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Sadie Sads “Box With Little Doll”
前回、ご紹介しましたSadie Sadsの唯一のアルバム”Box With Little Doll”を早速入手しましたので、ご紹介したいと思います。今回、彼等のバイオグラフィーとは大きな違いはありませんので、本作品に関しての情報だけ加筆しておきます。メンバーは、Sad (Vo), Igarashi (G), Kazumi (B), Kan (Drs)に加えて、Takeshi (Stage Visual)がクレジットされており、更に佐藤薫プロデュースとなっております。また、LP1(甲/乙)は両面とも45回転、LP2 C面(丙)も45回転ですが、D面は33 1/3回転となっており、かなり変則的な仕様です。また、ナンバリングはされていますが、限定品ではないようです(因みに、私が購入したのは、289と印字されています)。と言う訳で、早速、各曲を紹介していきましよう。 ◼️LP1: side A(甲)/side B(乙) ★A1 “Day Dream”は、悲鳴のようなGからメタパーの乱打、そして3拍子のリズムにSadの逆回転と正回転を混ぜたようなVoが呪文のように続き、時にサンプリング音も挿入され、エフェクトの掛け方が佐藤薫らしいなぁと思います。 ★A2 “Japana”は、割とストレートでノリの良い音作りですが、ドライブするBと引き攣るGが凄いです。サビでのDrsもロータム使って大迫力!Voのエフェクトも強烈です。 ★B1 “Junk College”では、エフェクトを掛けたミニマルなBを中心に、6/8拍子のドコドコしたDrsと延ばされたG、更には珍しく朗々と歌うVoが印象的ですね。 ★B2 “W.S.D.G.”では、パルス音から始まり、やがてリズム隊がTGの”Discipline”のように演奏し始め、そこにVoが乗ってきますが、コーラスも入ります。時々、演奏の逆回転も挿入。リズムとこう言うエフェクトは佐藤薫のプロデュース力かな?と。 ◼️LP2: side C(丙)/ side D[33 1/3回転] ★C1 “L.H.O.O.Q.も、メタパーも入れていますが、割と直球勝負なポジ・パン・サウンドに仕上がっています。Voは巧みな表現力はありますが、癖が強いです。後、バックのアフリカンな合いの手も高得点です! ★C2 “Glas Bruch”は、メタパーも入れてややアップテンポで走りますが、途中、拍子とリズム、更にはテンポまで変わってしまう所が、この曲のキモですね。 ★D1 “Psi-Tech House U.N.O.”は、変調VoとDrsとメタパーで始まり、Voと共に盛り上がっていく曲です。不明瞭なノイズも聴取できますが、Bの存在感が凄いです。最後は、かなり実験的で荒涼とした曲調になって終わります。 ★D2 “Holding Easy”は、左右にパンされた電子音に合わせて、曲が始まります。テープ音やメタパーも使われており、ダブ的な要素も伺えます。初期のNeubauten的でもありますね。 ★D3 “Ai Thought”は、逆にGとDrsを使った似非民族音楽らしき小曲です。 ★D4 “Box With Little Doll”は、やや複雑な間を持った曲で、これを演奏出来ると言うスキルも凄いです。曲自体はミニマルっぽいですし、編成も通常の楽器ですが、サビ前にブレイクの入れたりして、曲構成も見事です。 今回、2LPsを聴き通してみて、誤解を承知で言えば、所謂「インテリ・ヤクザ」のような立ち位置ではなかったのかなぁと想像します。と言うのも、特にノリが良いとか、カッコ良いリフがあるとかではなく、平気で実験的な領域に踏み込んでしまえる度胸が凄いです。音作りにも、このことは当てはまりますが、今回も一点だけ付け加えるなら、メタパーの音の録り方ですね。また、今回、プロデュースを佐藤薫がやっていることも、そう言った実験的領域への踏み込みに拍車をかけているようです。まぁそれは別としても、様々なアイデアと力量で曲を作り、完奏するSadie Sadsを応援したくなりました❗️もうNeubauten云々は言わせない! https://youtu.be/C-f_RBOiTHA?si=SHzu0SurOHqctHEr #SadieSads #BoxWithLittleDoll #WechselbalgSyndicate #TelegraphRecords #FirstAndLastAlbum #2LPs #45rpm #331/3rpm #PositivePunk #GothRock #Experimental #MetalPercussions #Sad #Igarashi #Kazumi #Kan #Producer #KaoruSato #StageVisual #Takeshi
Positive Punk / Experimental Wechselbalg Syndicate (Telegraph Records) 3840円Dr K2
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Nash The Slash “American Band-ages”
皆さん、覚えていますか?Nash The Slashを!本名James Jeffrey "Jeff" Plewmanで、ステージでは、包帯グルグル巻きで顔を隠し、更に、タキシードを着て、サングラスとシルクハットと言う出たちで、エレクトリック・ヴァイオリンを弾きまくるカナダ人アーティストです。以前にも紹介していますが、今回、中古で別アルバムを入手しましたので、ご紹介します。彼のバイオグラフィーは、以前にも書いていますので、ご参照下さい。 今回、ご紹介するのは、彼の6枚目のアルバム”American Band-ages”です。それまでは、彼は自身のレーベルCut Throat Recordsからアルバムを出していましたが、今回、米国進出も兼ねて、英国のレーベルHeavy Metal Americaからのリリースとなっており、また、以前に彼が在籍していたプログレ・バンドFMのメンバーのヘルプもあって、本作品は制作されています。今回は、Nash The Slash (Lead-Vo, E-Vln, E-Mandolin, Synth, Back-Vo, Harmonica, Effects)の他に、Michael Waite (B [A1-A3, B1-B3], G [B3], Synth [A1, B1, B3], Back-Vo [A1, A2, A5, B4], Vocoder [A2, A4]), Terry O'Brien (G [A3, A5, B4]), Cameron Hawkins (Synth, Back-Vo [A2, A5, B4]), Claude Desjardins (Linn Drums: Drum Machine), Martin Deller (Simmons Drums: Drum Machine [A2, A3, A5, B2, B4]), The Acht-Tones (Choir [A1], Gang Shouts [A2, B2], Owl Shouts [A4])が参加しています。ジャケ写の通り、かなり米国を意識したものとなっており、ほぼ全曲が米国バンドのカバー曲です。また、それまでの彼はGを使わないことでも有名だったのですが、今回は、Gもゲストで使っています。内容としては、両面共5曲ずつ収録されていますが、内3曲は数十秒のトラックになっています。それでは、各曲をご紹介していきます。 ★A1 “(American Bandstand Theme) Bandstand Boogie” (0:39)は、正しく軽めのブギの断片で、B2のイントロみたいなアレンジです。 ★A2 “American Band” (3:34)は、Grand Funk Railroadのカバー曲ですが、B1からいきなりのサビが始まります。原曲に結構忠実に聴こえます。間奏は、E-Violinでしょうか。とにかくカッコ良い! ★A3 “Born To Be Wild” (4:04)は、Steppen Wolfのカバー曲ですね。シンセのパルス音から始まり、時にシンセも導入されていますが、割と原曲に忠実にカバーしながらも、シンセ・ロックにアレンジされており、ゴージャスです。 ★A4 “Who Do You Love? “ (4:08)は、The Wooliesのカバーでしょうか? 分かり辛いアレンジが施されています。ドラムマシンにシーケンス・ベース、シンセによるバックに、抑制的なVoで、Gらしき音は、Mandolin? シンセ? ★A5 “1984 (West Side Version)” (5:35)は、多分David Bowieのカバーと思われますが、いきなりシンセベースのパルス音から始まり、分厚いシンセやG、それにコーラスワークも冴えて、ゴージャスな仕上がりになっています。 ★B1 “Bandstand Boogie Reprise” (0:26)も軽めのブギの断片です。 ★B2 “Hey Joe” (3:34)は、ちょっと分かりにくいですが、The Jimi Hendrix Experienceのカバー曲ですね。直線的なシーケンスと強力なリズムに、Gのリフと力強いVoが乗る曲で、ソロパートはE-Violinも加わり、豪華になっています。 ★B3 “Psychotic Reaction” (5:29)は、鼓動のような音から始まる、遅急の展開が激しい曲で、原曲はCount Five ですが、結構分かり辛いです。GやE-Violinなんかも弾きまくってます。また、ハードロック的Voは勿論、それ以外に左右のスピーカーから語りが聴こえてきます。最後は性急ないビートで終わります。 ★B4 “1984 (Dance Version)” (6:35)も、David Bowieのカバーで、A5よりこちらの方が原曲に近いかな?四つ打ちキックに、シーケンスなんかで装飾し、サビのゴージャスなコーラスと共に、ディレイの掛かったVoが聴こえてきます。ソロはE-Violinかな? ★B5 “Run Through The Jungle” (0:35)は、B4に連続して、ドラムマシンとシーケンスから成る曲で、微音で曲名を繰り返すVoが入っており、非常に気付きにくいです。 以上が本作品の内容になりますが、王道のアメリカン・ロックを、時に忠実に、時に分かりにくくカバーしている内容になっており、多分、米国進出を掛けたNash The Slashの「ご挨拶」と言う所でしようか?