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Ramleh “Grudge For Life”
実は、このRamlehのアルバムは、当時、付き合いがあったThe Gerogerigegegeの山之内純太郎くんから交換で頂いたものなんです。それで、聴くまでは、典型的パワ・エレだと思っていたのですが、実は、この作品作成の少し前に、Gary MundyはPhilip Bestと組んで、新Ramlehを始めたばかりで、音楽性も大きく変わっており、聴いてビックリした記憶があります。Ramlehのバイオグラフィーは以前に書いてありますので、そちらを参考にして下さい。この時期のRamlehは、初期の典型的パワー・エレクトロニクスのスタイルから、Mundyの志向がガラッと変わって、Skullflowerのようなギター・ノイズになったばかりで、本作品でも、バックはギターとベース(+オルガン)だけで全曲通してやっています。これを通して聴いた時は、文字通りのパワ・エレじゃなくて、がっかりしたのですが、今回、聴き直してみて、そのかっこ良さに気付きました。まるで、ヘビーなロックを聴いているようなリフとサウンドで、そこに、パワ・エレで鍛えたヴォーカルが乗り、ドラムレスの「ハード・ロック」のようです。しかも、リフやメロディまでありますから、それまでのRamlehファンは驚いたと思いますよ。しかしながら、こう言う変遷もあって、今のRamlehがある訳ですし、この前作品辺りでは、既にオルガン演奏によるメロディも含んでいた訳ですので、必然だったのかもしれませんね。皆さんも意外なRamlehのアルバム、聴いてみてください❗️ https://youtu.be/WyZJGZqO1_0 #Ramleh #GrudgeForLife #Vis-A-VisAudioArts #FeedbackNoise #NoiseRock #Experimental #Rock #Guitar #Bass #GaryMundy #PhilipBest #BrokenFlag
Noise / Industrial Vis-A-Vis Audio Arts 0円Dr K2
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Steward “Get Me A Seat Next To Someone Nice”
これも謎物件。レコード袋の中に、レコードとか白黒のジャケとデータらしき紙が直接入っていると言う、如何にもチープな装丁。これはきっと、英国のDIYでリリースされたスカム系ノイズに違いないと思って、聴いてみたら、ビックリしました(英国ものにそう言う先入観がありました。すまん)❗️ちゃんとヴォーカルやフォーキーなギター、ブレイクビーツなドラムも入った、1990年代以降の音楽です。そうですねぇ、私が思い浮かんだのはBeck(勿論、米国人ですし、有名過ぎますが)辺りでしようか? アーティスト名はSteward (本名はStewart Anderson)で、リーズ出身の方みたいで、レーベル555 Recordingsも彼自身が運営しているDIYレーベルみたいです。何で、こんなの持っているかも謎です。彼についてはよく分からないのですが、米国に移り、新レーベルEmotional Responseをやっており、2022年までは沢山の作品をリリースしています。どうも、Boyracerと言うグループが鍵で、Stewart AndersonがG&Voで参加していたLo Fiインディーロック・グループみたいです。本作品はStewartとして活動していた頃の作品で、4トラックMTRで録音されたものらしいです。歌詞も書いていないので、詳細は不明ですが、辛うじて曲名は付いているようです。ただ、Steward名義ではファースト・アルバムみたいです。本作品では、ほぼほぼ全ての楽器とVoを一人で演っているみたいですし、2022年現在で、このようなLo-Fiな音楽を聴くと、返って新鮮ですね。曲調もちょっと切ないメロディや懐かしい旋律、そしてシンセと言うよりもカシオトーンのようなオルガンなんかが、グッときます。また、曲によっては、ファズギターがフィードバックで暴れるJesus and the Mary Chainのような曲もありますが、何となく甘酸っぱくて懐かしい旋律もグッドですね。まあ、Stewardの正体は分かりませんでしたが、Boyrscerについては少し分かりました。初期のメンバーはStewart Anderson (Vo, B, G, Drs), Laura Bridge (?), Richard Adams (B), Simon Guild (G), James Chadwick (Drs), Stewart Turner (G)みたいですが、ここではBoyracerの紹介ではないので、ここまでとしておきます。もし、Lo-Fi Indie Rockに興味のある方はこのユニットやバンドを掘っては如何でしょう。きっと懐かしい気分になりますよ。 “Paint the Windows Shut” https://youtu.be/xxhr48iQ7FA “Such Thorght On You” https://youtu.be/H3QuMIF0LI0 #Steward #GetMeASeatNextToSomeoneNice #555Tecordings #StewartAnderson #Lo-Fi #PopMusic #SoloUnit #IndieRock #UK #US #Boyracer
Lo-Fi Indie Pop 555 Recordings 不明。Dr K2
