Fumio Kosakai “Earth Calling”

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コサカイ・フミオ、日本のアンダーグラウンド・ミュージック界でこの名前を知らない人はもういないであろう。彼は古くはタコなどにも在籍していましたが、1990年頃よりC.C.C.C.、非常階段、そしてIncapacitants に所属、現在はIncapacitantsのメンバーとして活躍しています。その一方で、自身のハードロックを極める為に宇宙エンジンのG/Voも担当。これら以外にも花木霊や疎水響、RNA、FKK2などのメンバーとして、多岐に渡る活動をしています。彼が、上記のパンドやユニットに加わる前にソロカセットを出していたことを知っている方は少ないと思います。そして,今回、紹介するのは、1987年に、彼自身のレーベルAncient Recordsよりリリースされたファースト・ソロ・カセット”Earth Calling”のリマスター・リイシューLPです。録音は1985年のライブ録音〜1987年のミックス音源が収められています。初めに言っておきますが、このソロ作品は,現在のIncapacitantsのような轟々たるノイズ・ミュージックとはかなり様相が異なります。簡素なジャケに包まれたLPのA面には2曲、B面には1曲か収められています。因みに彼は、電子楽器/装置、シンセ、テープ及びベースを用いています。B面の1曲は、1985年9月11日に荻窪グッドマンでのソロ演奏がそのまま収録されており、本人も解説で言及したいるように、Terry Rileyに触発されたミニマルな曲が淡々と紡ぎ出されています。また、A面の2曲は1986-1987年に彼が行ったソロ・ライブの音源に自宅スタジオで、若干の音をオーバーダブして作られています。A面は、物音音のような音(ベース?)に深めのディレイがかけられており、そのバックには環境音がうっすら流れている、ちょっとホラーな曲調のA1と、フィードバック音が続くなか、通奏低音として現れた鉛色のシンセが絡みつき、そこに発信器の音も加わり,ゆっくりとそれらの音が捻れていくA2からなっております。全体的にモノクロな音から抜け出そうとする、彼の目指すサイケデリアと溢れる実験精神に貫かれた作品で、彼自身の音楽の源流を垣間見ることができますね。250部限定らしいので,見つけたら、即ゲットして下さい。一つだけ難を言えば,各曲の最後はフェイドアウトかリバーブをかけて終わって欲しかったです。

https://youtu.be/S_2XoCYzrfo

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