたEP “Coming Up”でデビューします。このEPは、メルボルンのポストパンク・バンドTotal ControlのMikey Youngがマスタリングしているのですが、その後もYoungが協力していくことになります。あと、Jack Masseyと言う人物もメンバーであったようですが、詳細は不明です。その後、2017年4月14日に、バンドは、ファースト・アルバム”TV Orange”をリリースしていますが、このアルバムは、2018年に、仏のPolska Recordsがリイシューしています。また、2018年には、豪州GeelongのAnti Fade Recordsから、セカンド・アルバム”New Age”をリリースし、欧州ツアーを敢行しています。この後、2020年には、本作品でもあるサード・アルバム”Serve To Serve Again”を豪州のAnti Fade Recordsと英国Upset! The Rhythmとの共同でリリースしています。2022年3月に、NME Australiaは、Vintage Cropが、ニュー・シングル”Double Slants”をリリースしたと発表、更に、2022年に6月24日には、彼等の4枚目のアルバム”Kibitzer”もリリースするとアナウンスしていますが、このアルバムは、1日で録音を終わり、Mikey Youngがマスタリングを担当しています。因みに、バンド名は、英国の競走馬の名前から取ったらしいです。

 以上が、Vintage Cropの略歴ですが、バンドメンバーは、Jack Cherry (Vo, G) Tyler O'Brien (Drs), Tyson Harper (G, Vo), Luke O'Brien (B, Vo)となっています。それで、本作品”Serve To Serve Again”ですが、内容的にも、両面6曲ずつ収められています。それでは、各曲について紹介していきましょう。
★A1 “First In Line” (3:19)は、一聴、変拍子のようなリズムとフレーズで突き進む曲で、その風変わりなアレンジが如何にもポスト・パンクらしく捻くれています。
★A2 “The Ladder” (3:14)は、スローでダルなイントロから次第に力強いビートの曲調に変わり、力強いVo 共に、GとDrsで中々イカした曲になります。
★A3 “The North” (2:49)では、不思議なGのリフで始まり、シンセも加えてはいますが、あくまでもGを中心としたクールな曲をキープしています。
★A4 “No Praise” (0:57)は、ややアップテンポな曲なんですが、なんか脚がもつれたまま走っているようなリズムのアレンジが秀逸です。
★A5 “Jack's Casino” (1:52)も、更にアップテンポでハードコアらしくなりますが、途中で、Gと共に重めのBが効いて、落ち着きさを一時的に取り戻しますが!
★A6 “Streetview” (6:29)は、一癖も二癖もある変わったフレーズを弾くアンサンブルで、Voもやや変です。また、不協和音の使い方も秀逸です。
★B1 “Serve To Serve Again” (2:19)は、初期Wireっぽい飾り気の無いで、懐かしいと言うかカッコ良いタイトル曲で、間奏のシンセもシンプルかつ絶妙です。
★B2 “Gridlock” (2:53)は、パンキッシュな演奏ですが、不協和音を挟み、焼けっぱちに飛ばしています。
★B3 “Life and Times” (3:41)は、ゾクゾクするようカッコ良い曲で、アレンジ自体はシンプルですが、コード進行の妙なのでしょう。私的にはNo.1曲です。
★B4 “Just My Luck” (2:10)は、またもやアップテンポでロック魂を感じさせる曲です。初期Wireの香りを感じますが、もう少しユーモアもあり、最後のGソロにも痺れます。
★B5 “Tension” (2:42)も、シンコペーションの効いたGを中心に急かされるように進む、ドカドカした曲ですが、曲全体には哀愁すら感じられます。
★B6 “Everyday Heroes” (3:05)では、シンプルなアンサンブルなんですが、何故か味があり、更に不安定なGのリフや合唱も加わり、不思議な落下感があります。

 総じて、凄く突出するような派手さは無いのですが、シンプルな構造の中に、色んなアイデアやアレンジ、不協和音などが散りばめられており、聴けは聴く程、味が出ると言う「うまみ」成分のある音楽を奏でています。前述のように、初期Wireにちょっとガレージっぽさを加えたと言えば一番近いかな?。でも決してモノマネで終わっていない所に、このバンドの良さがありますし、音もポストパンクなので、好きな方はハマると思いますね。なので、そんなリスナーさんは一度体験してみて下さい❗️

A3 “The North” (2:49)
https://youtu.be/bF71bqtOEXU?si=Lttt9vt4zOoYANX3

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLwNPma6jY99rHIZbbs1isKTjpawzvq4xQ&si=GHnmkuL4ZeArTPmc

[BandcampのURLも貼っておきます]
https://vintagecrop.bandcamp.com/album/serve-to-serve-again

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