QUEEN / THE MIRACLE

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1989年リリース
マジック・ツアーの成功のあと、しばらく休んでいたクィーン。再始動し、発表されたのがこのアルバム。プロデュースは長年組んだマックから、クイーン自身とRECエンジニアを務めていたデヴィッド・リチャーズが担当。ジャケットは裏表ともに気色の悪いデザインです。内容は、前作に引き続きポップで多彩なラインナップになっています。フレディのHIV感染の時期ならびにAIDS発症の時期は公式発表されていませんが、メンバーに告知されたのはこのアルバムの制作時期にかかる1987~88年頃らしいです。

では一曲目。
"パーティ"は久しぶりに出だしで驚かすパターン。そのまま2曲目の"カショーギの船"につながります。昔の乱痴気騒ぎを、やや自嘲しつつも懐かしんでいる感じですね。" ザ・ミラクル"は奇跡は特別なものではなく世界は小さな奇跡に満ちていて僕らはそれらに救われているんだ、という希望のある詩です。決して、フレディのために奇跡を願う歌ではありません。PVはチビッ子クィーンが登場して、今見るとちょっと泣きそうになります。"アイ・ウォント・イット・オール"はヘヴィなロックナンバー。このアルバムはすべての曲の名義が「クィーン」になっていますが(多分お金の関係)、この曲はブライアンの曲でしょうね。"インビジブル・マン"は結構ポップでダンサブルなナンバー、"ブレイクスルー"は同じくポップでこちらは疾走感のあるナンバー。後期のポップなナンバーばロジャーの作曲が多いです。"レイン・マスト・フォール"はカリビアン"っぽい"ナンバー。"スキャンダル"は90年代が少し顔をのぞかせてる曲。彼ら自身「スキャンダル」には苦労してましたもんね。"マイ・ベイビー・ダズ・ミー"はちょっとAORの風味が感じられる曲。"素晴らしきロックン・ロール・ライフ"は間違いなくフレディの曲でしょう。「Was it all worth it ! 」と言い切る歌詞は泣けますな...。
"ハング・オン・イン・ゼア"はアップテンポながら少し"暗さ"を感じる曲。"チャイニーズ・トーチュアー"はブライアンのギターインストナンバー。2曲とも悪くないのですが、"素晴らしきロックン・ロール・ライフ"で閉めたあとに入ってくるとアルバムとしては「蛇足」でしかない。CD再販ものや国内盤の「ボーナス・トラック」はにはつくづく興醒めしてしまうaceなのです。

"The Miracle"
https://www.youtube.com/watch?v=2DaY8-Mui0I

1. パーティ - Party
2. カショーギの船 - Khashoggi's Ship
3. ザ・ミラクル - The Miracle
4. アイ・ウォント・イット・オール - I Want It All
5. インビジブル・マン - The Invisible Man
6. ブレイクスルー - Breakthru
7. レイン・マスト・フォール - Rain Must Fall
8. スキャンダル - Scandal
9. マイ・ベイビー・ダズ・ミー - My Baby Does Me
10. 素晴らしきロックン・ロール・ライフ - Was It All Worth It
<エキストラ・トラックス>
11. ハング・オン・イン・ゼア - Hang On In There
12. チャイニーズ・トーチュアー - Chinese Torture
13. インビジブル・マン(12インチ・ヴァージョン) - The Invisible Man (12" Version)

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