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Geisterfahrer “Fest Der Vielen Sinne“
独NDWの中にあって、元祖Dark Wave/Goth RockであったGeisterfahrer(ガイスターファーラー)のセカンド・アルバム”Fest Der Vielen Sinne (フェスト・デァ・フィーレン・ジンネ;「五感の祭典」の意)”を、今回はご紹介します。Geisterfahrerについては、今までにご紹介してきましたので、彼等のバイオグラフィーは、そちらを方をご参照下さい。本作品も、メジャー系のレーベルで、Phonogram傘下のKonkurrenz Schallplatten からのリリースで、参加メンバは、Michael Ruff (Vo, G), Matthias Schuster (G, Kbd, Vo), Jürgen Weiss (Drs, B)で、バンドの長い歴史の中でも最小限の編成で、かつ生Drsも入って、よりロック色も強かった時期の作品です。また、この頃に、作詞兼Voを担当していたMichael Ruffのゴシック趣味も全開で、英国のJoy DivisionやBauhausに匹敵するとも言われていたそうで、その中でも、A6“Himmel Auf Erden”はヒットになりました。また、クレジットには入っていませんが、小柳カヲル氏の「クラウトロック大全」によると、当時、欧州放浪中のRed CrayolaのMayo Thompsonが参加しているらしいです。それでは、そんなGeisterfahrerのセカンド・アルバムの各曲をご紹介していきたいと思います(因みに、Matthias Schusterは、インタビューで、彼とJürgen Weissはこの作品の発表には、当時、反対していたらしいのですが、レーベル・マネージャーのTommy Richterの意見によってリリースされたと語っています)。
★A1 “Fest” (3:33)は、タム多用のファンクっぽいリズムの曲で、確かに英国ポストパンクとの共通点がありますが、歌詞が独逸語である点が相違点でしょうか?
★A2 “Nacht Der Löwen” (2:26)も、ハイハットを刻みが16ビートで、如何にも1980年代初期のリズムから成る曲と言う感じですが、今聴くと寧ろ懐かしいです。また、SE的シンセもグー!
★A3 “Mein Kind” (3:35)は、フェイザーを掛けたBとシンセのリフとジャキジャキのGに、深目のエコーを掛けたVoが映える曲で、中々ダークな雰囲気ムンムンです。WeissのDrsのドライブ感も凄いです。
★A4 “Angriff” (4:00)は、リズムマシンとファットで重いBに、鋭いカッティングのGが冴える曲で、出だしはP.I.L.かとも思いました。投げやりなVoもグレイト!
★A5 “Zeit Der Chancen” (2:03)では、リリカルなピアノも冴える曲で、Bライン等は割とミニマルなのですが、ダブ的なDrsやGのリフ等、中々聴かせてくれます。
★A6 “Himmel Auf Erden” (1:57)は、ドカドカしたDrsからのサビの直線的なBラインとノリの良いDrsがキャッチーな曲です。Gのカッティングやコーラスもバッチリで、曲が短いこともNDW的です。
★B1 “Madish Ahb'el” (4:27)も、シンコペーションを活かしたリズムに、裏で入る合いの手も効果的な曲で、エフェクトを掛けたBやぶっきら棒なVoも初期のポストパンク的で懐かしく感じます。この曲のGはMayo Thompsonかな?
★B2 “Schnee Blind” (3:30)は、ぐちゃぐちゃな合奏から、切迫感のある演奏で始まる曲で、Voはかなりパンキッシュですが、シンセや深目のエコーを掛けたコーラスで異化作用に成功しています。
★B3 “Blumen” (2:33)も、シンコペーションを活かしたリズム隊が冴える曲で、特にBの音色もカッコ良いです。朗々としたVoや伸びやかなGにも痺れます。
★B4 “Leiser Tod” (2:27)は、イカしたBラインから始まる曲で、伸びやかなGも投げやり気味のVoもバッチリです!
★B5 “Möchte Bei Dir Sein” (2:28)は、リズムマシンに、怪しげなメロディが乗るダークでミニマルな曲で、正気の無いVoが何ともゴスっぽいですが、聴き方によっては、日本の「数え歌」のようでもあります。
★B6 “Die Stimme Der Erde” (4:13)は、存在感の強い重いBと四つ打ちっぽいDrsのキックに、押し殺したようなVoが映える曲で、サビでは爆発します。また、ダブ的ミックスもされています。
全体の印象としては、1980年初期の英国ポストパンクとの類似点があり、その部分像として、Joy DivisionやBauhausっぽさを感じ、そこら辺をゴス・ロックとかダーク・ウェーブとかと拡大解釈されていたのではないでしょうか? なので、やはり、この頃のGeisterfahrer は、独における「ポストパンク」として評価するのが正解なのかもしれませんね。しかしながら、当時(1981年)、独逸には、このようなバンドはいなかったようなので、そう言う意味で、彼等の先見性は流石だと思いました!独逸語の歌詞の意味が不明なので、Michael Ruffの描く世界がどの位ダークなのかは良く分かりませんが、彼の歌い方によっては、ある程度想像は可能です。また、Jürgen Weissの正式加入により、グッとロック・バンドっぽくなっている点も高得点ではないでしょうか!もし、Bauhausとか初期英国ポストパンクに興味のある方にはお勧めします(しかしながら、Michael Ruffによるジャケは、もうちょっと何とかならなかったのかなぁと思います)。
A3 “Mein Kind” (3:35)
https://youtu.be/bpKCIxI6VtI?si=Msq3epTBf3b30nt5
[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLvhtFJLy0g8u_AQeRN0xBuQ4V2c_M-HAi&si=E0ci1NVCbbCew05c
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