-
Be-Bop Deluxe “Drastic Plastic”
またまた出ましたよ!Be-Bop Deluxeの5枚目にして最後のスタジオ・アルバム”Drastic Plastic”です。今回の参加メンバーも、Bill Nelson (Vo [A1-B3, B5, B6], G), Charles Tumahai (B [A1 to B3, B5, B6], Back-Vo [A1-A3, B3]), Andy Clark (Mini-Moog [A1; A3, A4, B1, B5], Poly-Moog [A1-B1, B5]), Simon Fox (Drs [A5-B3, B5, B6])で、プロデュースもBill NelsonとJohn Leckieです。なお、ジャケのデザインはHipgnosis(ヒプノシス)が担当しています。と言う訳で、この次に、Bill Nelsonは、Andy Clarkを誘って、Bill Nelson’s Red Noiseへとシフトしていきますが、Nelson自身が語っているように、このアルバム収録曲とRed Noiseのアルバム収録曲は、同じような時期に作られていますので、それ程の断絶は無く、一連の流れとなっています。Red Noiseへの移行のことは、以前にも書きましたので、そちらをご参照下さい。あと、Clarkは、本作品では、シンセだけを弾いており、恐らく当時のエレ・ポップの走りを意識したのではないかと思われます。それでは、本作品の各曲を紹介していきたいと思います。 ★A1 “Electrical Language” (4:48)では、エフェクトを掛けたVoやポリシンセを前面に押し出したアレンジは明らかにニューウェーブ路線ですね。間奏もMini-Moogだし。ただもう少しVoをハッキリさせて欲しかった! ★A2 “New Precision” (4:29)は、Fischer-Zにも少し似た曲調ですが、まだこちらの方が間奏のGソロなんかはプログレ的/ギターロック的ですね。しかし、ビートのパタンがモダーンですし、泡ブクブクの音も。 ★A3 “New Mysteries” (4:44)は、ややファンク調のリズムですが、それ程「黒い」訳ではなく、やはりポストパンク的なノリに近いかも知れません。またこの曲ではGのリフがやや目立ちます。 ★A4 “Surreal Estate” (5:00)は、リリカルなピアノで始まる可愛らしい曲で、Percが楽しげです。まだ、Red Noise程ではないですが、シンセ音が散りばめられています。 ★A5 “Love In Flames” (4:08)は、いきなりアップテンポのDrsで始まる疾走感のあるニューウェーブな曲で、切迫感のある曲調も含めてカッコ良く、オルガンらしき音のリフやGソロも最高です! ★B1 “Panic In The World” (5:03)は、古めかしいブギ的曲調なんですが、シーケンサーやシンセ音も加わわり、全体としては「ニュー」な印象となっています。 ★B2 “Dangerous Stranger” (3:05)は、アコギを使っていますが、パンク/ニューウェーブな曲で、少しだけブギの要素も入っていて、カッコ良いです。 ★B3 “Superenigmatix (Lethal Appliances For The Home With Everything)” (2:10)は、B2から連続しており、この曲もニューウェーブ的な曲で、ピアノと共にシンセも使われており、Voスタイルも新鮮です。 ★B4 “Japan” (2:34)は、それ程東洋趣味な曲ではありませんが、Percの音色が多少そんな感じでしようか?それっぽくしようとしているのは分かります。 ★B5 “Possession” (2:33)も、Voスタイルと歌詞及び曲調もニューウェーブ的な曲ですね。サビはややプログレ的な印象も多少あるかな?後半のシンセはグー! ★B6 “Islands Of The Dead” (3:44)は、アコギの弾き語りから始まるしっとり、まったりした曲で、この曲で締めるかあ!と思わず叫びたくなりますね。 前回、紹介したアルバム”Sunburn Finish”よりも、ずっとニューウェーブな曲調が感じられますが、後のRed Noise程ではないので、1978年当時の流行り(パンク〜ニューウェーブ)を取り込もうとしていることや、プロデューサーにJohn Leckieも加わっていることも含めて、随分モダンなアルバムに仕上がっているとおもいます。この傾向は特にB面で顕著ですね。なので、1970年初期から出てきたバンドが、1970年代後半当時の音楽からどんな影響を受けたかを知る上で、重要なアルバムです❗️皆さんも聴いてみましょう! B5 “Possession” https://youtu.be/jGPUBoVN_Wk?si=M3Hoazeljv1nEPq8 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nSvLfqKEpLrjmtlEvNUP3q7iEh1qChYQI&si=9wcisImcccUa_uH4 #Be-BopDeluxe #DrasticPlastic #HarvestRecords #5ThStudioAlbum #GlamRock #NewWave #BillNelson #CharlesTumahai #AndyClark #SimonFox #Producer #JohnLeckie #Hipgnosis #Synthesizers
Glam Rock Harvest Records 不明Dr K2
-
Be-Bop Deluxe “Sunburst Finish”
