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Fehlfarben “Knietief Im Dispo”
久々に入手しました、独のスーパーグループFehlfarbenのアルバム”Knietief Im Dispo”です。スタジオ・アルバムとしては6作目に当たります。何故、スーパー・グループなのかと言うと、このバンドは、S.Y.P.H.とDer PlanとMittagspauseに在籍していた/しているメンバーによって形成されているからで、まるでドリーム・チームですね。Fehlfarbenのバイオグラフィーは以前に書いてありますので、そちらをご参照下さい。本作品でのメンバーは、Peter Hein (Vo), Kurt Dahlke (Electronics), Thomas Schwebel (G), Uwe Jahnke (G), Frank Fenstermacher (Kbd, Sax), Michael Kemner (B), Saskia von Klitzing (Drs)の7人で、内容としては、両面共8曲ずつ収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Rhein In Flammen”では、ノリの良いプレイクビーツのリズムに乗って、独語Voがワンポイントになっているポップスで、何となく「青春」を想起するのは気のせい? ★A2 “Die Internationale”は、特徴的なパルス音で始まり、カッコ良い曲調のアンサンブルから成る曲で、聴き惚れてしまいます。間奏のシンセやGもグー! ★A3 “Club Der Schönen Mütter”では、浮遊感のあるGとBで始まり、ピアノの目立つリリカルな曲調で、VoとSaxも良い塩梅です。また背後のオルガンも良い隠し味です。 ★A4 “Der Fremde”は、シーケンスと饒舌なVoで始まり、そこに歪んだGとBが入ってきますが、一瞬のブレイクの後、心地良いポップスとなり、間奏のSaxやシンセも秀逸! ★A5 “Schnöselmaschine”は、ブレイクビーツのリズムにラップ調のVoから成る曲で、間奏のGやシンセも心地良いです。 ★A6 “Was Der Himmel Verbietet”は、シーケンスから始まる、ややダークな曲ですが、音的には、ポストパンクですね。Saxソロもバッチリです。 ★A7 “Reiselust”は、切羽詰まったように掻き鳴らされるGとVoで、疾走感のある激し目の曲ですが、聴き方によってはカッコ良いです。 ★A8 “(Geh) Du Ran Du Ran”は、Gのフィードバックで始まる、結構、パワーポップ調の曲で、少し甘酸っぱい感もありますが、演奏はタイトで、Voも上手いです。 ★B1 “Das Leben Zum Buch”は、ワウGとBで静かに始まり、呟くVoも耳元に優しく、怪しく響き、やがてDrsや鋭いシンセ音も入ってきますが、しっとりと終わります。 ★B2 “Die Kleine Geldwäscherei”は、シンセと共に始まる、陽キャで良質なポップ・ミュージックで、鉄琴らしきメロディもトレモロGのアレンジも絶品! ★B3 “Herzen Gelandet”は、心音のようなリズム隊に、雑踏の音とVoが加わり、いつの間にかゴージャスなポップスに代わっています。ミドルテンポのブレイクビーツなリズムが現代風ですね。 ★B4 “Sieh Nie Nach Vorn”では、特徴的なBとシンセ音で始まり、DrsやトレモロGが入ってきて、Voで曲を引っ張っていきます。間奏のオルガンプレイも絶妙! ★B5 “Lebenskunst”では、歪んだGとBのイントロの後、歌い上げるVoを中心としたアンサンブルが始まりますが、感傷的なメロディに涙しそうで、最後のGソロも絶妙! ★B6 “Bode Und Rindt (bonus track)”は、リズムマシンとBとVoで始まり、GやDrsも加わりますが、次第に切羽詰まったような曲調になっていきます。 ★B7 “Föhnfrisuren (bonus track)”は、陽キャな曲で、ゴリゴリのBとGに、Drsのビートと歌い上げるVoがサーフっぽくて若々しく、サビのメロディもグー! ★B8 “Alkoholen (bonus track)”は、喧騒の中でのキックと多人数でのコーラスが何とも心強く響きます。短いですが、印象的な曲で、本作品を締めています。 この作品でのFehlfarbenは、最早NDWとかとは関係無く、良質なポップ・ミュージックを作り、演奏する、ある種、独逸語による「シティーポップ」グループのようにも思えます。ちょっと曲が短いとも感じますが、それを勘定しても余る位、本当に聴き易い音楽が詰め込まれています。Pyrolatorのプロデュース力なのか?それともメンバーの力量なのか?は分かりませんが、各人のバックボーンのグループとは違った良質な「ポップネス」が見事に発揮されており、聴いていて安心できると同時に、ワクワクもしますね。そんなFehlfarbenも体験してみて下さい❗️ https://youtu.be/XSynajIoX_E?si=zX7aruWJGWZXVqeA [full album + bonus tracks] https://youtube.com/playlist?list=PLqc_o0ElXSiCzaMIJHgb7DQHN57Z5tSXv&si=YYNDV-6LjcxON7wj #Fehlfarben #KnietiefImDispo #TapeteRecords #Reissue #LimitedEditions #重量盤 #BonusTracks #2014年 #!K7Records #Wonder #2002年 #6ThStudioAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #PostPunk #PopMusic #Producer #Pyrolator #PeterHein #KurtDahlke #ThomasSchwebel #UweJahnke #FrankFenstermacher #MichaelKemner #SaskiaVonKlitzing #DerPlan #S.Y.P.H. #Mittagspause
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Post Punk Tapete Records (!K7 Records / Wonder) €24.90Dr K2
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Abwärts “Amok Koma”
