The Cosmic Jokers & Sternenmädchen “Planeten Sit-In”

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今回、ちょっと毛色の違うジャーマン・ロックに手を出してみました。邪道かもしれませんが、The Cosmic Jokersのアルバムで、コラボレーターとしてSternenmädchenとの共作アルバム”Planeten Sit-In”を紹介しようと思います。先ず最初にThe Cosmic Jokersについてですが、確かにメンバーを見ると、独逸ロックのスーパーグループなのですが、これは所謂「バンド」ではないです。と言うのも、ライター兼プロデューサーのRolf-Ulrich Kaiserと彼のパートナーGille Lettmanが、1973年初頭にプロデューサーDieter Dierksのスタジオで開催されていたアシッド・パーティーでのジャムセッションを、アーティストの知らない内に纏めたものをThe Cosmic Jokersのアルバムとしてリリースしていたからです。どうも、このジャムセッションに参加すると、交換にブツが貰えたそうです。お陰でと言うか、何と言うか、このThe Cosmic Jokersのイメージから、独逸のスペース・ロックの元祖と言われています。参加者は、Ash Ra TempelのManuel GöttschingとKlaus Schulze、WallensteinのJürgen DollaseとHarald Grosskopfに加えて、Dieter Dierksで、彼等は参加する前に全員、KaiserのレーベルCosmic Couriersに関わっていました。まあそんな訳で、Kaiserはセッションのテープから適当に抜き出して、Dierksとミックス・ダウンを行い、更に、本人に無断で、参加者の写真も使って、1974年に5枚ものアルバムをKaiserのレーベルKosmische Musikから出しています。しかも、これらのアルバムには、KaiserのパートナーであるGille Lettmanの語りをセッションの音源の上に被せており、まあ公私混同も甚だしかった訳です。Göttschingは、ベルリンのレコード店で、このアルバムを見て、何が録音されているか分からず、店員に尋ねて、初めて知ったとか、またSchulzeは、Lettmanの朗読を勝手に乗せられたことにも腹を立てて、Kaiserを法的に訴えており、Kaiserは、1975年に国外逃亡しています。それで、このThe Cosmic Jokersは消滅した訳です。因みに、今回のアルバムでSternenmädchen (The Star Maidenの意)とクレジットがありますが、 これはGille Lettmanのことらしいです。
それで、本作の内容ですが、シンセ多めの曲(?)が凄く短い時間(1〜2分?)で収められており、B6 “ Der Planet Des Sternenmädchens”だけが8分代と言う構成です。なので、正直、焦点が絞られていない感じは否めないですね。これも、The Cosmic Jokersの成り立ちを考えると仕方ないのかな?と。しかしながら、B面は割と曲っぽい部分が明確で、特にドラムとシンセの絡みが興味深いです。多分、レコードの溝を見てみると、A面には明らかな曲を区別する溝が全くなく、全体で1曲みたいな編集なのだろうと思いました。確かにスペース・ロックの元祖と言っても良いかも知れませんが、いかんせん、各曲に集中できる曲が無く、散漫な印象は感じざるを得ません。これだけのメンツなら、もっと凄いことが出来たと思いますので、その分、残念ですね。でもそんなグダグダのジャムセッションから出来たスペース・ロックを一度は体験してみるのも良いかもですね。

https://youtu.be/TUh_kC28e0g

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