Soloist Anti Pop Totalization “S.A.P.T.”

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とうとう、買ってしまいました!Soloist Anti Pop Totalization (以下SAPTと表記)のセカンド・アルバム”S.A.P.T.”です。この長い名前のユニットは、東京のRikinari Hataのソロユニットなのですが、副題にTokyo Industrial Synth Punkと書いてあるように、日本では珍しいミニマル・ウェーブ、即ち、シンセ・パンクな音楽をやっています。私は多分、先に出ていたCDRを購入して、興味を持ったのだと思います。また、動画などで、彼の機材を見ていると、Roland SH101, Roland TR606, Roland MC202, BOSS DR-55と言う古いアナログな機材を使っており、その機材に対するこだわりとかそこからの発展性や発想とかをビシビシ感じます。また、ライブでは、上記の機材に加えて、彼のヴォーカルも聴くことが出来ます。歌詞は割と「批判的」なものをストレートに歌っているようです。元々は、The Warm(私はこのバンドについては全く知りませんでした)と言うバンドを10年間やっており、心機一転、2016年に、ソロで宅録シンセ・ウェーブ・ユニットSoloist Apartmentとして活動を開始し、その後、プロジェクト名をSAPTに変えて、Soloist Apartment, WAR/ZITなど、様々なタイプとアーティストとのコラボやリミックスを手掛けています。一聴すると、無機質かつ金属質に聴こえますが、彼は「幅、音像、熱量」などに重きを置いているとのことで、海外のラジオやDJ/アーティスト達からセレクトされています。2017年には、伊Dub-itoから12㌅LP”Untitled”をリリース、2019年には、本作品をCD付きLPとして日本のDebauchMoodからリリース。2020年夏には、英国Polytechnic Youthよりサンプル集的コンピ・アルバムLP”Some Neon Reason”にも収録され、同年冬には、独Minamikombinatより、過去の作品をセルフ・コンパイルしたアルバムをリリース。同時期には、独で活動しているNao Katafuchi氏主催の国際的コンピ・シリーズ”Forbidden Figures”にも参加、また英国Polytechnic Youthより、ファン限定のクリスマス・チューン”Ode To Street Hassle”も公開しています。2021年9月にSAPT三部作の第一弾として、”4 Songs On Extend Play”を先行デジタル・リリース。同年末、仏シンセウェーブ・デュオPeine PerdueのStéphane Argillet Stereovoidが設立したアート・レーベルObjet Trouvéより、神戸の電子音楽ユニットJin Cromanyonとのスプリット・アルバム”Synth In Japan”をリリースしています。
それで、本作品の内容ですが、ソロ・ユニットなので、Hata氏が1人で全てを操作・作曲をしています。それから彼のメイン・シンセがSH101なので、私もTechno Mensesで使い倒しましたが、本来、この手の音楽(シンセ・ウェーブなど)向けの機材だと思います。内容を聴いて行きますと、ノイジーなA1 “Synthetic Introduction”で幕を開け、A2 “Insubstantial”はシンプルながらも、無表情なヴォーカルが淡々と続く曲です。A3 “Unknown I”はちょい実験的なインスト曲で、A4 “In The Body”は特殊なディレイを掛けたヴォーカルと、途中で入ってくるシンセによるノイズがイカしてます。A5 “Unknown II”もやはり、SE的電子音ノイズから成ります。B1 “Depression (Part 2)は、シーケンスの妙とエフェクトを掛けたヴォーカルの無機質さの組み合わせが興味深いです。B2 “Unknown III”はシーケンスを用いた実験的音響で、インスト小曲。B3 “Other”は裏打ちのリズムとシーケンスがカッコ良いノリの良い曲で、深めのディレイを掛けたヴォーカルも効果的。B4 “Decade”はいきなり、テープ音とシーケンスから始まるリズムパタンとドローンようのシーケンスが効果的な曲で、テープ音なのか?ヴォーカルなのか?が判定できません。B5 “Unknown IV”もシーケンスするシンセとSE的電子音とテープ音から成るインスト小曲で、本作品を締めています。この手のシンセ・ウェーブ/ミニマル・ウェーブをやっているグループやアーティストは日本には殆どのいないので、SAPTは、その意味で貴重な存在だと思います。また、YouTubeで拝見したインタビューでは好きなアルバムに、TGやCabsやThomas Leer, Robert Rentalなどが収録されている”Industrial Music”のコンピ・アルバムを挙げていたことから、本作品の”Unknown”の4曲は、そう言ったルーツの確認なのかも知れませんね。個人的には、歌詞(勿論、日本語)がちょっとストレート過ぎるようにも思いますが、そこら辺をもう少しソフイストケートさせたら、もっと良質なポップになると思います。でも、SAPTは、この現代において、敢えてヴィンテージなアナログ機材で、素晴らしい音楽を作っているので、これからの活動に期待大です❗️因みに、アートワークは名古屋のNOISECONCRETE x 3CHI5のJunji Ono氏がやっており、音との相性は抜群です!

Live at Contact,May 22, 2022
https://youtu.be/3mFHBFdkMgY

[partial album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nTqbuVWO4uG7v-_t8GPI0AB0-xRM9OVaM

BandcampのURLも貼っておきます。
https://debauchmood.bandcamp.com/album/s-a-p-t-lp

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