今回は、Bill Nelson繋がりで、Be-Bop Deluxeを紹介します。元々は、1972年に、Bill Nelson (Vo, G, Songwriting)が中心となって、英国West YorkshireのWakefieldで結成されたバンドで、その時のメンバーは、Nelsonの他に、Ian Parkin (G), Robert Bryan (B, Vo), Nicholas Chatterton-Dew (Drs), Richard Brown (Kbd)でした(Richard Brownはその年の12月には脱退)。名前からすると、ビーバップを演っていそうでしたが、彼等は全くそのような音楽は演ってはいません。また、David Bowieとも比較されたりしていましたが、Nelsonはその比較を嫌がっていました。それで、彼等は、EMI傘下のHarvest Recordsと契約し、1974年に、ファースト・アルバム”Axe Victim”をリリース、そしてツアーに出ていますが、Nelsonは、メンバーを一新し、Cockney RebelのPaul Jeffreys (B)とMilton Reame-James (Kbd)を加入させ、またSimon Fox (Drs)も誘いますが、JeffreysとReame-Jamesは直ぐに脱退し、代わりに豪州のMississippi and Healing Forceに在籍していたCharlie Tumahai (B, Vo)が1974年後半に加入します。このラインナップで、セカンド・アルバム”Futurama”を1975年に録音しています。この時、ツアー・メンバーであったAndrew Clark (Kbd)がゲスト参加しており、後に正式に加入しています。このラインナップは、1978年のバンドの解散まで続きます。彼等の音楽は、プログレやグラム及びハードロックの美味しい所をスタイリッシュに取り入れており、本作品でもあるサード・アルバム”Sunburst Finish”からのシングルカット曲”Ships In The Night”には、Billの弟Ian Nelson (Sax)も参加しており、Be-Bop Deluxe史上、最も売れました。また、このアルバムでは、初めて、EMI専属のJohn Leckieがプロデュースにも携わっており、最後のアルバム”Drastic Plastic”まで、更には、Bill Nelson’s Red Noiseまで続きます。そうして、米国ツアーの時に着想を得た組曲を含む、4枚目のアルバム”Modern Music”を同年1976年にリリースし、翌年1977年には、ライブ・アルバム”Live! In The Air Age”を出しています。そうして、1978年に、彼等は仏南部のJuan-Les-Pinsで録音した5枚目のアルバム”Drastic Plastic”をリリースしますが、このアルバムは、パンクやニューウェーブそしてDavid BowieのBerlin3部作からの影響を強く受けており、バンド活動初期のプログレやギターロックからのスタイルとは大きく方向転換しています。ただ、このような大きな音楽性の変化故に、NelsonはBe-Bop Deluxeを解散することにしたようです。その後、NelsonはClarkと共にRed Noiseを結成し、1枚のアルバム”Sound-On-Sound”を制作後、ソロ活動を始めています。 と言う訳で、本作品”Sunburst Finish”について紹介していきたいと思います。まず、この時の参加者は、Bill Nelson (Vo, G, Harmonica, Perc, Bells), Andrew Clark (Kbd), Charles Tumahai (B, Vo, Perc), Simon Fox (Drs, Perc)で、ゲストとしてIan Nelson (Alto Sax [A3])とAndrew Powell (Orchestral Arrangements [B3, B4])も参加しています。まだ、この頃までは、何れのアルバムも”ギター”をモチーフとしたアルバム・タイトルやジャケ写で、まだ、グラム・ロックっぽさがありますね。それでは、各曲について紹介していきたいと思います。 ★A1 “Fair Exchange”は、初っ端から元気一杯の「これぞ!グラム・ロック」な曲で、曲自体もノリが良くてグー!NelsonがGを弾きまくってます。 ★A2 “Heavenly Homes”は、ゆったりまったりしたバラード調の曲で、リリカルなピアノに合わせて、Voもしっとりと歌い込んでいます。 ★A3 “Ships In The Night”は、Kbdの刻みが特徴的なイントロで始まる良質なポップ・ミュージックで、Bラインもカッコ良いし、間奏でのIan NelsonのSaxやClarkのオルガンもグー! ★A4 “Crying To The Sky”は、ややしつとり系の曲で、優しく歌うNelsonのVoや間奏での激情的Gソロも聴きどころですね。 ★A5 “Sleep That Burns”は、間奏にスパニッシュなテイストを入れたりするやや複雑な構成の曲で、NelsonがGを弾きまくっているのにも、痺れますね。 ★B1 “Beauty Secrets”は、アコギで始まり、ピアノやオルガンなんかも使った如何にもゴージャスなアレンジの曲です。 ★B2 “Life In The Air-Age”もB1に連続して、パーカッションから繋がる曲で、ここでもNelsonのGとVoは生き生きとしていて、カッコ良いです。 ★B3 “Like An Old Blues”は、とにかく艶のあるゴージャスだけれども、跳ねるようなブギのリズムが心地良い曲です。間奏でもGやハーモニカは弾きまくりです。 ★B4 “Crystal Gazing”は、アコギとストリングスで始まるしっとりしたバラードで、Powelのアレンジが効いてます。 ★B5 “Blazing Apostles”は、ノリの良いGを全面に押し出した曲で、それを支えるハモンド・オルガンも絶妙な隠し味になっています。あと、曲構成自体は複雑です。 このアルバムでのBe-Bop Deluxeは、プログレ要素を含んだグラム・ロック的なノリで、まだまだシンセなんかも殆ど使っておらず、古いタイプのブギ的な曲が多いですね。それが良いとか悪いとかは別にして、そう言う時代性を上手く反映していたのではないかと思われます。まあ、曲構成も複雑なのは、プログレの影響なんですが、それをポップ・ミュージックに落とし込んだのが、素晴らしいです❗️是非ともご一聴を! A3 “Ships In The Night” https://youtu.be/FSYDqLmnYEA?si=iG-239E9Ym0brm2V [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kuh7ruwClwnIPoDIICtt4xPoUZ1IIYemc&si=EXAYoFo6s9mrOxFV #Be-BopDeluxe #SunburstFinish #Fame #HarvestRecords #Reissue #GlamRock #ProgressiveRock #PopMusic #Guitar #BillNelson #AndrewClark #CharlesTumahai #SimonFox #IanNelson #AndrewPowell
Glam Rock Fame (Harvest Records) 不明Dr K2