しかしながら、彼のアレンジ力の素晴らしさを体験できる、良い作品になっていると思います。なので、ちょっと集めてみようかな?とも思いました。もし、気になる方は何とか海外通販とか中古で入手してみて下さい❗️ クレジット A1 “(American Bandstand Theme) Bandstand Boogie” (0:39) A2 “American Band” (3:34) A3 “Born To Be Wild” (4:04) A4 “Who Do You Love? “ (4:08) A5 “1984 (West Side Version)” (5:35) B1 “Bandstand Boogie Reprise” (0:26) B2 “Hey Joe” (3:34) B3 “Psychotic Reaction” (5:29) B4 “1984 (Dance Version)” (6:35) B5 “Run Through The Jungle” (0:35) https://youtu.be/9FnyjZzu8OA?si=GX7CAAvrJl-XtZV4 カバーの原曲 A2 Grand Funk Railroad “AmericanBand” https://youtu.be/QxNXFNCTr2I?si=FNGHs8NeFaoxOPqF A3 Steppen Wolf “Born To Be Wild” https://youtu.be/egMWlD3fLJ8?si=ED3UZOHEWokrW_S- A4 The Woolies “Who Do You Love?“ https://youtu.be/SfgmaNPJXZo?si=3DXfkx6XSsKQsvSl A5&B4 David Bowie “1984” https://youtu.be/x2xfpMMQIJ8?si=o3SK1Fv917JEFhBR B2 The Jimi Hendrix Experience “Hey Joe” https://youtu.be/rXwMrBb2x1Q?si=7xqMHm6G0S1Bujn3 B3 Count Five “Psychotic Reaction” https://youtu.be/lrsGz6mQuN4?si=q2qntq4-26clpOas #NashTheSlash #AmericanBand-Ages #HeavyMetalAmerica #UKLabel #6ThAlbum #CoverAlbum #AmericanBands #ElectricViolin #ElectricMandolin #Keyboards #Synthesizers #Glockenspiel #BandagedStyle #Canada #NewWave #HardRock #Electro #Multi-Instrumentalist #MichaelWaite #TerryOBrien #CameronHawkins #ClaudeDesjardins #MartinDeller #TheAcht-Tones #GrandFunkRailroad #SteppenWolf #TheWoolies #DavidBowie #TheJimiHendrixExperience #CountFive
Pop / New Wave / Cover曲集 Heavy Metal America £6.54Dr K2
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Humpe Humpe “ Humpe・Humpe”
Humpe Humpe (フンペ・フンペ)。これは、以前に紹介したNeue Deutsche Welle (NDW: German New Wave)の真っ只中にいたバンドNeonbabiesで、VoとKbdを担当していた実の姉妹Annette Humpe (Anita Spinettiと名乗っていた)とその妹Inga Humpe (Inga DiLemmaと名乗っていた)が、その後1980年〜1983年に在籍していたバンドIdealを経て、更にその後1983年〜1985年に在籍していたバンドDeutsch-Österreichisches Feingefühl (因みにこのバンド名はDAFを文字ったもので、2枚のアルバムを出しています)を経て、姉妹だけで1985年に結成したデュオのことです(因みに、IdealのメンバーはTrioとも仲が良く、特にAnnetteは彼等の曲にコーラスでゲスト参加もしたりもしています)。彼女らは、1987年にデュオを解消するまでに2枚のスタジオ・アルバムを制作し、中でもシングルカットされた”Careless Love”は独シングルチャート24位まで上りました。独国内では、Inga & Anete HumpeとかHumpe Humpeとして知られていましたが、英国では、英語でHumpeが隠語を意味することからSwimming with Sharks (彼女らのセカンド・アルバムの表題でもあります)として知られていたそうです。1987年頃には、彼女達は、独国外、特に英国を意識していたこともあり、セカンド・アルバムからシングル"Careless Love"と"No Longer Friends"は、BBC Radio 1で盛んに放送されていましたし、英国の音楽誌も強くプッシュしていましたが、英国チャートには反映されませんでした。デュオを解消してからの2人の動向ですが、姉のAnnetteは、1990年に初のソロアルバム”Solo”をリリースしたものの、1997年〜2002年の間、表舞台から退く形で、作曲やプロダクションなどに携わっていました。その後、2004年に、Adel TawilとIch + Ichと言うデュオを結成し、独では結構成功しています。一方、Ingaの方は、TrioのStephan RemmlerやMark Almond等の他のアーティストのバック・ヴォーカル等を行いながら、1990年には自身のソロアルバム”Planet Oz”をリリース、またBamby名義で、アルバム”Walls of Sugar”もリリース、その後、1994年には、Kylie Minogueの為に”Automatic Love”を作曲したり、また、Andreas DorauがプロデュースしたHumpeのアルバムを聴いたことで、1993年から付き合い出したTommi Eckartとは、2000年にBerlinで2raumwohnung成るエレクトロ・ポップ・デュオを結成し、現在も現役で活動しています。 と言うのが、Humpe姉妹の流れですが、本作品について紹介しましょう。彼女らは、それまでのバンドでも曲は書けましたので、多少の他者との共作はありますが、全曲彼女らの作曲となっています。また、A3, A4, B2, B4, B5は、Conny Plankが、A1, A2, A5, B1, B3 はRoma Baranがプロデュースしています。内容は両面とも5曲ずつ収録されていますが、それぞれの曲で、バック・ミュージシャンを従えて、両姉妹(特にIngaの方)がVoを取る形となっていますが、歌詞が2曲以外全部英語なのはちょっと残念ですね。それでは、各曲について紹介していきます。 ★A1 “3 Of Us” (3:39)は、強力なドラムマシンと生Drsに、ゴージャスなシンセとIngaの舌足らずなVoが乗る曲で、メジャーでも通用しそうな程、キャッチーです。 Inga Humpe (Lead-Vo, Kbd, Vo), Annette Humpe (Vo), Simon Jeffes (Megaphone-Vo), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), David Van Tieghem (Drs), David Collard (Kbd), Ingo Bischoff (Kbd), Jeff Bova (Kbd) Klaus Buhlert (Kbd). ★A2 “Happiness Is Hard To Take” (3:56)は、独特な音色のキックのリズム隊に、Annetteの渋めなVoとサビでの姉妹のコーラスワークが映える曲で、極上のポップスに仕上がっています。MuteのDaniel MillerやDepeche ModeのMartin Goreも参加。 Annette Humpe (Lead-Vo, Kbd, Vo), Inga Humpe (Vo), Alistair McMordie (B), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), Gerd Paseman (G) Peter Viehweger (G, Whistle), Martin Gore (Kbd), Roma Baran (Kbd), Daniel Miller (Synth). ★A3 “Memories” (5:02)も、ゴージャスでキャッチーなシンセ・ポップスで、ちょっとだけ変調したIngaのVoと姉妹のコーラスは素晴らしいです。Drsを中心としたスケール感も大きく、これなら非独語圏でもヒットするのでは?と思ってしまいます。 Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo, Kbd), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (Mandolin). ★A4 “Can't Leave The Pool” (3:43)は、姉妹揃ってのユニゾンVoが優しく響く、やや落ち着いた曲で、また、サビでの息の合った掛け合いは素晴らしいです。 Annette Humpe (Lead-Vo, Kbd), Inga Humpe (Lead-Vo), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (G). ★A5 “Don't Know Where I Belong” (3:36)も、姉妹揃ってのVo(ひょっとするとIngaが声を重ねている?)で語るように歌う、落ち着いた曲で、最後に入ってくるドラムマシンも良い塩梅です。この曲にもMartin Goreが参加していますが、音は分からなかったです。 Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), Simon Jeffes (G), Martin Gore (Toy Kbd). ★B1 “Yama-Ha” (2:45)は、タイトルから分かる通り、あの「ヤマハ」ですが、日本企業の名前を連呼するVoと若干の和風な/琴のようなKbdの音色にちょっとズッコケます。