Sissy Spacek “Electrochemistry”

0

皆さんは、Sissy Spacekと言うバンドを知っていますか? 多くの方は、映画「キャリー」とか「JFK」に出てたMary Elizabeth "Sissy" Spacekと言う米国のメチャメチャ有名な女優さんでは?と思うかも知れませんが、バンドの方は、1999年に、米国LAで結成されたグラインド・コア/ノイズ・バンドで、現在の正式メンバーとしては、Charlie Mumma (Drs/Vo)とJohn Wiese (B/Vo/その他)のデュオから成ります。2001年に、セルフタイトルのデビューCDを出して以来、ハーシュ・ノイズ、ノイズ・コア、グラインド・コア、フリー・インプロ、ミュージック・コンクレート等のジャンルを自在に網羅する膨大な作品(2024年9月の時点で170作弱)をリリースしてきています。初期の作品では、カットアップを多用した、それまでに録音されたデモ音源とライブ音源のコラージュから構成されている曲が多く、また、超限定モノのシングルとかも多いです。また、多くの作品はWiese自身のレーベルHelicopterからリリース或いは再発されています。それまでは、私の認識では、John Wieseは、LapTopを主に使うデジタル系ノイズを演奏する割と地味目なノイズ・ミュージシャンと言う感じだったので、正直、彼がSissy Spacekで、B/Voを演奏して、グラインド・コアを始めた時は、ビックリと言うか、意外な感じでした。しかし、今ではすっかりグラインドもノイズも出来る信頼できるミュージシャン兼エンジニアであり、Los Angelis Free Music Society (LAFMS)とも関係のあり、旧世代と新世代を橋渡しているキーパーソンになっています。また、Wieseは、ソロでも多作家であり、170作以上の作品を出しており、またジャケのデザインも手掛けるマルチ作家でもあります。一方、Charlie Mummaも、多くのバンドやユニットに参加しており、個人的には、Ted ByrnesとのデュオWood And Metalに注目しています(その名の通り、木材とスクラップ・メタルだけを使った即興演奏を繰り広げるデュオです)。話しをSissy Spacekに戻すと、先程述べたバンドの協力者以外にも、Merzbow, Smegma, 非常階段やThe Haters等の大物ノイズ/実験音楽グループからCorydon Ronnau, Danny McClain, Jesse Jackson, Youth CodeのSara Taylor, LiarsのAaron HemphillやKevin Drumm等の若手〜中堅所までとコラボも数多くこなしており、2015年のLA Weeklyでは「今、正に聴くべきLAのパンクバンド、ベスト20選」にも選ばれており、2018年には米国/日本ツアーを敢行、その後も1度日本ツアーをやっています。
 それで、この作品ですが、一応、Sissy Spacek名義になっていますが、B面は、わたくしK2の音源を勝手に使ってのコラボ曲となっています。そして、ラテカット盤でも無いのに、何と9枚限定と言う「超限定品」です。しかも、2023年のJohn Wieseの日本ツアーの時に、彼からの手渡しで1枚入手したと言う超貴重なシングルとなんてす。実は、私は2014年に、Sissy Spacek & K2でセルフ・タイトルのコラボ・スプリット作品(CD & 7-inchシングル)を出しており、そのちょっと前からの付き合いになります。まぁ、それはさておき、本作品の各曲をご紹介していきましょう。

★A Sissy Spacek “Car Fire”は、確かにWieseとMummaのグラインド・コア演奏も聴こえるのだけど、細断された様々な音(既成の音楽を含む)がカットアップされており、もはやWieseによるPC上での作業によるカットアップ・ミュージック・コンクレートとも言えます。
★B Sissy Spacek & K2 “Crime Simulation”は、何故か私の音源(ライブ音源かな?)も使われており、こちらの曲は更にノイズ度の高いハーシュ・サウンドに仕上がっています。最早、DrsもBもVoも判別出来ないです。こちらは、カットアップ・ノイズな曲調ですね。

 まあ、Sissy Spacekの場合、初期のライブこそ、Drs/B/Voによるグラインド・コアのイメージでしたが、メンバーの2人共に、それまでからノイズ・ミュージックや実験音楽等にも手を染めていましたので、その後には、段々と色んなスタイルのエクストリームな音楽を作品化するようになったのだと思います。その意味では、特異な立ち位置のバンドではないかと思います。本作品は超限定のコレクターズアイテム(と明記されている)なので、別に皆さんが聴くことはない確率が高いですが、Sissy Spacekの作品は沢山出ていますので、そちらの入手し易いものを試しに聴いては如何でしょうか?

[このシングルはYouTubeに上がってないので、2024年5月のSissy Spacekのライブ動画を貼っておきます]
https://youtu.be/DEGDHLB0dAw?si=p5WH6zm2o9wv7tDs

#SissySpacek #Electrochemistry #Helicopter #7-inchSingle #UltraLimitedEditions #9部 #CollectorsItem #Noise #CutUpNoise #Laptop #GrindCore #K2 #Electronics #SoundSource #JohnWiese #CharlieMumma #KimihideKusafuka

Default