Be-Bop Deluxe “Sunburst Finish”

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今回は、Bill Nelson繋がりで、Be-Bop Deluxeを紹介します。元々は、1972年に、Bill Nelson (Vo, G, Songwriting)が中心となって、英国West YorkshireのWakefieldで結成されたバンドで、その時のメンバーは、Nelsonの他に、Ian Parkin (G), Robert Bryan (B, Vo), Nicholas Chatterton-Dew (Drs), Richard Brown (Kbd)でした(Richard Brownはその年の12月には脱退)。名前からすると、ビーバップを演っていそうでしたが、彼等は全くそのような音楽は演ってはいません。また、David Bowieとも比較されたりしていましたが、Nelsonはその比較を嫌がっていました。それで、彼等は、EMI傘下のHarvest Recordsと契約し、1974年に、ファースト・アルバム”Axe Victim”をリリース、そしてツアーに出ていますが、Nelsonは、メンバーを一新し、Cockney RebelのPaul Jeffreys (B)とMilton Reame-James (Kbd)を加入させ、またSimon Fox (Drs)も誘いますが、JeffreysとReame-Jamesは直ぐに脱退し、代わりに豪州のMississippi and Healing Forceに在籍していたCharlie Tumahai (B, Vo)が1974年後半に加入します。このラインナップで、セカンド・アルバム”Futurama”を1975年に録音しています。この時、ツアー・メンバーであったAndrew Clark (Kbd)がゲスト参加しており、後に正式に加入しています。このラインナップは、1978年のバンドの解散まで続きます。彼等の音楽は、プログレやグラム及びハードロックの美味しい所をスタイリッシュに取り入れており、本作品でもあるサード・アルバム”Sunburst Finish”からのシングルカット曲”Ships In The Night”には、Billの弟Ian Nelson (Sax)も参加しており、Be-Bop Deluxe史上、最も売れました。また、このアルバムでは、初めて、EMI専属のJohn Leckieがプロデュースにも携わっており、最後のアルバム”Drastic Plastic”まで、更には、Bill Nelson’s Red Noiseまで続きます。そうして、米国ツアーの時に着想を得た組曲を含む、4枚目のアルバム”Modern Music”を同年1976年にリリースし、翌年1977年には、ライブ・アルバム”Live! In The Air Age”を出しています。そうして、1978年に、彼等は仏南部のJuan-Les-Pinsで録音した5枚目のアルバム”Drastic Plastic”をリリースしますが、このアルバムは、パンクやニューウェーブそしてDavid BowieのBerlin3部作からの影響を強く受けており、バンド活動初期のプログレやギターロックからのスタイルとは大きく方向転換しています。ただ、このような大きな音楽性の変化故に、NelsonはBe-Bop Deluxeを解散することにしたようです。その後、NelsonはClarkと共にRed Noiseを結成し、1枚のアルバム”Sound-On-Sound”を制作後、ソロ活動を始めています。

 と言う訳で、本作品”Sunburst Finish”について紹介していきたいと思います。まず、この時の参加者は、Bill Nelson (Vo, G, Harmonica, Perc, Bells), Andrew Clark (Kbd), Charles Tumahai (B, Vo, Perc), Simon Fox (Drs, Perc)で、ゲストとしてIan Nelson (Alto Sax [A3])とAndrew Powell (Orchestral Arrangements [B3, B4])も参加しています。まだ、この頃までは、何れのアルバムも”ギター”をモチーフとしたアルバム・タイトルやジャケ写で、まだ、グラム・ロックっぽさがありますね。それでは、各曲について紹介していきたいと思います。
★A1 “Fair Exchange”は、初っ端から元気一杯の「これぞ!グラム・ロック」な曲で、曲自体もノリが良くてグー!NelsonがGを弾きまくってます。
★A2 “Heavenly Homes”は、ゆったりまったりしたバラード調の曲で、リリカルなピアノに合わせて、Voもしっとりと歌い込んでいます。
★A3 “Ships In The Night”は、Kbdの刻みが特徴的なイントロで始まる良質なポップ・ミュージックで、Bラインもカッコ良いし、間奏でのIan NelsonのSaxやClarkのオルガンもグー!
★A4 “Crying To The Sky”は、ややしつとり系の曲で、優しく歌うNelsonのVoや間奏での激情的Gソロも聴きどころですね。
★A5 “Sleep That Burns”は、間奏にスパニッシュなテイストを入れたりするやや複雑な構成の曲で、NelsonがGを弾きまくっているのにも、痺れますね。
★B1 “Beauty Secrets”は、アコギで始まり、ピアノやオルガンなんかも使った如何にもゴージャスなアレンジの曲です。
★B2 “Life In The Air-Age”もB1に連続して、パーカッションから繋がる曲で、ここでもNelsonのGとVoは生き生きとしていて、カッコ良いです。
★B3 “Like An Old Blues”は、とにかく艶のあるゴージャスだけれども、跳ねるようなブギのリズムが心地良い曲です。間奏でもGやハーモニカは弾きまくりです。
★B4 “Crystal Gazing”は、アコギとストリングスで始まるしっとりしたバラードで、Powelのアレンジが効いてます。
★B5 “Blazing Apostles”は、ノリの良いGを全面に押し出した曲で、それを支えるハモンド・オルガンも絶妙な隠し味になっています。あと、曲構成自体は複雑です。
 このアルバムでのBe-Bop Deluxeは、プログレ要素を含んだグラム・ロック的なノリで、まだまだシンセなんかも殆ど使っておらず、古いタイプのブギ的な曲が多いですね。それが良いとか悪いとかは別にして、そう言う時代性を上手く反映していたのではないかと思われます。まあ、曲構成も複雑なのは、プログレの影響なんですが、それをポップ・ミュージックに落とし込んだのが、素晴らしいです❗️是非ともご一聴を!

A3 “Ships In The Night”
https://youtu.be/FSYDqLmnYEA?si=iG-239E9Ym0brm2V

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kuh7ruwClwnIPoDIICtt4xPoUZ1IIYemc&si=EXAYoFo6s9mrOxFV

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