Organum “Sphyx”

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実はCherry Red Recordsのコンピにも参加していた英国のアーティストDavid Jackmanのドローン・ノイズ・プロジェクトが、このOrganumです。一時期、The New Blockadersとの共作で話題になりましたが、今でもDavid Jackman氏は活動を続けています(近作ではOrganum Electronics名義になっていますが)。まず、David Jackman氏の経歴から。彼の最初の音楽経歴は1969-1973年にCornelius Cardew氏のScratch Orchestraへの参加から始まります。ここで得た思考や方法論から、彼はMonoplaneや本人名義でカセット作品を出していました。1983年に彼は初めてOrganumを名乗って活動すると同時に、自身のレーベルAeroplaneや欧州のレーベルから7㌅やEPなどをリリースしていきます。当時の米国ジンNDのインタビューでは、「長い2枚組みのレコードとか70分もあるCDは興味がない」と言っています。その後、様々なアーティストと共作を作製しますが、基本的には、「彼」と「その他」としてOrganum名義となっています。それで、本作ですが、Organum名義としては8枚目のアルバムになるのでしようか? 今回のメンバーはJackman氏の他にChristoph HeemannとDinah Jane Rowe, Eddie Prevost及びJim O’Rourkeです。共演者の皆さん、それぞれに弦楽器などや尺八(?)から持続音を紡ぎ出しており、その中にEddie Prevost氏の自由なドラミングが良いスパイスになって、音全体の構成に変化をつけ、極上のアコースティック・ドローン・ミュージックに仕上がっています。決して安易に作られたものではないことが明確に分かります。いつまでも聴いていたくなる音像で、中世画から抜粋されたような、彼のアートワークと共に、独自の渋い世界をつくっています。リリースはEddie PrevostのレーベルMatchless Recordingsからですが、2002年に米国Robot RecordsからCD再発をされています。皆さんも、まるで涅槃のようなドローンの迷宮を散策してみてはどうでしようか?

A “Aurora” (16:34)
B1 “Sphyx” (7:32)
B2 “Mutla” (11:50)

https://youtu.be/n0M2rTX_mdY?si=JPm3ENtPnQt_1VFv

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