しかし曲自体はキャッチーですね。 Annette Humpe (Lead-Vo, Kbd), Inga Humpe (Lead-Vo), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), Simon Jeffes (G), Peter Vieweger (Hoo Ha). ★B2 “Geschrien Im Schlaf” (3:30)は、NDWっぽい曲調ですが、Ingaの可愛らしいVoは世界に訴えられるのでは?またAnnetteのKbdも凄くて、引き込まれます。この曲は独逸語の歌詞です。 Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo, Kbd), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (G). ★B3 “Yo No Bailo” (2:56)でも、舌足らずなIngaのVoがキッチュで、ホーンやPercとの合わせもトロピカルで、極上のポップスです。この曲の歌詞は英語でも独逸語でもないですね。伊太利語? Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), Peter Vieweger (G, Piano), Phenix Horns (Horns), Sue Hadjopoulos (Perc). ★B4 “Belle Jar” (3:43)では、御大Conny Plank自ら組んだシーケンスに対して、堂々と歌うHumpe姉妹のVoも力強いです。サビなんかは、Eurythmicsにも匹敵する位です。 Annette Humpe (Lead-Vo), Inga Humpe (Lead-Vo), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (G), Conny Plank (Sequence). ★B5 “You Didn't Want Me When You Had Me” (4:18)は、再び落ち着いた雰囲気の曲調で、やや気怠く歌うIngaのVoとHumpe姉妹でのコーラスなんかは本当にメジャー級です。AnnetteのKbdもツボを押さえています。珍しく、Gが弾きまくってますね。 Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo, Kbd), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (G). と言う訳で、それまでNeonbabies〜Ideal〜DÖFとNDWの中で活動してきたHumpe姉妹が、実はメジャー級の作曲能力や歌唱力を持っていたと改めて納得しました。まあ、これには賛否両論あるとは思いますが、ポップ・ミュージックとしては本当に良く出来たアルバムだと思いますよ。個人的には、独語の歌がもっと聴きたかったですね。皆さんも機会があれば、是非聴いてみて下さい❗️(それにしてもB1 “Yama-Ha”の破壊力は凄かったw) B1 “Yama-Ha” https://youtu.be/JAuftdVhiGg?si=PpbDxb4QGdprHOF6 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mtBKKO7xuQlP6BKb7lbdakT69meIlLi9A&si=KmFW_FJPhbStbpfv #HumpeHumpe #Humpe・Humpe #WEA #FirstAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #SynthPop #Electro #Vocals #Synthesizers #Neonbabies #Ideal #DeutschÖsterreichischesFeingefühl #AnnetteHumpe #IngaHumpe
Electro Pop / Synth Rock WEA 不明Dr K2
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Urban Sax (Gilbert Artman) “Fraction Sur Le Temps”
来た来た来ましたよー!仏のGilbert Artman (ジルベール・アルトマン)率いる驚異のサックス・パフォーマンス集団Urban Saxの4枚目のアルバム”Fraction Sur Le Temps”(「時間経過による配分」との意らしい)を紹介します。Urban Saxのバイオグラフィーは以前に書いてありますので、そちらをご参照下さい。今回、参加のメンバーは、Baritone Sax(Gérard Amsellem, Armand Antonioli, Nicolas Carver); Bass Sax(Jean-Pierre Chaty); Alto Sax (Alain Brammer, Bernard Duplay, Charles N'Guyen, Christian Raynaud, Claude Giverne, François Hucliez, Gilbert Simana, Hélène Nougaret, Jean-Marc Gardeux, Jean-Michel Laugier, Marc Thomas, Marino Zappellini, Marlène Aufray, Patricia Guigui, Philippe Dibetta, Philippe Hollande, Sabine Joannot); Tenor Sax (Antoine Duvernet, Antoine Rossi, Bruno Riou-Maillard, Jacques Debray, Miguel Yannover, Moïse Sanchez, Olivier Poriel, Omar Mansouri, Pascal Nicolle, Philippe Dromard, Ruben Alterio, Yvan Feder); Soprano Sax (Fred Wallich, Pascal Quentin, Richard Foy, Sabine Breuillot, Thibaud Saladin); Strings[Quatuor A Cordes] (Pascal Morrow, Sophie Zananini, Thierry Arnould, Yves Moreau); Guitar (Didier Berland, Jacques Boucher, Jean-Pierre Comencas, Thierry Arredondo); Percussions (Mireille Bauer, Olivier Cole, Pierre Marcault, Vincent Lespagnol); Keyboards (Ann Ballester, Peter Varady); Gongs (Henri-Paul Gonzales, Philippe Vidal); Dance (Caroline Marcadé, Dominique Petit, Lila Greene, Mark Tompkins); Choir (Beatriz Sterne De Fonteneu, Catherine Mazauric, Deborah Kagan, Diane Dupuis, Dominique Hamen, Elisabeth Miailhe, Elisabeth Zimine, Galeta Streiter, Joëlle Papineau, Joëlle Saladin, Liliane Vaquero, Marie-Laure De Beausacq, Martine Desoille, Maryvonne Ssosse, Valérie Btesh, Véronique Kone)と言う約60人になります。曲名は特別なものは付いていませんが、作曲及び指揮はGilbert Artmanが行なっています。まあ、人数でも分かる通り、サックス集団で、音の方も正にそんな感じです。まあ、ライブでは、ライブハウスではなく、野外とかで、皆が宇宙服みたいな衣装を纏って、練り歩きながら演奏するスタイルです。1991年に来日した時には、坂田明らが参加しています。 それでは、本作品の内容について紹介していきます。A面4曲/B面2曲となっており、1982年6月と1985年5月にStudio CNACで録音されています(これだけの人を収容できるスタジオなのかな?)。 ★A1 “Part 1” (2:00)では、Saxによる分厚いドローン演奏が多層化していきます。 ★A2 “Part 2” (4:36)では、A1の突然のブレイクから、Saxの輪唱のようなフレーズの反復演奏から始まり、段々とぶ厚くなっていきます。恐らく、Saxの種類によってフレーズを吹き分けているのだと思います。最後、バックにオルガンやフリーなSaxの演奏が短く入って終わります。 ★A3 “Part 3” (5:40)では、ゆったりとしたSaxの唸りと共に、単音による変拍子リズムが繰り返され、フレージングも乗っかる執拗にミニマルな構成になっており、最後にはシンバルの音とSaxドローンで終わります。 ★A4 “Part 4” (7:47)でも、弦楽器とSaxの持続音で始まり、遠くでSaxによる反復フレーズが聴こえ、やがて、弦楽器やコーラスによる反復も混在してきます。全体にミニマルな構成ですが、その内、コーラスと弦楽器に、オルガンも加わって、最後には短い独唱で終わりを告げます。 ★B1 “Part 5” (10:10)は、A4と連続するように、短い女性独唱から始まり、Saxの持続音の上に、木琴のような打楽器やアコギやゴングなどが混在していき、執拗にミニマルかつ変拍子で展開していき、更にはバリトンSaxによる反復フレーズが乗ってきて終わりを告げます。 ★B2 “Part 6” (7:37)も、B1の第二部のように始まり、Saxの単音によるリズムとフレーズが曲の根幹を形成し、その周りには、女性コーラス(笑い声?)や打楽器や弦楽器などが装飾していますが、Saxの音は厚くなり、ソプラノSaxによる新たなメロディも加わって、やがてフェイドアウトして締めます。 