Genocide Organ “Leichenlinie”

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出ました!Genocide Organの不屈の名作、ファースト・アルバム”Leichenlinie”を紹介します。Genocide Organのバイオグラフィーは前回、書きましたので、そちらをご参照下さい。私の持っているのは、再発の再発で、Tesco Organisationの30周年記念としてリリースされたものです。ジャケの「屍体写真」と言い、裏ジャケに記された”Der Tod ist ein geradliniger Prozess (死とは当たり前のプロセスである)”との文言、インナーノーツに含まれている独Wehrmachtでの「戦死者の身分証(?)」のカード、全て完璧です。流石、独逸パワー・エレクトロニクスの代表作です。また、Jason Mantisによるリマスタリングに当たって、A6 “This Is No Lie”とB5 “Amazade Y Negri”の2曲が付け加えられています。それで内容なんですが、「これぞ、正しくパワー・エレクトロニクス」と言うべきもので、ビビ割れた低音電子音に、張り裂けんばかりの叫び声のようなヴォーカル、更には、曲によっては不明瞭なリズムマシンとシーケンサー或いはナレーションのテープ音も使用されており、全ての音が歪んでいます。既に、ファースト・アルバムにて、Genocide Organの音が確立していた感があります。なお、A面には6曲、B面には5曲、収録されていますが、これらの曲は、1987年と1989年に、観客無しで、Strebelwerk /Mannheimでライブ録音(要するに一発録り)されていると言う訳です。それ故、テンションの高さは申し分無いです。私は、1990年代に彼等が初来日した時のライブ・パフォーマンスを観ていますが、4人のメンバーは皆、フェイスマスクを被り、軍服姿で、Korgのシンセやメタル・ジャンクなどを演奏し、Wilhelmがアジテーション・ヴォイスを放射、バックには戦争や犯罪などの映像が流れると言うトータルに「本場のパワ・エレ」を初めて体感しました。やはり、独逸人らしい重く陰鬱な空気に支配された「硬い音楽」ですね。本アルバムも同様の音楽なのですが、個人的に特に気に入っているのは、不明瞭なリズムと悲鳴のような電子音それにメタル・ジャンクの乱打音が入り混じり、雑然としたB1 “Stalins Orgeln”や、全ての要素に力強い音を体現しているB5 “Amazade Y Negri”なんかですね。最後に、この時のメンバーは、D.A.X.ことRickey Kramer, Doc M. Riot, Roland FreislerことWalter Adam von Dewitz, Wilhelm Herich, P. Eckertの5人で、D.A.X.以外の4人が全員ヴォーカルも担当しています。また、D.A.X.とWilhelm Herichの2人が曲を作っているようです。そんな、独パワ・エレ界の帝王Genocide Organの最初のアルバムを体験することは、彼等の音楽やその向こうに見え隠れする政治的態度を読み解く上で、重要だと思われますので、是非、この機会に聴いてみて下さい❗️

B1 “Stalins Orgeln”
https://youtu.be/VnAL2IPWtb0

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_n8E6acd1cPHP77GXUjrJLaM6Mo7hYT19I

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