キュプライト仮晶マラカイト/孔雀石になった赤銅鉱

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マラカイトは銅鉱床の侵食により生成される二次鉱物です。
例えば10円硬貨が錆びて緑青が生じるように、銅鉱物が風化されることで形成されます。

和名を孔雀石といい、その名のとおり孔雀の羽を思わせる豊かな緑色と模様が特徴です。
この発色は銅に由来するものであり、かつてはその鮮やかさから岩絵具や顔料といった着色剤に用いられていました。

こちらは赤銅鉱が風化し、やがて結晶全体がマラカイトへと変化した標本です。

マラカイトの結晶系は斜方晶系なので、本来であればこのような八面体に成長することはありません。
しかし元となった赤銅鉱が八面体結晶だったなら話は別です。

例え風化しても結晶の既形は残るためこのような「仮晶」という不思議なマラカイトができあがるのです。

私は自分の集める標本には整った結晶であることを求めています。
なので不定形塊状で産出することが多いマラカイトに関しては、この仮晶が私の嗜好を満たしてくれたのでありました。

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