通して聴いてみると、この6曲は別々の曲ではなく、全体で1曲で、それが第1章から第6章まで便宜上、分けられているだけだと思います。そのどれもが、ミニマルな構成なので、飽きるかなあ?と思ったりしますが、いやいや、構成力が半端無くて、このSaxの音の海に身を委ねて、心地よい気分になります‼️とにかく、この人数で演奏されると、音の豊かさが凄いです❗️これがジャズなのかミニマル・ミュージックなのか、そんなことはどうでも良くなる位、音に没入してしまいます。なので、そんな体験をしたい方にはマストですよ❗️ A1 “Part 1” (2:00) A2 “Part 2” (4:36) A3 “Part 3” (5:40) A4 “Part 4” (7:47) B1 “Part 5” (10:10) B2 “Part 6” (7:37) [full album] https://youtu.be/f1hQCcPdTaM?si=_4iKu0WaTqUgct1C #UrbanSax #GilbertArtman #FractionSurLeTemps #Celluloid #French #Experimental #Jazz #Minimal #LivePerformance #StudioRecording #BaritoneSax #BassSax #TenorSax #SopranoSax #Strings #QuatuorACordes #Guitar #Percussions #Keyboards #Gongs #Dance #Choir #Composition #Direction
Experimental Jazz Celluloid 不明Dr K2
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Foetus (Scraping Foetus Of The Wheel) “Nail”
Scraping Foetus Of The Wheelと聞いて、ピーンとする人はいるのかな?と言う訳で、FoetusことJames George Thirlwellの4枚目のアルバム”Nail (釘)”を紹介します。正直に言うと、私は余りFoetusには良い印象は持っていなかったので、彼の作品も買ったのは、今のところ、これだけだと思います(しかも、中古)。その理由は良く分からないのですが、何となく立ち回りが上手くで胡散臭い感じがしたからだと勝手に思っています。と言う訳で、Foetusのバイオグラフィーを簡単に紹介したいと思います。Foetusと言うのは、豪州の多才な作曲家/マルチ奏者/実験音楽家/プロデューサーのJ.G. Thirwellのワンマン・バンド、つまりソロユニットのことです。Thirwellが1978に年に英国Londonに居を移した時に、Foetusのコンセプトを思いついたらしいです。彼は、全ての楽器を1人で演奏、録音し、プロダクションを管理し、更にイラストやジャケのデザインまでやって、Foetusを1つのバンドみたいに見せようと考えた訳です。そのネーミングには何か不敬で不正なニュアンスがあると考えて、付けたようです。それで、1981年に、自身のレーベルSelf Immolationからデビューシングル”Spite Your Face / OKFM”をFoetus Under Glass名義でリリースします。その直ぐ後に、You've Got Foetus On Your Breath名義で、デビュー・アルバム”Deaf” (1981年作)とセカンド・アルバム”Ache” (1982年作)をリリースします。そうして、1984年に米国NYCに永住することになり、もっと局地的で国際的には目新しい音楽として、NY地下シーンのアヴァンギャルドやインダストリアル、フランジ、フリーな即興などに関わっていきます。そうして、1984年には3枚目のアルバム”Hole”を、1985年には本作でもあるアルバム”Nail”を、Scraping Foetus Off the Wheel名義でリリースします。これらのアルバムもThirwell1人で作り上げ、プロデュースもしています。その後、1988年に、再び、Foetus Interruptus名義で、アルバム”Thaw”をリリースしますが、これまでのFoetusがついたエイリアスをFoetus Incとして纏め、セルフ・コンピ・アルバム”Sink”を1989年にリリースしています。1980年代はFoetusはThirwellのスタジオ・ソロユニットでしかなかったのですが、時には、Clint Ruinと言うクレジットも使っていました。それで、SwansやProngや<Pig>と言った実験的或いはインダストリアルなグループのサポートで、ライブ活動を始めます。この時は、単にFoetusとだけ名乗っていますが、また、その派生サイド・プロジェクトとして、1988年のライブではFoetus Corruptusとも名乗っています。その流れで、1990年には、拡張版としてFoetus In Excelsis Corruptus Deluxe名義で、CBGBでライブを行い、その時のライブ盤として2枚組CD “Male”をリリースしています。その後、1995年に、ベスト盤的な意味合いで、アルバム”Gash”を作製しますが、これはスタジオ録音としては、初めてThirwell以外のミュージシャン達と作り上げた作品で、かつこのアルバムはメジャー・レーベルと契約した唯一のアルバムとなり、世界中で配給されています。その後、5年位、間が空くのですが、2001年5月に、新スタジオ・アルバム”Flow”をThirsty Ear (米)とNois-O-Lution (独)からリリースしますが、ここでは、Thirwellは再び1人で演奏・録音・作製を行なっており、このアルバムには対になるリミックス・アルバム”Blow”も同時に作製されています。その後のアルバムでは、基本的にはThirwell1人なのですが、3〜4曲は他のミュージシャンとのコラボやゲストを招いて作製されることが多くなっていきます。最新作は2013年の”Soak”となっていますが、現在はどうしているかは不明です。大体の流れはこんな感じです。面白いのは、全てのアルバム・タイトルは4文字の単語から成るところですね。 それでは、本作品”Nail”について紹介していきます。先述の通り、この作品はThirwell1人で作製されています。また、タイトルを含め、至る所に日本語が付記されており、デザインも日本盤の帯を模しているようです。 A1 “Theme From Pigdom Come”は、厳かなオーケストレーションから始まりますが、これ、1人でどうやって録音したのかな?とふと疑問。 A2 “The Throne Of Agony”は、ヤサグレたThirwellのマシンガンのようなヴォーカルで始まる、跳ねるようなリズムの曲で、リズムはマシンドラム?生ドラム?所々にオーケストラのような音が挿入されています。後半でアップテンポに! A3 “!”は僅か3秒の曲(SE?)で、あっと言う間にです。 A4 “Pigswill!”は、Neubautenよろしく、金属の打撃音とドラムから成るバックにThirwellのヴォーカルがまたまたマシンガンのように延々と続きます。後半にはオーケストラ風のバック〜ノリの良いニューウェーブ風バックに延々と彼のヴォーカルが乗っていきます。 A5 “Descent Into The Inferno”は、Thirwellの抑制的なヴォーカルで始まり、雰囲気的には、同郷のNick Cave & The Bad Seedsっぽい曲調です。影響受けているのかな? それにしても曲の展開・構成は複雑で、これを全て1人でやっているのも凄いと思います。 B1 “Enter The Exterminator”は強烈なドラムの音と物が壊れる音のサンプリングに、ウィスパーなThirwellのヴォーカルで始まり、こう言うアレンジって、Neubautenっぽいなと思いますが、やがて分厚いオーケストレーションとノリの良いビートへと変化していきます。 B2 “DI-1-9026”は、B1とループで連続して始まり、性急なビートに、またまたヤサグレたヴォーカルが、弦楽器やプラスのサンプリングの挿入を含みながら、どんどん突進していきます。最後のブレイクはカッコ良いです。 B3 “The Overture From Pigdome Come”も荘厳なオーケストレーションで始まりますが、これは一体どうやって録音したのでしょうか? タイトルからしてA1のアンサー・ソングのインスト曲です。まるで映画音楽みたいです。 B4 “Private War”は、ちょっと長めの金属音のSEから始まり、その内、Thirwellの抑制的なヴォーカルが始まりますが、どうしてもNick Caveを思い出しますね。声質が似てるのかな? B5 “Anything (Viva!)”とB4は切れ目が良く分からないのですが、ビートが明確になってきた頃が境目かと。相変わらず、曲の構成は複雑ですが、Thirwellのヤサグレ・ヴォーカルに導かれて、強烈なビートと仰々しいオーケストレーションへと曲は展開し、劇的なエンディングとなります。 総じて、Thirwellのヴォーカルの好き嫌いもあるかと思いますが、ヴォーカルが曲の殆どの部分に入っており、個人的には、ややクドい感じを受けました。また仰々しいオーケストレーションの導入や複雑な曲の構成・展開も、余り私の好みとは違っており、新鮮な分、ちょっと落ち着かなかったです。それでも、そんな複雑なことを1人でスタジオ・ワークでやってしまえるThirwellは、ある種、本当に音楽の天才なのかも知れませんね❗️まあ、私の感想は置いておいて、スケールのデカい、攻撃的な音楽を聴いてみたいリスナーさんは一度、体験した方が良いと思いますよ❗️判断はその後でも遅くはないですから。 A1 “Theme From Pigdom Come(豚の王国のテーマ)” A2 “The Throne Of Agony(苦悩の王国)” A3 “!” A4 “Pigswill! (ピッグスウィル)” A5 “Descent Into The Inferno(地獄への道)” B1 “Enter The Exterminator(殺りくの門)” B2 “DI-1-9026” B3 “The Overture From Pigdome Come(豚の王国の序曲)” B4 “Private War(私的な戦争)” B5 “Anything (Viva!) (すべて[ばんざい])” B1 “Enter The Extermination” https://youtu.be/B7_wJYvMB60?si=1FoZN8IE9vRiFqu4 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lsucLwgetRCzbyk4CJrobu6g7Qe1VeMk4&si=TsinYMPGU8SDHcVW #Foetus #ScrapingFoetusOfTheWheel #Nail #釘#SelfImmolation #SomeBizarre #4ThAlbum #Australia #UK #USA #NewWave #Industrial #SoloProject #One-ManBand #JamesGeorgeThirwell
