The Art Of Noise “Who’s Afraid Of….(The Art Of Noise)”

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皆さんはもうこのバンドのことは知っていらっしゃいますよね。そうです、The Art Of Noiseです。初めて、サンプリングだけでアルバムを作製し、ヒット曲まて出したアヴァン・ポップなグループです。このバンドは、1983年初頭に結成されていますが、メンバーは、エンジニアでプロデューサーでもあるGary LanganとプログラマーのJ.J. Jeczalik中心に、KbdのAnne Dudley, プロデューサーのTrevor Horn, 音楽ジャーナリストのPaul Morleyも参加しています。Tom Jonesをフィーチャーした”Kiss”と言う曲は、その意味解釈も伴って、国際的なトップ20のヒット曲となり、1986年には、インスト曲”Peter Gunn”でグラミー賞も受賞しています。このチーム(バンド?)は、1982年には英国のニューウエーブバンドABCのデビューアルバムに関わっていたり、Malcolm McLarenの1982年のアルバム”Duck Rock”にも関与、Frankie Goes to Hollywoodとも一緒に仕事をして、アルバム”Welcome to the Pleasuredome”を作製したりしています。また1983年にはプログレ・パンドYesの復活アルバム“90125”のプロデュースやエンジニアリングなどでヘルプしています。その時にリリースされたシングル"Owner of a Lonely Heart”が後のThe Art Of Noiseのアイデアに繋がっていきます。そんな中、Paul Morleyが、このチーム名を、フューチャリストLuigi Russoloの書いたエッセイ”The Art Of Noises”から付けたのですが、J.J. Jeczalikが最後に”s”を削ろうと提案して、バンド名が決まりました。Trevorは最初、この新しいバンドにおいては、既にThe Bugglesをやっていたので、アドヴァイザー兼アイデアを出すだけの立場で参加しています。1983年9月に、The Art of NoiseはデビューEP “Into the Art of Noise”をTrevorが設立したばかりのレーベルZTTよりリリース。これにはYesのアルバム”90125”の音源が主なサンプリングネタになっていますか、この中の”Beat Box”と言う曲は、フリースタイルのヒップホップ界隈(映画「ブレイク・ダンス」にも使われています)でヒットします。そして、彼等のファーストアルバム(本作品)である”Who's Afraid of the Art of Noise? “か1984年にリリースされます。この時期は、全員マスクを被っており、匿名性を出していました。またプロモーションにも消極的でした。これは、今までのロックやポップスのミュージシャンとは違うというスタンスの表明であったとのことです。このアルバムの中に入っている”Moments in Love”は10分近いインスト曲でしたが、リミックスされてシングルとしてもリリースされています。このシングルは1983年にも米国でリリースされていますが、そこそこのヒットはしたようです。またマドンナの結婚式でも使われていました。また、彼等は1984年10月に、TrevorがGeoff DownesとやっていたThr Bugglesの”Video Killed the Radio Star”を含む20世紀の音楽をソースとして使ったアルバム”Raiding the 20th Century”の構想をSmash Hits Magazineに語っています。また、同年10月に、”Close (To The Edit)”がシングルカットされ、1984年の英国シングルチャートで8位になっていますが、1985年に、Gary LanganとJ.J. Jeczalik及びAnne Dudleyは、Trevor HornとPaul Morley達と手元を分かちますす。勿論、ZTTとも。Gary, J.J., Anneは英国のChina Recordsと契約し、自分達がThe Art of Noiseだと明かし、セカンドアルバム”In Visible Science”をリリースします。その後のことはまた機会があれば書きますので、今回は、ここまでとしておきます。
それで、本作品ですが、名器Fairlight CMIを駆使したアルバムになっています。サンプリングとPCでの作業だけほぼほぼ完結しているって感じでも良いと思います。このような音楽はジャストのタイミングでリズムが刻まれるので、リスナーによっては好き嫌いが分かれるところでしようね。またサンプリングされた人の声以外にはヴォーカルの無い、インスト曲で締められていますので、アルバムとして聴くと、やや辛い場合もあります。ただ独特の冷ややかな音色が持ち味の機材なので、全体的にも冷感を感じるところもミソですね。日本ではYMOが問題作”Technodelic”で使ってましたね。一時期、サンプリングは著作権的に合法なのか?非合法なのか?の議論もありましたが、今や、サンプリングは当たり前の技術になっていますね。そうなったのも、彼等の功績かもしれません。彼等の特異なところは、サンプリングだけで新たな音楽を作ることにあった点で、それを実験音楽ではなく、ポピュラーミュージックの世界で実践したことでしょう。そんな黎明期の素晴らしいアルバムを聴いて見て下さい!

A1 “A Time For Fear (Who's Afraid)” (4:43)
A2 “Beat Box (Diversion One)” (8:33)
A3 “Snapshot” (1:00)
A4 “Close (To The Edit)” (5:41)
B1 “Who's Afraid (Of The Art Of Noise)” (4:22)
B2 “Moments In Love” (10:17)
B3 “Momento” (2:14)
B4 “How To Kill” (2:44)
B5 “Realization” (1:41)

A4 “Close (To The Edit)” (5:41)
https://youtu.be/YltqKvvRgC8?si=rJDe_g9SGhXZ9e7U

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLcUWrjn4iOhUWVgU_WkIdhkR9x8jPJPRN&si=22aj_9TYCyjj2WA9

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