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K2 & Grunt “Gears And Shafts”
いよいよ1000枚目です。今回は、1980年代初頭より活動を開始している日本のノイズ・オリジネーターの1人、わたくしK2と、今やフィンランドどころか北欧否、欧州のパワー・エレクトロニクスの筆頭にもなっているGruntのコラボ・スプリット・アルバム”Gears And Shafts”を紹介します。実は、この作品は、自分の音楽が初めてLPになった作品なんです。なので、思い出深いアルバムですね。それぞれのバイオグラフィーを簡単に書いておきます。K2は私のノイズ・ユニット名のことでありますが、簡単に言うと大きく3つの活動時期に分けられます。第一期(1983-1986年)のメール・アート期、第二期(1994-2002年)のメタル・ジャンク・カット・アップ・ノイズ期、そして第三期(2005年〜現在)の電子音ノイズ期で、更に前期(2005-2017年頃)はミキサーによるフィールドバックノイズ時期と後期(2017年頃-現在)はモデュラーシンセによる電子ノイズ時期です。まあ、時期によって、音源が大きく異なっており、それぞれの時期の中でももう少し分けられますが、まあザックリとこんな感じと思っていて下さい。一方、Gruntの方は、フィンランドのパワ・エレの総本山Freak Animal Recordsの創設者Mikko Aspaのソロノイズ・ユニットで、彼自身は1993年にGrunt名義で活動を始め、今までに100作近くのアルバムをリリースしています。また、その活動は多岐に渡り、パワ・エレ以外にブラック・メタルやデスメタル、ノイズ・コア、パンク、Oi!、RAC、スラッジ、グラインドコア、インダストリアル、ハーシュ・ノイズ等々まで関与し、また、Freak Animal Records以外にも、Northern Heritage, Lolita Slavinder Records, Institute Of Paraphilia Studies及びIndustrial Recollectionsのサブレーベルを運営するだけでなく、Sarvilevytレコード店も経営、Special Interestsと言う雑誌も発刊しています。そして、Grunt以外にも、Alchemy Of The 20th Century, Clinic Of Torture等と言った名義での作品発表以外にも、1人ブラックメタルClandestine Blaze, 1人ポルノ・グラインドコアCreamface, 違法児童ポルノ・ノイズNicole 12, 1人ノイズコアNihilist Commando, 1人ドゥームStabat Materと言ったユニットもやっており、一貫して、「違法な音」/「異端な音」を追求して、現在に至ります。そんな中でリリースされたコラボレーション・スプリット作品なのですが、当時はまだ音源をデータで送ることが出来なかったので、郵便で送り合っていました。A面がGruntの送ってきた音源を使って作製したK2の曲が2曲、B面がK2が送った音源を使って作製されたGruntの曲が3曲となっています。それで、内容ですが、K2側は、時期的には、第二期に当たりますので、2曲共、多量のメタル・ジャンクを部屋中に配置し、それをを2本のマイク及びFriktorと称する自作楽器(?)を通して録音、更にそれらの音源と変調しまくったGruntの音源(主にスクリーミング等や電子音)を粉々にしながらアナログMTRを用いて、カットアップ・ミックスしています。結果、つぎはぎだらけのフランケンシュタインのようなラウドなノイズ作品に仕上がっています。普通、曲名付けるんですが、何故か2曲とも”Untitled”になってしまっています。一方、B面のGrunt側は、1曲目が、K2のガシャガシャとしたメタル・ジャンク音が流れる中、その上にGruntのMikko Aspaのディレイの掛かった高音スクリームが漂うように被さってくると言うハーシェント(ハーシュだけどアンビエントっぽい)なノイズ曲、2曲はスクリーミング・ヴォイス全開のパワ・エレな仕上がり、そして3曲目は、ハウったヴォイスとK2のメタル音が融合したコラボ曲で締めています。こちらも全曲”Untitled”です。久しぶりに聴いて、結構良くて、ビックリしましたよ。そんな訳で、懐かしのスプリット作品を紹介しました。限定200部なので、今となっては入手困難かな? *この作品はYouTubeに上がっていないので、それぞれの同時期の別の動画を貼っておきます。 K2 “Panelliniki Antartiki Organosis” (1997年:C-30) https://youtu.be/Hi5qNBOhj6c Grunt “Someone Is Eatching” (1998年: C-60) https://youtu.be/H9kxtsNtkgY #K2 #Grunt #GearsAndShafts #FreakAnimalRecords #KinkyMusikInstitute #SplitAlbum #Collaboration #Japanese #Finnish #PowerElectronics #NoiseMusic #Noise #MetalJunks #HarshNoise #CutUpMix