Industrial / New Wave Self Immolation / Some Bizarre 不明Dr K2
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Minimal Compact “Raging Souls”
さあさあ、来ましたよー。ベルギーの優良自主制作レーベルCrammed DiscsからリリースされていたイスラエルのバンドMinimal Compactを紹介します。今回は手持ちのサード・アルバム”Raging Souls”です。その前に、先ず、Minimal Compactのバイオグラフィーを書いていきたいと思います。1980年から1987年の間に、欧州のロックシーンで重要な立ち位置にあったのがこのMinimal Compactです。最初、Malka Spigel (B, Vo), Samy Birnbach (Vo, Lyrics), Berry Sakharof (G, Kbd, Vo)は、イスラエルのTel Avivで音楽を始めますが、1981年には、彼等自身の街の雰囲気(多分、殺伐としていたのかも?)から逃れるようにして、蘭Amsterdamに移住します。ただ、この3人の中で、音楽がまともに出来たのはSakharofだけで、Spigelはベースを練習中で、Birnbachは、DJ Morpheusとしてはまだ有名でしたが、作詞に漸く手を出した音楽ファンと言う感じでした。そんな彼等が家で2曲入りのデモテープを作り、ベルギーのCrammed Discsに送ります。Crammed Discにとっても最初に契約したグループの一つとなります。それで、彼等はベルギーの片田舎の小さなスタジオで、7㌅シングルの録音をやっている時に、自分達の可能性に目覚め、セルフ・タイトルのミニ・アルバムを作り上げてしまいます。このミニアルバムは、中近東的なテイストとポスト・ニューウェーブな音楽であり、非アングロ・アメリカン的なスタイルのヴォーカルが特に目立っていました。それは、異なる系統のダンスミュージックと後に熱狂させられるワールド・ミュージックの両方を兼ね備えていました。そして、1982年には、蘭のバンドMecanoのDirk PolakとCrammed DiscsのMarc Hollanderのプロデュースによって、Londonのスタジオで、セカンド・アルバム”One By One”を作製し、リリースします。その時に、Amsterdamの蘭人Mac Franken (Drs)が加わり、漸く、バンドらしくなります。つまり、ライブが出来るようになり、よりツアーを充実させるように活性化します。1984年には、Gilles MartinとTuxedomoonのPeter Principleをプロデューサーに迎え、アルバム”Deadly Weapons”を録音しますが、この作品は最も実験的なアルバムになります。この作品の”Next One Is Real”は、Guerilla labelのDick O’Dellによるリミックスで、クラブヒットとなります。更に、このアルバムからは、5人目のメンバーとして、Rami Fortis (G, Vo)が加わりますが、彼は既にイスラエルのTel Avivでは、最も革新的なポストパンク・ミュージシャンとしてアルバム”Plonter”も出している実力者です。それで、実は、Fortisは最初、Spigelと2人でコラボ・カセット”7 Codes”を宅録し、Amsterdamのインディー・ショップで売っていたそうです。英国では、NMEでの良好なレビューが載ったり、John Peel Sessionに出たりはしたものの、決して成功してはいませんでしたが、彼等は、Palermoから京都までとありとあらゆるところにツアーで回っています。1985年には、本作品であるアルバム”Raging Souls”を元WireのColin Newmanをプロデューサーに迎えて、リリースしています。なお、アートワークはRussel Millsによるものです。その結果、本作品は最もポップなアルバムに仕上がり、ライブでも良く演奏される曲が多いです。この時、Minimal CompactはベルギーBrusselsで活動しており、「国際的インディー・シーンのハブ」としても機能していました(Tuxedomoon, Bel Canto, Colin Newman, Sonoko, Gilles Martin, Benjamin Lewなどを仲を取り持ったらしい)。この後、彼等はLed Zeppelinの”Immigrants Songs “のカバーをイスラエルのUri Batakと共に12㌅EPでリリース。そして、1987年に最後のスタジオ・アルバム”The Figure One Cuts”をCocteau TwinsやDepeche Modeなどを手掛けていたJohn Fryerのプロデュースで作製します。また、Crammed Discsのインスト・アルバム"Made To Measure"シリーズにアルバム”The Lowlands Flight”で参加しています。彼等は米国での成功を望んでいましたが、結局は米国では、ビザの関係などで色々な障害があり、成功はしなかったです。それで、彼等は、1987年に、ライブ・アルバム”Minimal Compact Live”をリリースし、1988年に解散します。この後に再結成もするのですが、今回はここまでにします。 それで、本作品”Raging Souls”の内容ですが、先ず、参加メンバーを紹介します。Samy Birnbach (Vo), Malka Spigel (Vo, B, Kbd), Rami Fortis (Vo, G) Max Franken (Drs), Berry Sakharof (G, Kbd, Cello)がバンドメンバーで、それに加えて、Luc Van Lieshout (Brass, Melodica, Glockenspiel), Colin Newman (G, Kbd), Marc Hollander (Perc)もゲストで参加しています。それで、基本は骨太のビートを持ったダンサブルな音楽なのですが、そこに中近東風メロディのヴォーカルやシンセが乗ると言う音楽が何ともユニークです。特に、Birnbach が書いた曲で、A1 “The Traitor”, A3 “This World”やB3 “Sananat”(この曲はイスラエル語の歌詞?)なんかはその傾向が強いです。タイトル曲であるB1 “Raging Souls”なんかは、後の新生Wireを想起させるような良質なポップ・ミュージックになっていますし、他の曲でも、ダンサブルなベースラインがあり、そこら辺はNewmanのプロデュースの影響かなとも思います。A2 “My Will (Is Stronger Than Me)”も女性コーラスと柔らかいシンセの音が効果的なダンス・ミュージックですね。A4 “When I Go”のしっとりとしたスローなバラードも良いです。最後の曲B4 “Shouts & Kisses”はインスト曲なんですが、コーラスとかはちょっぴり中近東風ですね。また、曲自体もイスラエルの街角の情景を想起させる雑然とした仕上がりになっています。そんなMinimal Compactの魅力の詰まった作品ですので、欧州のロック/ポップ・シーンに興味のある方は聴いてみて下さい❗️ https://youtu.be/KzVbTWKbVDU #MinimalCompact #RagingSouls #CrammedDiscs #PostPunk #PopMusic #Hub #Israel #Amsterdam #Brussels #Middle-EastTaste #Danceable #SamyBirnbach #MalkaSpigel #RamiFortis #MaxFranken #BerrySakharof #ColinNewman
Post Punk Crammed Discs 不明Dr K2
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Danielle Dax “Yummer Yummer Man”
元Lemon Kittensにして、世紀の歌姫でもあるDanielle Daxのファースト・シングル”Yummer Yummer Man”をご紹介します。彼女のバイオグラフィーについては以前に書きましたので、そちらをご参照下さい。マルチ奏者でもあるDaxのソロシングルとしては、この作品はファーストにあたり、7㌅もあるのですが、私な購入していたのは12㌅EPです。実は、この12㌅EPは、以前に紹介したサード・アルバム”Inky Bloaters“からのシングルカットなんですが、タイトル曲の”Yummer Yummer Man”だけは新曲となっており、残り2曲”Bad Miss ‘M’”と”Fizzing Human Bomb”はアルバムに収録されていますので、どちらかと言うと、コレクターズ・アイテムですね。A1 ”Yummer Yummer Man”では、Steve Reeves (Wah-G), David Knight (G, Slide-G, Fuzz Organ), Danielle Dax (Vo, Theremin, Tapes), Martyn Watts (Drs)が、A2 “Bad Miss ‘M’”では、Ian Sturgess (B, Triangles), Steve Reeves (G, Slide-G), Danielle Dax (Vo), Martyn Watts (Drs, Metal, Bins)が、B面 “Fizzing Human Bomb”では、Ian Sturgess (B, Timbales), Steve Reeves (G), Danielle Dax (Vo, Drone-G), David Knight (G, Tape, Piano), Martyn Watts (Drs, Perc)が、それぞれ参加しており、曲はDaxとKnightによるもので、歌詞は勿論、Daxが書いています。