前回、紹介したAbwärtsのファーストアルバムがこちらになります。前回も書きましたが,のちにEinstürzende Neubautenに加入するF.M.EinheitとMarc Chungが在籍したバンドです。今イチF.M.Einheitがどのように貢献しているのかは良く分かりませんが、恐らく、時々挿入される電子音を担当したいるのでしようか?またMarkもEinstürzende Neubautenでは見せていないとプレーで、結構ドライブするベースを弾いています。もう一度,メンバーを整理しておきますと、Frank Ziegert (G, Vo), Marc Chung (B), F.M. Einheit (Synth, Effect, Vo), Axel Dill (Dr), 及びMargitta Haberland (Violin, Vo)です。プロデュースはKlaus Maeckとパンドでやっています。1979年結成で、今でも現役です。 それで本作品の内容ですが、前回紹介したセカンドアルバムよりもかなりパンク色が強いですね。前のめりのつんのめったドラムや直線的なベースラインがメインで、性急なビートに乗せて、冷笑的なヴォーカルと割と細かく刻むギターのリフがパンキッシュでカッコいいですね。特にB面にはMargittaのヴァイオリンやヴォーカルも入り、既にポストバンクへの香りも伺えます。また、A-2はまるで初期Wireみたいですね(カバーかな?)。久しぶりに聴き直してみましたが、独逸のパンクからポストパンクへの移行の性急さを体現しているパンドだと思います。機会が有れば、近作も聴いてみたいですね。皆さんもどうですか? side Amok A1 “Maschinenlan” (2:57) A2 “Karo 1/4 08/15 Hoch 2” (0:34) A3 “Monday On My Mind” (2:38) A4 “Shanghai Stinker” (2:45) A5 “Bel Ami” (2:01) A6 “Verzählt” (2:58) A7 “Softly Softly” (1:58) side Koma B1 “Unfall” (4:00) B2 “Mehr” (4:27) B3 “Türkenblues” (3:52) B4 “Neon Kind” (3:20) B5 “Ich Bin Stumm” (2:16) B6 “Japan (Live)” (3:52) B7 “Schlußwort Von Horst Herold, Bundeskriminalamt” https://youtu.be/i4bou6Ztwjk?si=qZ8xpiVDvF4TBpfu [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lybEX9ge1u0a10f1HGiBnG76WmdhVBtZM [オマケ: TV show (1981): B1 & A1] https://youtu.be/LxaMFRWaaZI?si=DYqy3jXbi8RxJZH0 #Abwärts #AmokKoma #ZickZack #FirstAlbum #Punk #PostPunk #MarcChung #F.M.Einheit #MargittaHarberland #FrankZiegert #FrankZ #AxelDill
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Post Punk Zick Zack 不明Dr K2
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Abwärts “Der Westen Ist Einsam”
以前にもちょっとだけ書きましたが、Einstürzende NeubautenのメンバーであるF.M.EinheitとMark Chungが在籍していたバンドと言えば、ハンブルクのAbwärts (「アブヴェルツ」と読むか?)です。Abwärtsに関しても,中々情報が無いのですが、NDWの中では比較的知られたバンドとの認識です。「急降下」と名付けられたバンドの元々のメンバーは、Mark Chung (B), Axel Dill (Dr), Frank Z (G, Vo), F.M.Einheit (Kbd, Perc), Margitta Haberland (Violin)の5人組で、結成は1979年です。Margittaが抜け、また前述の2人も本作品以降に抜けた後も、メンバーの補充や脱退を繰り返して、何と、現在もバンドは継続されているみたいです。ビックリしました。NDWの最盛期にはパンクからポスト・パンクへの綱渡しをした重要なバンドで、元々は独逸のレーベルZickZackよりシングル”Computerstaat”をリリースし、その後1980年にファーストアルバム(これも後々に紹介します)をリリースしていますが、本作品はセカンドアルバムで、大手のMercury Recordsからのリリースとなっています。独逸語が分からないので、今のところ、この位の情報しかありません(すまん!)。 それで本作品ですが、確かに激しいバンドサウンドではあるのですが、パンクとも違いますし、どちらかと言うと時代的にはポスト・パンクに相当するかと思います。Dryでタイトなドラムとドライブするベースラインが曲の殆どの骨格を作り、そこに金属質なギターの簡素なラフやキーボード(シンセかな?)のノイズ音やフレーズが顔を出すと言う音構造からなっており、曲によってはリズムボックスも併用しています。時にデッドで性急なリズムも聴くことも可能で、ヴォーカルスタイルもポスト・パンクっぽいですね。B面の2曲ではF.M.Einheitがヴォーカルをとる曲もあります(スローな曲”Deprimiert”と”Tierlieb”)。曲の片隅にちょっとだけユーモアのあるアレンジもNDWっぽいですね。そんなAbwärtsも聴いてみてはどうでしょうか? A1 “Beim Erstenmal Tut's Immer Weh” (3:08) A2 “Papier” (1:43) A3 “Stein” (3:39) A4 “Das Wort Zum Sonntag” (4:45) A5 “Aus Einem Gartenhaus” (3:24) B1 “Agent” (2:27) B2 “Deprimiert” (2:27) B3 “Sei Froh” (3:38) B4 “Tierlieb” (3:22) B5 “Affentanz” (3:00) https://youtu.be/oZ1IkwbXgJQ?si=5EgGACQrTBPbf7wC [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lCiYB7b4yS0sHpGTUf4Mje4SfnnGiPI5I&si=lVZySzCwt1nrr_Ku #Abwärts #DerWestenIstEinsam #MercuryRecords #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #PostPunk #FMEinheit #MarkChung #AxelDill #FrankZ #MargittaHaberland
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Post Punk MERCURY Records 不明Dr K2