Harsh Noise / Power Electronics Freak Animal Records 無しDr K2
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M.B. “Verrückt”
これは、都市伝説かもしれませんが、1987年に、日本のCriminal Partyと言うノイズ・ユニットが、伊のインダストリアルの重鎮Maurizio BianchiことM.B.とスプリット・カセットを出したと言う話しがあります。この話しの真偽については色々と囁かれていますが、私はこの事に関してはどうでも良かったんですが、ここに来て、M.B.側が、このスプリットに提供したとされる曲を抜粋して、リリースしてきたことに驚きました。と言う訳で、今回は、その噂の作品”Verrückt”を購入してしまいました。M,B.については、既に、そのバイオグラフィーは紹介してありますので、詳細は以前の記述を参考にして下さい。 それで、今回は、先述のように、幻の音源とされたCriminal Partyとのスプリット・カセットからの抜粋になります。A面B面とも”Verrückt A”とされていることから、元曲は1曲であった可能性が高いと思われます。なお、ここでのM.B.の演奏は、MadeletronicsとCrazynoisesと表記されていますが、正直、余りM.B.っぽさを感じないです。また、1987年と言うのは、M.B.自身が音楽をやめていて、「エホ○の証人」に加入していた時期ですので、本当に彼の作品かどうかも疑わしいです。それでも、聴いてみると、やはりM.B.っぽい音の腐り方(これは良い意味で)はしていますが、ちょっと単調な感じもあるようにも思えます。それでも、B面の方が「よりM.B.っぽい」かな? ん〜、この音源については思わず唸ってしまいました。M.B.第1期最後の作品”Armaghedon”の路線に近いような気はしますが、何とも言えません。しかしながら、この音源を、Bianchi自身がOKを出して、再発したと言うことは、この音源は紛うことなきM.B.の音源であると本人が認めたことを意味しますので、そう言うことなんでしよう。まあ真実は分かりませんが、信じて聴きましょう❗️因みに、これは88部限定ですので、聴いてみたい方はお早目に! 今回はYubuteにもBandcampにも無かったので、音源は貼ることができませんでした。 #M.B. #Verrückt #St.An.Da. #MaurizioBianchi #CriminalParty #1987年 #SplitCassette #Reissue #LimitedEdition #Noise #ElectronicNoise #Madelectronics #Crazynoises #都市伝説
Electronic noise St.An.Da. 3597円Dr K2
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V.A. “○△□オムニバス”
少し前に久しぶりに新譜を出して話題になったPale Cocoonを含む、1981年の時点での富山で活動しているバンドのオムニバス・アルバムです。当時も富山のバンドと言うことで、結構話題になっていましたね。このオムニバスは1981年3月22日にに富山県民会館で行われたライブ音源とのこと。私は当時、まだ自分の方向性もあまり決まってなかったこともあって、参考にしようと思ってウ○オンで即購入した覚えがあります。この時期、地方にもこのような多種多様な自発的音楽が芽吹いていたのは何とも心強く感じました。それでは、参加バンドと曲について紹介していきましょう。 A1,A2 Pale Cocoonは、244 (Vo, G), まこと君 (B), 田村りゅ (Synth)のトリオ。チープなリズムボックスで押し切ると思いきや、シンセのホワイトノイズでハンマービートへと展開。A2ではピロピロしたシンセの旋律が不安を煽る。歌詞は不条理。 A3, A4 Virgin-Mayonnaiseは、スライム石倉 (G, B, Vo)と草野達也 (Synth, Sequencer)のデュオ。ゴージャスなシンセのリフとエフェクティブなギターをバックに熱いVoとグニャグニャなシンセソロが対照的。和製ソフト・セルと言ったら言い過ぎか? A5 V-Packs(ヴィニール・パックス)は、ムラナカ (Vo), カシオ (G), オクダ(B), ヤギ (Drs)よ4人組。これは正統ポストパンクなバンドです。もう一曲位聴きたかったな。ひょっとしてA6はこのバンドの曲なのではないのかな? A6,A7,A8 グリーン企画は、耕作清光 (B, Kbd, Vo), 伊東真一 (G,B,Vo), 八木広正 (Drs)のトリオ。割とスカスカした演奏で、ネオアコのオレンジ・ジュースのような曲で好感が持てますね。Voがちょっと弱いかな? B1, B2,B3 触覚少年は藤本真、松川幸博、角井英之、小崎英輝の4人組。良く通るVoがメインで、B1ではエレピが、B2ではクリーントーンのギターがバックを固めていますが、しっとり系からいきなり元気になる曲でちょっとびっくりしました。B3も元気一杯です。 