それで、内容ですが、A2 “Bad Miss ‘B’”とB面”Fizzing Human Bomb”は既にアルバム”Inky Bloaters”で紹介してありますので、このEPのA1 “Yummer Yummer Man”について紹介します。この曲は、彼女の曲にしては、アップテンポで、メロディーもキャッチーですね。とても、かつてLemon Kittensをやっていたとは思えないですね。この一曲を聴くだけでも価値がある(と思えるのは私だけか?)かな?. あと、個人的にはA2 “Bad Miss ‘B’”のスライド・ギターをフィーチャーした曲もお気に入りです。そんな12㌅EPですが、Danielle Daxの魅力を知りたい方は、是非とも聴いてみてね❗️ A1 “Yummer Yummer Man” https://youtu.be/0G9iHrFuNT0 A2 “Bad Miss ‘B’” https://youtu.be/Axo8b9irOzM B1 “Fizzing Human Bomb” https://youtu.be/CYDH8pfYvk0 #DanielleDax #YummerYummerMan #AwesomeRecords #12inchEP #ExperimentalPop #DavidKnight #SteveReeves #MartynWatts #InkyBroaders #SingleCut
Experimental Pop Awesome Records 不明Dr K2
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Cranioclast “Koitlaransk”
今回は、独逸の謎のノイズ・ユニットCranioclastのファースト・アルバムをご紹介します。Cranioclastの初期の作品は、タイトルが、全てアナグラムになっていたり、コンクリから成る廃棄物のフォトコピーから成るブックレットを付いていたりと、何かとそそるアイテムが多かった訳です。その彼等のファースト・アルバムが、この“Koitlaransk”です。これは偶然、輸入盤屋で叩き売られていだのを安く回収した一品です。因みに、本アルバムも(独逸語表記の)Kranioklastのアナグラムになっており、メンバーはSoltan KarikとSankt Klarioのデュオとのことです。彼等のバイオグラフィーは前回書きましたが、殆ど不明でしたので、改めて加筆するべき情報もありません。前回のものをご参照下さい。因みに、このLPですが、初版100部には”Ration-Skala”と言う20分カセット作品が付いており、このカセット作品のリミックス作品”Architecture Cryptique Culture Bunker"が、その後、1989年と1994年に2度に渡って再発されています。また、16頁から成るブックレットも付属しており、独逸語のテキストやJ. G. Ballardの文章からの引用(英語)なとが、先述のフォトコピーに添えられています。Discogsによると、A面10曲B面11曲となっていますが、実際には全体が連続しており、その曲の境は不明です。そして内容ですが、A面は、ドラム缶のようなメタパーの打撃音よるリズムとそれに絡む緻密な電子音やテープ音或いはヴォイスなどから構成されており、簡素なリズムが返って、リチュアルにも聞こえます。それに対して、B面は、リズムは更に不明瞭になっており、その代わり、テープ音や電子音或いは民族楽器の音、時にはリズムマシン(と言っても一定のリズムは刻んでないです)の音などが非常に巧妙に配置されており、よりアブストラクトな印象を受けます。逆回転の使い方も巧妙で、飽きることなく聴かせてくれますね。ちょっと不穏な雰囲気ではありますが、緻密な音響工作となっています。少しだけ、Vanity Recordsのカセット作品を思わせるところもありますね。ただし、曲間の境目は不明瞭で、かなり作り込んだ内容となっています。彼等の一番プリミティブな音響作品は押さえておいた方が良いでしよう。出来れば、限定のカセットも聴きたかったですね。と言う訳で、これは基本の1枚と言ってもよいので、是非とも聴いてみて下さい❗️ https://youtu.be/AVrZQQ1tgjE #Cranioclast #Koitlaransk #PrincipeLogique #Experimental #Noise #FirstAlbum #Kranioklast #Anagram #Primitive #Ritual #SoltanKarik #SanktKlario
Experimental Noise Principe Logique 不明Dr K2
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Martin Rev “Clouds Of Glory”
ご存知、ロカビリーの極北バンドSuicideの片割れにして楽器担当Martin Revのソロアルバム2作目の登場です。本名Martin Reverby、1947年12月18日生まれの米国人です。1966年から活動して、現在75歳で、今だに現役です。彼は元々はキーボード奏者であり、特に、Suicideでは、リズムボックス、オルガン、シーケンス、シンセを担当していました。それで、以前にAlan Vegaのところで書きましたように、Suicideを一度解散後、Revの方もソロアルバムを多数出しています。彼のソロアルバムは多彩で、No Waveっぽい作品は勿論のこと、その他にも、アルバム”Strangeworld”ではバブルガム・ポップな作品を、また、アルバム”To Live”ではシンセ・ロックな作品も出しています。 そんなMartin Revのソロとしてのセカンド・アルバム”Cloud Of Glory”を紹介します。基本的には、インストで、うち半分は、Suicideのバックと言っても良いような、少しロカビリー調のフレーズ/ベースラインも出てきますが、残りはもっと実験的なフレージングで、少しインダストリアル・ダブのような感じに仕上げています。そして、上物には縦横無尽な電子音が飛び交っており、その傾向はB面の方が顕著ですね。それから、通して聴いてみて思ったのですが、Revの曲って、リズムの作り方が独特で、知らないで聴いても、多分Martin Revだと分かるでしよう(ただ、このアルバムだからかもしれませんが)。そこら辺が”Martin Rev”の”Martin Rev”と言われる所以でしょう。なので、Suicideファンの方は是非と聴いて下さい❗️ https://youtu.be/6O5sdXCv5T4 #MartinRev #CloudsOfGlory #NewRoseRecords #SecondAlbum #SoloAlbum #Suicide #Instrumental #Electronic #Experimental #Pop #Rockabily
Experimental Pop / Electronic New Rose Records 不明Dr K2
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The Velvet Underground “VU (A Collection Of Previously Unreleased Recordings)”
またまた出てきました、The Velvet Undergroundの未発表曲集、通称”VU”です。時期的には2枚目の前辺りで、音楽性の違いから、John CaleがVelvetsを去ることになります。John Caleの最後のライブは1968年9月のライブハウスBoston Tea Partyで、Cale は脱退し、代わりに、BostonのGrass Menagerieに在籍していたDoug Yuleが加入します。YuleはBoston大学で映像担当者として働いていましたが、何回かVelvetsのライブを観ています。Boston Tea Partyでの演奏後、バンドのメンバーが、Yuleのマンションにやってきた時に、ロード・マネージャーとして駆り出されることになりましたが、その時に、Sterling Morrisonは、Yuleのギターの即興演奏を聴いており、それをLou Reedに「Yuleは有能なギタリストだ」と伝えてます。そのこともあって、バンドのマネージャーにYuleに電話を掛けてもらい、1968年10月にNYCのMaxis Kansas Cityで、Yuleと会うことに約束します。その席で、Yuleにはベースとオルガンを、更にはそのうちヴォーカルもやってもらうことは可能か?と尋ねて、承諾してもらっています。そんなこともあって、1968年後半かVelvetsはサード・アルバムの作製にスムースに入ります。その時に、Yuleはベーシストとして加入しています。このアルバムでは、Morrisonの共鳴するギターとYuleのメロディアスなベースに加えて、美しいヴォーカルのハーモニーが特徴的です。Yuleはリード Voは緊張のあまり上手く歌えなかったのですが、”Candy Says”では、彼もリードVoをやっています。それで3枚目のアルバム”The Velvet Underground (通称 III)をリリースしています。その後、1970年に、4枚目のアルバム”Loaded”もリリースしています。それで、サードアルパム辺りの製作にあたって、何年にも及んで録音されてきた曲もあったので、1985年に、本作品でもあるセルフ・コンピ・アルバムを作ってリリースしています。丁度、呟くようにソフトな3枚目のアルバムの曲とポップ・ロックのような4枚目のアルバムの曲の中間と言うか移行期の未発表曲をコンパイルした作品です。今回の紹介はここまでとしておきます。それで内容ですが、先述の通り、Caleも関わった作品は12曲中2曲だけだったり、殆どが恐らくLou Reedが書いてものでは?と思ってしまう程、やや甘めのポップソングが多いですね。B5 “I’m Sticking With You”に至っては、MaureenがリードVoを取っている曲もあります。なので、全体としては聴き易い感じがしますが、その反面、ちょっとしたギミック或いは不協和音などは影をひそめており、ポップ・ロックな曲が多いので、中々、曲と曲名が一致しなかったようにも感じます。セカンドとかで聴くことできたスパイスのようなアレンジはやはりCaleの役割が大きかったんだなあと感心すること然り。なので、見方を変えれば、このアルバムはやや陰影のある極上のポップ・ロックなアルバムであるとも言えますね.このアルバムの真価は各人によって為されるものとも言えましょう。皆さんも一度は聴いてみて、各自でご判断下さい。 “One of These Days” https://youtu.be/IH9FINQWXO8 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLxQpHEbxKcsic66eIYUVHFQfKhORxMBsO #TheVelvetUnderground #VU #ACollectionOfPreviouslyUnreleasedRecirdings #VerveRecords #polygramRecords #ArtRock #GarageRock #PopRock #LouReed #SterlingMorrison #MaureenTucker #DougYule #JohnCale
