Detlef Funder & Bernd Sevens “Stumm”

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 これまた、謎物件です!どうも独逸モノだったので、ポチったのだと思います。サンプルはちょっと聴いたのかな? と言う訳で、謎の2人、Detlef Funder (「デトレフ・フンダー」と発音)とBernd Sevens (「ベルンド・ジーフェンス」と発音)の1984年のコラボ・カセット作品のLP再発物件です。タイトルは”Stumm”のままですが、どうもオリジナルのカセット作品には、A面/B面それぞれ1曲しかクレジットが無いのですが、今回はA面4曲/B面3曲としてクレジットされています。それで、彼等のバイオグラフィーを調べてみたのですが、Detlef Funderは、以前紹介したKonrad Kraftの本名です。なので、以前に紹介したKonrad Kraftの紹介文をご参照下さい。彼は今も現役で活動していますので、この作品を気に入った方は要チェックですよ。また相方のBernd Sevensは1984年に個人的なカセット・レーベルGaehnialtapesを運営、この作品が一番最初のリリースでしたが、1984年に数本のカセット作品を出して終了。その後、1987年にBrigit Gasserと共にレーベルSDV-Tonträgerを設立し、Seventh Dayとして活動して1990年代まで活躍しています。まあ、これ位しか新しい情報はありませんでした(すまん!)。それで、この作品の参加メンバーのクレジットは、1st Radium Report [Detlef Funder?] (Synth, B, Drs)とMentalimbiss [Bernd Sevens?] (Synth, Electro-Drs, G, Panpipes)とのことで、イマイチ良く分からないのですが、まあ、大体こんな割り振りだと思います。1980年には、FunderはシンセとしてKorg MS10を、リズムマシンとしてRoland CR-78を持っており、またリハの出来る地下室もあったので、FunderとSevensはそこで音を出して遊んでいました。その頃、丁度パンクとかのDIYの影響で、2人は演奏を録音してみようとなり、殆ど一発録りみたいに4トラック・レコーダーで録音、それで、このファースト・カセット作品を作ります。それで、Düsseldorfで有名だったRockOn Recordsで取り上げられたりしていましたが、RockOnは1982年3月で閉店。その後、Sevensは、Ursula Blockと一緒にレコード店兼レーベルPure Freudeで働いています。内容はもう1980年代初頭のバリバリの宅録物件と言う感じで、チープで味わい深い電子音楽っぽい実験を好き勝手にやっており、初々しいです。まあ、堪らない人には堪らない作品で、Neue Deutsche Welle (German New Wave)には乗り損ねてますが、歴史の狭間に埋もれず、再発されたのは嬉しい限りです。それでは、各曲について紹介していきましょう。
 A1 “Sauerstoffmangel”は、バックでウニウニしたシンセが鳴っている中、マシンリズムとやたら主張の強いベースが響き、そこにリコーダーらしき音がヘロヘロなメロディを奏でている曲です。
 A2 “Endlos”では、性急かつチープなビートと手弾きシーケンスが突っ走っており、落ち着かないです。そこにオモチャの機関銃のようなシンセも加わり、子供の戦争ごっこのように思えます。
 A3 “Computersteuerung 1980 Pt.1”では、チープなマシンリズムと単調なシンセ・ベースと安っぽい電子音がピロピロと奏でられています。録音時、リズムマシンは弄っているみたいですが、最後にちょっと盛り上がります。
 A4 “Computersteuerung 1980 Pt.2”でも、A3と同じような曲のテンポアップ・ヴァージョンが、足早に現れて、直ぐに消えます。
 B1 “Shifting”では、不明瞭な電子音の中に、ちゃんと叩けていない生ドラムがやたらドタバタして、その内にシンセ音が絡んできて、まるでHalf Japaneseが電子音楽を演っているようです。
 B2 “High Speed”は、またチープなマシンリズムに、太い低音担当の持続シンセ音とメロディ担当のシンセ音が鳴り響く曲ですが、意外にも良いフレーズを聴くことができて、お徳です(個人的には1番好きな曲です)。でも、何が”High Speed”なのかは不明のまま。
 B3 “Koma”では、スローから始まるマシンリズムが変なフレーズとテンポを叩き出し、シンセ音もそれに合ってるのか?合っていないのか?分からないまま、突き進んでいきます。でも何となく辻褄は合っているようです。
 そんな訳で、あっと言う間に終わってしまいますが、一回聴くと、もう一回聴きたくなる中毒性のある音楽です。演奏は決して上手くはないのです。しかし「酔拳」のような感じで、「酔っ払っているのに強い」=「下手なのに聴きたくなる」みたいな。なので、この手の音楽を聴く時は気を付けて下さい‼️

A1 “Sauerstoffmangel”
https://youtu.be/CQ6ZNDm4JCk?si=h_nS8kLDxYWyiC0I

A2 “Endlos”
https://youtu.be/Qpgv-aE4X9I?si=jphSXObIQZY0Il8L

A3 “Computersteuerung 1980 Pt.1”
https://youtu.be/ufMHbJZpyso?si=9oT5hcKogCsftk62

A4 “Computersteuerung 1980 Pt.2”
https://youtu.be/KFFh7hd4Hvs?si=W-gBRm88f69-0VEl

B1 “Shifting”
https://youtu.be/dvP9PY23Sls?si=V33h-iIrRwIAyocn

B2 “High Speed”
https://youtu.be/yJgxtdElAc4?si=FFJHewzReXDlwDOj

B3 “Koma”
https://youtu.be/LJ6bu7v3FUE?si=-av8mKklVNwT9vx6

[BandcampのURLも貼っておきます]
https://detlefunderberndsevens.bandcamp.com/album/stumm

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