Cold Beat “War Garden”

0

これも謎物件です!Cold Beatって誰?ってところからして不明です。どうも、通販の説明文をちょっと読んで、思わずポチったものかと。なので、ちょっと調べてみます。Cold Beatとは、米国CAのSan Franciscoで結成された男女4人組だとか。そうして、2013年に、彼等の最初のレコードである12㌅EP ”Worms” c/w “Year 5772”をメンバー(Hannah Lew)が運営するレーベルCrime On The Moonから出していますので、結成は恐らくその前辺りと思われます。翌年には、ファースト・アルバム”Over Me”をやはり同じレーベルからリリースしていますが、この時は、LP, CD, カセットと言う3種類のフォーマットでリリースされています。その後、2018年には、Eurythmicsの曲のカバーを含むミニ・アルバム”A Simple Reflection”もリリースして、界隈では話題になっていたとか。その後も順調にアルバムなどをリリースしており、本作品”War Garden”は6枚目のアルバムになります。メンバーの変遷について明記している資料は無かったのですが、アルバム”War Garden”に関しては、Hannah Lew (Vo, B), Kyle King (G, Kbd), Sean Monaghan (G), Luciano Talpini Aita (Synth)が参加しています。その他には、Jackson Blumgart (G)やSusie Leni (Drs)も一時期、在籍していたようです。また、今回、彼等が影響を受けたバンド/事柄として、YMO (特にアルバム”BGM”), 仏のAir, A.C. Mariasやベルリンの壁の崩壊などを挙げています。以上が調べた範囲でのCold Beatの流れになります(もっと知っている方がいましたら、ご連絡下さい!)。
それで、本作品”War Garden”を紹介していこうと思います。内容は、A面5曲/B面6曲から成ります。その前に、このアルバム・タイトルについて紹介します。このタイトルは、第2次世界大戦中に国民が自分で野菜や果物を植え、自給自足を奨励した「勝利の庭園」にちなんだものとのことで、それはパンデミック間でも共通するものと彼等は考え、メンバー同士でネットを介して遠隔操作で本作品を作製した経緯によって付けられたものであるとのことです。このネット利用のやり方で、先行シングル”See You Again”を作り上げ、そこに希望を見出したとのことです。正にデジタル・ネイチャーらしい発想ですね。それと、映像作家でもあるVoのLewは、自宅の庭を使って、示唆的なミュージック・ビデオを作製し、庭の手入れが制作に直結する程、重要であったとの逸話もあり、本作品だは「庭」がキーワードとなっているようです。それで、本作品の全体の印象は、一言で言ってしまえば、ドリーミーなシンセ・ポップなんですが、単にシロップ漬けのポップ・ミュージックではなく、そのからはみ出すようなアイデアやコンセプトが感じられ、また、それが彼等の魅力にもなっています。思ったのは、BlondieやMy Bloody Valentine (MBV)なんかの影響もあるのかなぁと言うヴォーカル・スタイルですね。所謂、ウィスパー・ヴォイスなんですが、メロディなんかにもちょっと影響を感じますね。それと、シンセ・ベースの音色の選び方やギターなんかもキチンと要所要所で使っているのも印象的でした。
それでは各曲を紹介していきます。
A1 “Mandelbrot Fall”は小気味良いシーケンスと甘い女性ヴォーカルとコーラスが心地良い曲で、それにシンセ・ソロも良い感じです。
A2 “SOS”は疾走感のあるストレートなマシンビートとシーケンスにウィスパー・ヴォイスが気持ち良い曲で、何となくMBVを思い出しました。
A3 “Tumescent Decoy”のシーケンスやヴォーカルには、何となくチャイナ的メロディを感じます。
A4 “Weeds”はメリーゴーランドのようなシーケンスに乗って、控え目なギターも入ってきて、多重録音されたウィスパー・ヴォーカルが気持ち良いです。
A5 “See You Again”はややダウンテンポの電子バラードで、ギターとシンセとヴォーカルがトロトロに混ぜ合わさっていきます。
B1 “Arms Reach”では、やや強めのビートとシーケンスに乗って、ウィスパー・ヴォイスが流れていきます。
B2 “Year Without A Shadow”は、雰囲気は変わって、四つ打ちキックとイタロ・ディスコなシーケンスを背景に、LewがDebbie Harryのように歌っています。
B3 “Rubble Ren”では、変則的なシーケンスで始まり、そこにヴォーカルが乗る、ちょい実験的な曲です。
B4 “Part The Sea”は、疾走感のあるビートと叙情的なシンセの上で、ふんわりとLewが歌っています。
B5 “Leaves And Branches”は、正にドリーム・ポップの王道な曲ですね。シナ・ロケの”You May Dream”のようで、パーフェクト!
B6 “New World”も四つ打ちで、キュートなシンセのリフとメロディアスなヴォーカルが印象的な曲です。
 とまあ、こんな風に極上のシンセ・ポップなアルバムなんですが、これが、ネット利用だけで作られたとは思えない位、完成度が高いです。また、重いテーマを扱っているようですが、それを上手くオブラートに包んで提示している点も高評価です❗️ただし、ヴォーカルはシューゲイザー風なので、歌詞は聴き取り辛いです。でも、これからも伸びると思いますので、皆さん、要チェックですよ‼️

A5 “See You Again”
https://youtu.be/EGQVoqsA8rw?si=kuQJNp4Apq-Z4h8f

[full album]
https://youtu.be/uwNfDtYvik0?si=b7qJeIfFU19P3tRy

[BandcampのURLも貼っておきます]
https://coldbeatsf.bandcamp.com/album/war-garden

#ColdBeat #WarGarden #LikeLTDRecords #USUnderground #SynthWave #MinimalWave #Electronic #SynthPop #6thAlbum #Synthesizers #Vocal #HannahLew #KyleKing #SeanMonaghan #LucianoTalpiniAita #DigitalComposition

Default