Garage Rock / Art Rock Verve Records (Polygram Records) 不明Dr K2
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Live Skull “Bringing Home The Bait”
私が知らなかっただけなのか? アメリカのNo WaveとJunk Rockとの間のミッシング・リンク的位置にあるバンドがLive Skullで、彼等のファースト・アルバム“Bringing Home The Bait”の登場です❗️メンバーは、Marnie Greenholz (B, Vo), James Lo (Drs), Mark C. (G, Vo), Tom Paine (G, Vo)の4人組で、1980年代には、Sonic YouthやThe SwansやLydia Lunchと共にNYCの4大post-No Wave バンドとかNoise Rock バンドとかと言われてきました。そこで、彼等のバイオグラフィーについて書いておきます。元々は、SFで、Mark C.とTom PaineはCropと言うバンドを、Nahem兄弟(この兄弟は後にRitual Tensionをやり始めます)とやっており、1980年にNYCへと移ってきて、そこで、Julie Hair (Vo)とDan Braun (Drs; Spinal Root Gang或いはCircus Mortに在籍していた)とで、Live Skullを結成しますが、直ぐにJames Lo (Drs)とMarnie Greenholz (B)と交代します。Voは、MarkとMarnieとTomがシャアすることになり、よく知られているライナップになります。それで、1984年に、彼等はセルフタイトルの12㌅EPをMassive Recordsからリリースし、翌年1985年に大手インディーレーベルのHomestead Recordsと契約し、1985年に、本作品でもあるデビューアルバム”Bringing Home The Bait”をリリースします。更に1986年にはややとっつき易いトラックも含めたセカンド・アルバム”Cloud One”を、同年末にはCBGBでのライブを収めたライブアルバム”Don't Get Any on You”を、更に12㌅EP”The Pusherman”もリリースしています。それで、1987年に、BostonのバンドにいたThalia Zedekが、リードシンガー(Vo)として加入し、ほぼほぼ全ての曲でVoを担当します。その時に、James Loが、元RuinのRichard Hutchins (Drs)が交代しています。このラインナップとしては初のアルバム”Dusted”をリリースしています。次に、彼等は、1998年に、より大手のレーべるCaroline Recordsと契約し、6曲入り12㌅EP “Snuffer”をリリース。そしてMarnieが脱退し、代わりに、元Rat At RatでGlenn Brancaの従兄弟のSonda Andersson (B)が加入します。このメンツで、1989年に、アルバム”Positraction”をリリースし、より親しみやすい曲を録音していますが、商業的成功が無かったと言う理由で、1990年にバンドは解散しています。ザックリとLive Skullの流れとしてはこのようになります。 それで、本作品でもあるファースト・アルバムの内容について紹介していきます。確かにパッと聴いた印象はSonic Youthっぽい感じがあり、同系列のNoise Rockとして括られるのは分かりますが、Sonic Youthよりも聴き易いですね。その類似性って、多分、両方とも男女がヴォーカルを取る点とヴォーカル・スタイルが似てい点、2本のギタリストの存在とそのリフが似ている点などなんだと思うのですが、やはり、カリスマ性や変則チューニングの使用などの点で、Sonic Youthが頭一つ出ているのでは?と思います。しかしながら、それが悪い訳ではなく、Live Skullの聴き易さとかにも反映しているとは思いますので、リスナーによってはこちらの方が好きと言う方もいると思います。なので、今からでも遅くないので、Live Skullを聴いてみて下さいな。 https://youtu.be/zum5vrdPaAs #LiveSkull #BringingHomeTheBait #HomestaedRecords #NoiseRock #Post-NoWave #JunkRock #MarkC. #MarnieGreenholz #JamesLo #TomPaine #SonicYouth
No Wave / Junk Rock Homestead Records ヤクオフDr K2
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あぶらだこ “あぶらだこ (木盤)”
まあ、私があぶらだこのようなバンドを聴くことは意外に思われるかもしれませんが、それなりに興味があったので、試しに買ってみたんです。その時はあんまりピーンときませんでしたが、もう一度、聴き直してみようと思い、再度、聴き直している訳です。その前に、あぶらだこのバイオグラフィーを簡単に紹介しておきます。この時のメンバーは、長谷川裕倫 (Vo, Piano), 和泉明夫 (G), 小町裕 (B), 吉田達也 (Drs; ヘルプ)の4人です。1981年頃に、長谷川氏 (G)と和泉 (Vo)が所属してたバンド「変態クラブ」がその前身で、最初期の頃は、ハードコア・パンク・バンドの代表と見なされていましたが、自主制作レーベルADKからのアルバムはパンク的であるものの、既に微妙なユーモアや構築性は感じられています。この時に1985年にドラムの丸井義則(通称マル)が脱退。メジャー移籍後のファースト・アルバムが、本作品である「あぶらだこ(通称「木盤」」です。ここでは、日本屈指の変拍子ドラマー吉田達也がヘルプで参加しています。その後、1986年に正式なドラムとして伊藤健一が加入、その後、1998年に、ギターが和泉に代わって大國正人に加入して、現在に至ります。彼等はミュージシャンでもあり、その前に会社員(一般職)としても働いているので、バンドの収入には生活を左右されなく、故に、このような難解な音楽をマイペースで続けられるのだ言われています。また、アルバムは全て「あぶらだこ」なので、区別する為に、ジャケ写から「青盤」とか「釣り盤」と呼ばれています。また、歌詞が難解だと言う意見は常に付き纏っており、メジャー移籍後のセカンド・アルバムでは、レコード会社側が「音楽が難解過ぎて出せない」と言われて、そのアルバムは自主制作盤としてリリースされています。因みに現在のメンバーは、長谷川裕倫 (Vo: 通称ヒロトモ)、大國正人 (G)、小町裕 (B: 通称ヒロシ)、伊藤健一 (Drs)になっていますが、長谷川氏と大國氏はKito-Mizukumi Rouber としても活動しています。 そんなあぶらだこですが、今回は、メジャー移籍のファースト・アルバム「あぶらだこ(通称『木盤』)を紹介します。メンバーは先述の吉田達也氏がヘルプで参加したメンツです。A1「Farce」は、 いきなり、ドンドコした土着的リズムで始まり、変拍子や唐突なリズム・チェンジ、転調はたまた、パンクロックの突進性などをまぶした、他のどのバンドとも似ていない独自のサウンドになっています。長谷川氏の歌詞は難解と呼ばれますが、個人的には、P-Modelの”Perspective”の歌詞に匹敵すると思います。ただ、長谷川氏の歌詞は、その字余り具合が、変拍子が適しているのだと思います。とすると、あの歌詞があって、初めてあぶらだこの演奏が成り立つようにも思えます。あと、長谷川氏のヴォーカルは変な声なんですが、これに関しては好き嫌いが分かれそうですが、これもわざとそう言うそう言う発声法をやっているのだろうか? あと、この楽曲を成り立たせる上で、小町氏のペースが肝かも知れない。確かにギターやドラムの反則的演奏も凄いのだが、それを支えているのは、やはりペースなのではないだろうか?ちょっと上手く言えないのだが、ドラムとギターを繋いでる車軸のような音で、ペース本来の役目を果たしているとでも言うのだろうか?他のアルバムを購入した、もう少し考察してみたい。A面最後の曲での長谷川氏のピアノは効果的ですね。そんな変わった「あぶらだこ」ですが、今は活動休止中みたいなので、この機会に、是非聴いてみてはどうでしょうか? 因みにB5”翌日”は名曲❗️ https://youtu.be/y4nNZ_1yQcU #あぶらだこ #あぶらだこ木盤 #JapanRecords #ProgressiveHardCore #変拍子 #難解音楽 #長谷川裕倫 #和泉明夫 #小町裕 #吉田達也
Progressive Hard-Core Japan Records 不明Dr K2
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Peter Frohmader “The Forgotten Enemy”