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Daniel Fagerström ”Synthesator Vol.4: Beyond Interstitial Space”
これも、忘れていた謎物件。元々は、スウェーデンのUFO Mongoが自国の電子音楽をシリーズ”Synthesator”の第四弾として、自国でSkull Defekts, Optic Nest, Members of Tinnitusなどのポストロックバンドやアンビエントユニットで活躍しているDaniel Fagerströmのソロ作品をリリースしたと言う訳です。彼についての情報は殆ど分からないのですが、上記のバンドをYouTubeで聴いてみると、Skull Defektsはミニマルな展開でノリの良いアンサンブルを提示するカッコいいバンドで、Optic NestはDanielのソロユニットで、モデュラーシンセとVoから成るアンビエントな電子音楽を演っており、本作品にも通じるものを感じさせます。Members of Tinnitusについては不明でした。 本作品はそんなDaniel Fagerströmのソロです。一見、現代音楽のようなジャケ写に見えますが、モデュラーシンセとアナログシンセ(Roland SH-101, Juno 60)を用いた電子音楽で、一部は、同じスウェーデン在住のAlexander Skeppがドラムを叩いています。本作品を聴いて思ったのは、1970年代の仏のRichard Pinhasが率いてたプログレ・バンドHeldonの後期の作品とそのRichard Pinhasのソロ作品です。特に、Alexanderが加わったA3 “Mithochondrion”とB2 “Chromatin”はモロHeldonと言っても誰も疑わない程です(生ドラムとシンセ及びシーケンサーの同期演奏)。また、それ以外の曲も生ドラムもギターもありませんが、初期のRichard Pinhasの作風にも共通点がありそうです。面白いのは曲のタイトルの付け方で、全て細胞生物学用語が冠されています。そう考えると、アルバムタイトルも生物学用語てすね(「間質を飛び越えて」と言う意味ですね)。彼の言葉を借りると、「タイトルは、人間の細胞間にある空虚な部分(間質)を飛び越え、お互いの感覚器と細胞のエネルギー産生所の両方に達して、よく働く分子の運動が、コアを貫通し、最終的に細胞の、まさに中心(核)に到達すると言う「旅」のようなものである。」とのこと。う〜む、奥が深い。その分子の「旅」が、この作品のコンセプトなのでしようか。とすると、これはparacrineの音楽ですね。彼が何故こんな細胞生物学的知識があるのかは不明ですが、そのモデュラーシンセの粘りこっい電子音がもう一つの魅力ではあります(何となく、粘着質=有機質と感じるのですが)。Heldonファンはチェックした方が良いでしょう。 “Chromatin” https://youtu.be/KWslHJF58fg #DanielFagerström #BeyondInterstitialSpace #BörftRecords #UFOMongo #Synthestor #Sweden #Electronics #Synthesizers #ModularSynthesizers #TapeManipulation #Drums #DanielFagerstrom #AlexanderSkepp #Heldon #RichardPinhas
Electro-Acoustic Music Börft Records 不明。Dr K2
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V.A. “Exil-System 1979-2004”
この作品、最初はあるバンドの単独再発盤がと思っていましたが、裏ジャケを見れば分かる通り、Exil-Systemと言う独逸のDIYレーベルから作品をリリースしていたアーティストのコンピレーションなんですね。そのレーベルも私は寡聞にして知らなかったのですが、メンツは何故かそそるラインナップになっています。因みに、Exil-Systemは、1979年-1980年に40種類弱のリリースをしている、Thomas Voburkaが運営していた西ベルリンのレーベルです。2005年に一時期復活しています。このコンピに収められているのは、Mono 45/upm, P1/E, Weltklang, Thomas Voburka, Hits Berlinの5組で、B1 P1/E vs Weltklangの曲以外は、1979年-1980年の作品です。収録グループと曲について紹介していきます。A1-2は、Mono r/45upmで、Thomas Voburkaのソロプロジェクトで、2000年代になって、突然、音源をリリースしています。単純なリズムボックスに単音のシンセやエレキギターの弾き語りです。A3-4とB2はP1/E(以前にも紹介しました)で、オープンなプロジェクトで、Alexander Hacke, Eric Franke, Michael Hirsch, Michael Schäumer, Thomas Voburka, Ute Drosteらが関わっていましたが、1981年になると、それぞれEinstürzende Neubauten, EXKURS, Tennis Boy Bluesに移っていきます。音的には、これまたリズムボックスと単音シンセの手弾きあるいはパルス音に男女のVoから成る曲です。