月光蝶のサニディン
生きた宝石と称されるモルフォ蝶。 その羽の輝き思わせる青いシラーを捉えたものです。 この光沢は微細な多層構造が生み出す「構造色」というもので、まさしくモルフォ蝶の鱗粉と同じ原理で発色しています。 結晶形が蝶型なのがまた絶妙です。 北朝鮮のムーンストーン/玻璃長石 https://muuseo.com/tezzarite/items/133 テッツァライト
北朝鮮の威鏡北道明川郡下零面在徳山で産出した幻想的なサニディンです。
サニディンは和名を「玻璃長石」といい、カリウムの豊富なアルカリ長石グループに属す長石の一種であります。
この標本は朝鮮半島が大日本帝国により統治されていた時代に採掘されたものと聞きます。
昭和10年頃、地質調査のため朝鮮を訪れていた日本人大学教授のもと、学術目的で採取されたというたいへん珍しい一石であります。
恐らく現在の国際情勢では採掘は困難を極めるのではないでしょうか。
表面にはムーンストーンらしい光沢が確認でき、灰色の地に揺らめくブルーシラーが結晶を優美に彩っています。
ハート型の双晶であることも相まり、さながら羽を広げたモルフォ蝶のようであります。