これまた謎謎物件。ジャケ写は、H.R.Gigerによるもの。それで、本作品はPeter Frohmader氏の音楽作品なのですが、調べてみると、独逸の美術家/音楽家でして、展覧会、映像、マルチメディア・イベントで、先のH.R. GigerやChris Karrerなど色々なアーティストとの多面的コラボをやっています。このような経歴ですが、多数の音源を自身のレーベルNekropolisなどから、リリースをしています。また、同名のスタジオやNekropolis名義でも作品をリリースしています。もう少し、彼のバイオグラフィーを紹介してみます。Peter Frohmaderはミュンヘン生まれて、12歳の時にから、Tangerine DreamやAsh Ra Tempelなどの電子音楽を聴き始めだそうです。そんな彼はすぐにバンド活動を始め、アヴァン・ギャルド・バンドAlpha CentauriやTangerine Dream 風のElectronic Delusion及び電子音楽にジャズロックをぶち込んだバンドKannanを始めます。1979年にロックバンドCIAを結成し、Nekropolisとして音楽活動やその他の実験的活動を始めます。彼の音楽は、時にインダストリアルなものや買える楽器だったりもするのですが、The Sisters of mercyやThrobbing Gristleのように、ハンドメイドな楽器も使っています。彼の音楽は、地元独逸よりも日本、米国、英国で評価されています(私はよく知りませんでしたが)。その音楽性は悪夢的なものだったり ファンタスティックなものだったりしてようです。しかしながら、彼は2022年5月2日に、63歳と言う若さで心不全で他界しています。 そんなPeter Frohmaderの1985年作のミニアルバムがこの”The Forgotten Enemy”です。今回のメンバーはRudi Haunreiter (Drs, PPG Wave 2), Peter Frohmader (Electronics, B, Stick, Drum-Machine), Werner Aldinger (Trombone), Stephan Manus (Vln)の4人です。正直、Peter Frohmaderのフレットレス・ベースとスティックの演奏テクはビックリする程上手い❗️A面の2曲はファンク調の力強いサウンドを展開するインスト曲で、B面2ではアンビエントの要素も垣間見られるようなゆったりしたインスト曲からなります。両面とも、Wernerの伸びやかなTromboneが良い隠し味になっています。形容するのが、難しい音楽ですか、「インダストリアル・ジャズロック」と言えばいいでしょうか? アイデアだけでなく、それを具現化するテクもあった点が、それまでのインダストリアル・ミュージックとは大きく違う点ですね。私も、ちょっと彼の音源を掘ってみようと思いました。皆さんはどうですか? この作品はYouTubeにもBandcampにも無かったので関連動画を貼っておきます。 https://youtu.be/19aQAypPl9Q #PeterFrohmader #TheForgottenEnemy #HaschPlatten #Industrial #JazzRock #Progressive #RudiHaunreiter #WernerAldinger #StephanManus #Bass #Stick #Electronics #Drums #Trombone #Violin
Industrial Jazz-Rock Hasch Platten 不明Dr K2
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V.A. “Der Biß (Soundtrack Zum Film)”
このアルバムも全然記憶にありません。独逸モノと言うことだけで購入したものと思います。しかし、このアルバムは”Der Biß”と言う映画のサントラ集だったみたいです。どんな映画かはちょっと不明ですが、監督はClaude Chabrolで、1970年8月に公開された作品で、Stéphane Audran, Jean-Pierre CasselとMichel Bouquet.が主演と言うことでしょうか?シリーズもので、ちょっぴりスリラー的要素があるみたいです。その内容ですが、ん〜、どうも精神的にいかれた母親が息子に暴力を働き、怪我をさせてしまう。そこで父親が親権を守ろうとして、息子を地方病院に入院させ、母親をロッジに移します。それで母親が親権を奪い返そうとして、怪我をさせられた使用人の青年が、恋人と一緒になって、母親に罰を与えるみたいなプロット(ホントかな?)です。この映画は、元々、フランス語で制作されており、仏、伊、ベルギーが舞台になっています。なお、原作はCharlotte Armstrongです。興味のある方は原著を読んでみてください。 それで本サントラですが、A1とB6 ベルリンのバンドUnlimited Systemsで、メンバーはMarianne Enzensberger (Vo), Ian Wright (別名J.C. Wright; Electronics, Tapes), Ulrike Reetz (別名Ulli Reetz (Sax), Lena Japan (G)の4人組です。メンツから分かるようにベースはシーケンサーでその上にムーディーなsaxとMarianneのややドライなVoが乗るポップな曲ですね。B6はドライブ感がありますね。A2とB1 ベルリン生まれのMarianne Rosenbergは独逸の歌手ですが、バックの演奏はウニャウニャしたシンセから始まり、やがて気怠いコード進行の曲になり、朗々と歌っています。出自は如何にもNDWっぽい曲です。B1の方はVoがKate Bushっぽいです。A3 Die Gesundenで、Mabel AschennellerとEschi Rehmのデュオで、元々はドラマーがいたみたいです。所謂、A~Haみたいな音で、ドラムマシンとシーケンサーをバックにどうも2人が交互に歌っているようです。A4 NYCのシンガーソングライターのDavid Peelで、スカムなパンクサウンドを聴かせてくれます。憎み切れないC級のパンクサウンドです。B2 Tecnovilleは、André Bach, Berna van Baarsen, Herman Lohmeijer, Herman Voogd, Mark Tegefossの5人組ですが、詳細は不明。抑制されたようなVoで、細かく刻むドラムがポストパンクっぽいです。勿論生ドラム入りです。B3 Gerd Pasemannは、Aroma Plusなどのバンドにもいたアーティストで、あのMax Goldtともバンドメイトでした。重いキックにシンセとギターか被るスタイルですが、最後に男性の呟きが続いてきます。 と言う訳で、そんなに有名なバンドが揃ってはいませんが、独逸の地下映画とそのサントラの文化には触れられると思いますよ。皆さんも聴いてみて下さい。 Unlimited Systems “Ich Beiß Mich Selbst” https://youtu.be/KVBV6gMkQWI Marianne Rosenberg “Nägel Aus Eis” & “Rhapsodie In Blut” https://youtu.be/laKPQfuAy1Y Die Gesunden “Kalte Liebe” https://youtu.be/4sfTzd34Xog #VariousArtists #DerBiß(SoundtrackZumFilm) #Schnick-Schnack-Tonträger #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #UnlimitedSystems #MarianneRosenberg #DieGesunden #DavidPeel #Tecnoville #GerdPasemann #SoundTrack #FrenchMovie
Neue Deutche Welle (German New Wave) Schnick-Schnack-Tonträger 不明。Dr K2
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The Birthday Party “Its Still Living”
The birthday Partyのライブ盤ですよー❗️ The Birthday Partyのバイオグラフィーについては、前回、書きましたので、そちらを参考にして下さい。The Birthday Partyとしては4枚目のアルバムで、1982年1月にAstro Theatreで行われたライブを録音した盤です。メンバーはNick Cave (Vo), Mick Harvey (G), Tracy Pew (B), Phill Calvert (Drs), Rowland S. Howard (G)の5人です。しかしながら、The Birthday Partyの音楽とは何だろう。どう言えばいいか?未だに、彼等を表す言葉が追いついていけないです。ドラムとベースは一定のパターンを示しますが、ギター、特にRowlandのギターはNickの挑発的Voに呼応するかのようにバリバリ弾きまくっているようです。また、NickのVoも一定のパターンを取らず、感情の赴くまま(は、ちょっと言い過ぎか?)に撒き散らされる。ライブだからこそ、そのヒリヒリとした緊張感が盤から伝わってきます。色んな音楽の断片をミキサーでぐちゃぐちゃにしたかのような音楽。これはロックと言えるのか?そんな疑問を投げかけてくるライブ盤です。だから、いつまでも最高なんです、The Birthday Partyは❗️テンション高めで、かつカテゴライズできない音楽なので、聴くときは心して聴いてください。 “Dead Joe” live track https://youtu.be/HR5ZnYl9Fmg [full album] httpshttps://youtube.com/playlist?list=PLHP7bAjOIkpAqgaMLfcvccRuUxdD-k5tq://youtube.com/playlist?list=PLHP7bAjOIkpAqgaMLfcvccRuUxdD-k5tq #TheBirthdayParty #ItsStillLiving #MissingLink #LiveAlbum #Rock #NickCave #RowlandS.Howard #MickHarvey #TracyPew #PhillCalvert
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