A5-6 Weltklangで、René SteunsとThomas Voburkaのデュオで、現在でも活動しているようす。 A5はリズムボックスすら使わないで、シンセのパルス音と適当なメロディを手弾きしています。A6ではシーケンサーやリズムボックスも使ってます。B1はP1/E vs Weltklangで、唯一2004年の曲です。多分コラボでP1/Eの曲”49 Second Dance”をやってます。その後のB2はP1/Eが同曲をLicht Und Schatten Disco mixとして収めているので、比較してはどうでしょうか?B3はレーベルの運営者Thomas Voburkaの曲で、エフェクトを掛けたパルス音にフリーキーなサックスと言う渋い組合せです。なお、Voありです。B4-6はHits Berlinで、これもThomas Voburkaのソロプロジェクトです。やはりチープですが重めのリズムボックスとらベースのシンセ音に合わせて、SaxとVoが重ねられています。なお、B4とB5は同じ曲で、前者がMonogram 7” mixで、後者はExil-System mixで、後者はSaxよりもギターが主導権を握っています。B6ではリズムボックスとギターに適当でチープな電子音が流れていますが、メロディは結構良いです。こうやって書き上げると、殆どが、Thomas Voburka絡みのプロジェクトで、その為の作品と言っても文句はないでしょうね。まあ、1980年前後ではそんなソロなのに色んなプロジェクト名を名乗ることはよくあったことだと思います。そんな訳で、もしこの頃のThomas Voburka絡みの音源に興味があれば、是非聴いてみて下さい。 Weltklang “Hoffnung (Sehnsucht??) https://youtu.be/fVf1fbQR9y8 P1/E “49 Second Romance” https://youtu.be/k7F3TwkF070 #Exil-System1979-2004 #VinylOnDemand #NeueDritscheWelle #DIYLabel #Exil-System #Mono45/upm, #P1/E, #Weltklang #ThomasVoburka #HitsBerlin #SoloProject #SelfCompilation #NeueDeutscheWelle #Electronics #Synthesizer #RhythmBox
Electronic Pop Vinyl on Demand 不明。Dr K2
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TASS 2 “Unterhaltung”
TASS 2とは? まあ、独逸の再発専門レーベルVinyl On Demandがリイシューしていますので、独逸のバンドなんでしよう。と言う訳で、ちょっと調べてみました。先ず、本作品の元になったカセット・アルバムは、NDW (Neue Deutsche Welle)界では伝説のカセットレーベルDas Cassettencombinatを運営していたThomas Schmittともう1人Thomas Scholzのデュオが、1983年にリリースした作品です。因みに、TASS IIが正式な表記らしいです。TASS 2はThomas Schmitt (Organ, Synth, Flute, Harmonica, Rhythm Machine, Vo)とThomas Scholz (Organ, Synth, Rhythm Machine, Vo, Bass-Seqencer)から成る実験的ポップミュージックを指向したデュオということになります。一部の曲はライブ音源ですが、基本的にはスタジオ録音(宅録?)です。A1 “Zeit”は駆動する機関車のようなリズムにダブ処理したメタパーや電子音が絡む、如何にも宅録インダストリアルな佳作。A2 “Schrankward”は、ミニマルなマシンリズムにアジるようなエフェクトVo(多分、ディレイが主)が絡む実験的な佳作。A3 “Muzac”は、シンセパルスから成る通奏低音にTVなどのテープ音を振りかけたThrobbing Gristle っぽいダウナーな実験的な曲。A4 のタイトル曲 ”Unterhaltung” は本作の中で複雑な絡みを見せるシーケンスと打ち込みから成る陰鬱な曲なんですが、基本シーケンス自体はミニマルです。A5 “Cr13c”は不明瞭なシンセの多重奏にテープ音を混ぜたドローンめいた曲。A6 “Stahlgeburt”はライブ音源で、Esplendor Geometrico (EG)の様な強力なリズムマシンにダブ的シンセが鳴り響き、アジるようなVoも聴取出来る名曲。B1 “Tanz Debil”はEinstrutzende Neubauten のカバー?(ではない!)同名異曲で、落ち着いた雰囲気。 B2 “Bartsch”は、ドコドコのリズムに突き刺すようなシンセが効果的。B3 “Shake”は一瞬、DAFか?と思えるシーケンスで始まり、ドキッとするが、呪うようなVoが強迫的で、グー!B4 “Ja”はライブ音源で、やはり、EGのような駆動力のあるリズムマシンと絶叫Voのアジテーションとメタパーらしき打撃音がゴッチャになって襲ってくる本作で最も攻撃的な曲。B5 “Wiedergeburt”はドローン的なシンセ音にTVなどのテープ音が挿入される実験的な曲。B6 “Tunnelmensch”もライブ曲で、駆動力のあるマシンリズムに絶叫Voやハーモニカ(苦笑)などが被さる攻撃的な曲で締めています。こんな内容ですが、1980年代初頭に生まれたインダストリアルとも実験エレポップとま言いようがない面白い音楽がまだまだ埋もれているので、今後のリイシューや発掘に期待します。TASS 2に関しては、やはりライブ曲の方が説得力がありますね。聴いてみたい人は是非とも! “Ja” https://youtu.be/wEN2YEzFzAw “Shake” https://youtu.be/mBmt2sYnbuU #TASS2 #Unterhaltung #VinylOnDemand #DasCassettencombinat #Synthesizer #Electronics #Experimental #Electro-Pop #Industrial #LiveTrack
