Interior “s/t”

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今でも覚えているんですが、このInteriorってバンドが出た時に、ある雑誌の音楽評で「良くもこんな恥ずかしいバンド名を付けることができるなぁ。音も推して知るべし」みたいなことが書かれていて、それで、気にはなっていたんですが、その時に購入するのは止めました。それで、何も聴かずして文句を言うのも何だから、購入しようと思って買ったんです。やはり気になったのは、プロデューサーが細野晴臣氏だったこと。そして、ジャケのデザインが如何にも洒落乙で、自分には不釣り合いだなあと言うこと。まあ、それは置いておいて、先ず、Daisuke Hinata / 日向大介 (Synth-Kbd, Piano), Eiki Nonaka / 野中英紀 (Synth-Strings, Vo), Mitsuru Sawamura /沢村満 (Sax, Kbd), Tsukasa Betto / 別当司 (Drs, Perc)の4人です。Berklee音楽大学に留学していたメンバー4人はYMOの”BGM”に触発されて、日向を中心としていたバンドEyesやSnowを、Interiorの前身として組み、その発展解消する形で、Interiorを結成しています。その活動が、細野晴臣氏の目に留まって、サポートを受けて、本作品をYen Recordsからリリースしています。Yen活動期間後、1985年に、沢村と別当が脱退しましたが、New Ageの提唱者William Ackermanに見出され、彼のレーベルWindham Hill Recordsより、再度ミックスし直して、バンド名もInteriorsと複数形にして同名のアルバムを世界的にリリースしています。コンピ”Windham Hill Records Sampler '86”に参加して、収録された”Hot Beach”がグラミー賞のNew Age Producer Artist部門にノミネートされています。1987年に、セカンド・アルバム”Design”をリリースしますが、その後、自然消滅しています。なお、沢村はバンド脱退後も、高橋幸宏や立花ハジメなど様々なアーティストの作品に参加しています。
それで本作品の内容なのですが、一言で言うならば「癒し系」ですね。余計な音を排して、ミニマルで柔らかい電子音から成るインスト曲が主体を占めている作品です。このNew Age Musicなるモノが良く分からないのですが、アンビエントやミニマルとどう違うのか?その辺りの線引きで評価は分かれそうですね。私は、これを聴いて、復活直後のM.B.を思い出しました。確かに、彼の音楽はメロディもリズムも無いのですが、New Ageっぽいと言われて、低評価でした。ただ、そのような音楽とは形態は違うのですが、確かに心を落ち着かせそうな音楽ではあったと思います。逆に言うと、エッジの無い音楽と言っても良いかもしれません。そう言う意味では、このInteriorも何の毒もない音楽です。元々が、YMOの”BGM”に影響を受けたとして、このような音楽に行き着くのは、私にはちょっと理解し難いように思えます。”BGM”は各人の趣味を徹底的に押し出した、ある種実験的なアルバムだったからです。そこら辺に齟齬を感じますねぇ。それはそれとして、グループ名からもサティーの「家具の音楽」を目指したのかなあとも思います。まあ今となっては闇の中ですが。でも偶には、こう言う音楽を掛けっぱなしにしてもいいんじゃないでしょうか?そんなアルバムです。

https://youtu.be/qvCpWBVtYTI

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