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Cranioclast “Koitlaransk”
今回は、独逸の謎のノイズ・ユニットCranioclastのファースト・アルバムをご紹介します。Cranioclastの初期の作品は、タイトルが、全てアナグラムになっていたり、コンクリから成る廃棄物のフォトコピーから成るブックレットを付いていたりと、何かとそそるアイテムが多かった訳です。その彼等のファースト・アルバムが、この“Koitlaransk”です。これは偶然、輸入盤屋で叩き売られていだのを安く回収した一品です。因みに、本アルバムも(独逸語表記の)Kranioklastのアナグラムになっており、メンバーはSoltan KarikとSankt Klarioのデュオとのことです。彼等のバイオグラフィーは前回書きましたが、殆ど不明でしたので、改めて加筆するべき情報もありません。前回のものをご参照下さい。因みに、このLPですが、初版100部には”Ration-Skala”と言う20分カセット作品が付いており、このカセット作品のリミックス作品”Architecture Cryptique Culture Bunker"が、その後、1989年と1994年に2度に渡って再発されています。また、16頁から成るブックレットも付属しており、独逸語のテキストやJ. G. Ballardの文章からの引用(英語)なとが、先述のフォトコピーに添えられています。Discogsによると、A面10曲B面11曲となっていますが、実際には全体が連続しており、その曲の境は不明です。そして内容ですが、A面は、ドラム缶のようなメタパーの打撃音よるリズムとそれに絡む緻密な電子音やテープ音或いはヴォイスなどから構成されており、簡素なリズムが返って、リチュアルにも聞こえます。それに対して、B面は、リズムは更に不明瞭になっており、その代わり、テープ音や電子音或いは民族楽器の音、時にはリズムマシン(と言っても一定のリズムは刻んでないです)の音などが非常に巧妙に配置されており、よりアブストラクトな印象を受けます。逆回転の使い方も巧妙で、飽きることなく聴かせてくれますね。ちょっと不穏な雰囲気ではありますが、緻密な音響工作となっています。少しだけ、Vanity Recordsのカセット作品を思わせるところもありますね。ただし、曲間の境目は不明瞭で、かなり作り込んだ内容となっています。彼等の一番プリミティブな音響作品は押さえておいた方が良いでしよう。出来れば、限定のカセットも聴きたかったですね。と言う訳で、これは基本の1枚と言ってもよいので、是非とも聴いてみて下さい❗️
https://youtu.be/AVrZQQ1tgjE
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