Experimental Pop (Neue Deutsche Welle) Vinyl on Demand 不明。Dr K2
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V.A. “Undying: An International Compilation”
その昔、カナダにFreedom In A Vacuum (FIAVとする)と言うノイズ関係のレーベルがありました。それを運営していたのが、Robert W. Olverで、TorontoのMusic Galleryで同名のイベント”FIAV”を組んでいたとのこと。そんな彼が、国際コンピとしてリリースしたのが、本作品”Undying”です。当時から、割とAbstractものをリリースしていたレーベルと思うんですが、今回のセレクトも基本的にはその路線を崩してません。エクストリームと言うよりもアブストラクト縛りではないでしょうか?各曲を簡単に紹介していきます。 A-1 加の即興ノイズバンドViolence And The Sacredの曲”Advance (Video Soundtrack)”。不明瞭な音で幕を開け、曲の最後に日本語のCMとかのコラージュで締めてます。A-2 米国の老舗ノイズ・ユニットのIf, Bwanaと同じく米国のカセットカルチャーの生き証人Hal McGeeのソロ・ユニットDod As Masterのコラボ曲”Man Bites Frog, Warts Develop”。何とも言えない/形容するのが難しい、人を不安にさせるような音楽です。A-3英国のドローンの開祖David JackmanことOrganumの曲”Povera”。もうこう言う音楽にかけては職人芸ですね。いつも以上に金属の弓弾きによるドローンを収録。素晴らしい!A-4 独逸のノイズトリオUltraの曲”Clusterfuck II”。メンバーはDr. Tengelmann (Achim P. Li Khanの変名)Herr Mücke (Christoph Heemannの変名), St. Degeneratus (本名Jon Carlson)のトリオ、って言うがこれ殆どH.N.A.S.じゃないか?ガリガリしたギター・ノイズの中にチェンバロ?ピアノ?のトーンクラスタが聴こえてくる。彼等、こんなこともやったのね。A-5 自作楽器によるバリバリな仏のノイズユニットEntre Vifsの曲”Excerpt From Session XXIII”。凄まじいテンション‼️気合いが半端ではないな。やっぱりZorïnは天才。音の感触はホワイトハウスとノイバウテンのをミキサーにかけて混ぜ合わせたかのよう。B面に移って、B-1 伊の古株コンポーザーGiancarlo Toniuttiの曲”Rasùranìdo”。アコースティックでコロコロした音がずっと続いていくと言う彼らしいアブストラクトな音響音楽スタイル。ここら辺は以後、ノイズのメインフィールドとは袂を分かちますね。B-2 加の即興トリオKaiser Nietzscheの曲”Nine Student Nurses”。音のレイヤーの重ね方が、一時期(ZSF辺りの時期)のMerzbowを思わせる、ごった煮だけど単純ではないノイズをかましています。B-3 伊(?)のトリオEmpirical Sleeping Consortの曲”Does The Exact Centre Of A Wheel Turn?” 落ち着いた反復する金属質な音に電子音やテープに録音された民族音楽調の音が絡むアブストラクトな音楽です。B-4 米国の楽器職人にして作曲家兼演奏者Ellen Fullmanの曲”Staggered Stasis #1 (Remix Excerpt)”。何の音だろう?弦楽器の弓弾き(?)よると思われる永久ドローン音楽。以上が本作品の楽曲群ですが、編集で、曲間に少し長めの無音が入っているので、聴く方としては、曲を認識し易いので、この手のコンピとしては有難いですね。てな訳で、こんなコンピも1980年代からリリースされてきてるんよ。つい、色んなノイズが聴ける良い機会になるんじゃないかな?さあ!聴いてみましょう❗️ https://youtu.be/ZG25GVoiYok #Undying #FreedomInAVacuum #InternationalCompilstion #ViolenceAndTheSacred #If,Bwana&DodAsMaster #Organum #Utra #H.N.A.S. #EntreVifs #GiancarloToniutti #KaiserNietzsche #EmpiricalSleepingConsort #EllenFullman
Noise/Experimental/Abstract/Aumbient Freedom In A Vacuum 不明。Dr K2