TASS 2 “Unterhaltung”

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TASS 2とは? まあ、独逸の再発専門レーベルVinyl On Demandがリイシューしていますので、独逸のバンドなんでしよう。と言う訳で、ちょっと調べてみました。先ず、本作品の元になったカセット・アルバムは、NDW (Neue Deutsche Welle)界では伝説のカセットレーベルDas Cassettencombinatを運営していたThomas Schmittともう1人Thomas Scholzのデュオが、1983年にリリースした作品です。因みに、TASS IIが正式な表記らしいです。TASS 2はThomas Schmitt (Organ, Synth, Flute, Harmonica, Rhythm Machine, Vo)とThomas Scholz (Organ, Synth, Rhythm Machine, Vo, Bass-Seqencer)から成る実験的ポップミュージックを指向したデュオということになります。一部の曲はライブ音源ですが、基本的にはスタジオ録音(宅録?)です。A1 “Zeit”は駆動する機関車のようなリズムにダブ処理したメタパーや電子音が絡む、如何にも宅録インダストリアルな佳作。A2 “Schrankward”は、ミニマルなマシンリズムにアジるようなエフェクトVo(多分、ディレイが主)が絡む実験的な佳作。A3 “Muzac”は、シンセパルスから成る通奏低音にTVなどのテープ音を振りかけたThrobbing Gristle っぽいダウナーな実験的な曲。A4 のタイトル曲 ”Unterhaltung” は本作の中で複雑な絡みを見せるシーケンスと打ち込みから成る陰鬱な曲なんですが、基本シーケンス自体はミニマルです。A5 “Cr13c”は不明瞭なシンセの多重奏にテープ音を混ぜたドローンめいた曲。A6 “Stahlgeburt”はライブ音源で、Esplendor Geometrico (EG)の様な強力なリズムマシンにダブ的シンセが鳴り響き、アジるようなVoも聴取出来る名曲。B1 “Tanz Debil”はEinstrutzende Neubauten のカバー?(ではない!)同名異曲で、落ち着いた雰囲気。 B2 “Bartsch”は、ドコドコのリズムに突き刺すようなシンセが効果的。B3 “Shake”は一瞬、DAFか?と思えるシーケンスで始まり、ドキッとするが、呪うようなVoが強迫的で、グー!B4 “Ja”はライブ音源で、やはり、EGのような駆動力のあるリズムマシンと絶叫Voのアジテーションとメタパーらしき打撃音がゴッチャになって襲ってくる本作で最も攻撃的な曲。B5 “Wiedergeburt”はドローン的なシンセ音にTVなどのテープ音が挿入される実験的な曲。B6 “Tunnelmensch”もライブ曲で、駆動力のあるマシンリズムに絶叫Voやハーモニカ(苦笑)などが被さる攻撃的な曲で締めています。こんな内容ですが、1980年代初頭に生まれたインダストリアルとも実験エレポップとま言いようがない面白い音楽がまだまだ埋もれているので、今後のリイシューや発掘に期待します。TASS 2に関しては、やはりライブ曲の方が説得力がありますね。聴いてみたい人は是非とも!

“Ja”
https://youtu.be/wEN2YEzFzAw

“Shake”
https://youtu.be/mBmt2sYnbuU

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