B4, B5 カリキュラ・マシーンは、GRI 徹 (G), 竹の子美子 (G), MoMo としはる (B), タンタカたかお (Drs), 松竹龍一 (Synth, Vo)の5人組。不思議な雰囲気のバンド。ギターのカッティングとウニャウニャしたシンセのフレーズが特徴的ですね。B5はリンゴ追分のフレーズで始まりますが、結構こう言う展開、好きです。シンセの「こぶし」が効いています。 B6, B7,B8 ファンクスは、M1号 (Vo), ガン太 (G), サカX (B), よしひろ河合 (Drs)の4ピースのハードコア・パンクバンド。B7はもろ突っ走るパンク・チューンなのですが、B6ではワルツのリズムで、ベースの音が凄いです。 以上のような内容ですが、当時はそれ程評価されていなかったようにも思いますがら私も40年ぶりに聴いて、中々、面白い時代だったなと感じました。今は、プレミアついているので、現物は高価ですが、下にYouTubeを貼っておきますので、聴いてみてください。 https://youtu.be/I8tR_ZMz7yo #VariousArtists #○△□オムニバス #PafeRecords #Toyama #PostPunk #SynthWave #ExperimentalPop #PaleCocoon #VirginMayonnaise #V-Packs #グリーン企画 #触覚少年 #カリキュラ・マシーン #ファンクス #1981年
Japanese New Wave/ Experimental/ Punk Pafe Records 不明Dr K2
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The New Blockaders & The New Movement “Man's Usefulness Ends Not In Death”
これは掘り出し物。英国の1980年初頭より活動しているTNBことThe New Blockadersと、そのTNBの意思に2015年頃から賛同しているスウェーデンのTNMことThe New Movementほコラボ・アルバムです。今回は、TNBの方は、Richard & Philip D. Rupenus兄弟のデュオで、TNMはKenny JohanssonとTony Erikssonとのデュオでの参加となります。なお、英国のPhil Julianがマスタリングをやっています。TNBについては、以前にバイオグラフィーは書いていますので、そちらを参考ににして下さい。TNMについてバイオグラフィーを少し書いておきます。KennyとTonyがコア・メンバーであるTNMは、Marcel Duchamp, Luigi Russolo 或いはTNBと言った反芸術家によってインスパイアされ、ノスタルジックな感覚を持ちながらも、反芸術の新しい在り方の中から現れている。そのノスタルジーはすぐさま、「無」の哲学へと導かれて、そこで、彼等はTNMの名の下に何かを録音する前に、既に「X宣言」を表明しています。その「X宣言」によると、TNMは「無」の哲学に従い、その武器/手段に寄らず、全てを拒絶し、破壊する立場にあるとのこと。また、その「X宣言」から抜粋すると、「…既に世界は破壊されるべき存在である。…これが、生を拒絶し、死を復活させる理由なのである。」とのことですが、これはTNBのマニフェストと同様な思想の焼き直しのようにも思えますね。そう言う意味では、TNMほTNBの正統な後継者と言うところでしようか? それで、本作品ですが、両面1曲づつの長尺で、曲のタイトルもありません。そして、内容的にもほぼほぼ同様な音感触から成ります。ガラガラと打つかり合い、擦られ、叩き潰されるメタル・ジャンクの音が前面に立っており、何だかTNB単独の曲の様にも聞こえます。寧ろTNMは、その音素材に手をつけず、そのまま最終的に最終コラボ作業を終えたのは?とも考えられる程です。そんな作品なので、TNBファンもTNMファンもすんなり聴けると思います。正しく「無」の哲学ですね。どちらのファンや気になっている方も聴いてみて下さい。ただし、100部限定なので、入力は困難かも知れません。 本作品はなかったのでTNB&TNMのライブ動画を! https://youtu.be/6kzWl7kTkc8 #TheNewBlockaders #TheNewMovement #Man'sUsefulnessEnd NotInDeath #T.I.C.X. #Noise #Collaboration #Anti-Artists #MetalJunks #HarshNoise #PhilosophyOfNothingness #ManifestoX #RichardRupenus #PhilipDRupenus #KennyJohansson #TonyEriksson #PhilJulian
Noise T.I.C.X. 不明。Dr K2
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Geso / Kumio Kurachi “Loving The Obsolete Words... = 死語を愛して...”
この作品をどうやって入手したかは、ホントに覚えていないんですよ。第五列を運営していたGesoさんこと藤本和男さんとDD. Recordsでも活躍していた倉地久 美夫さんのスプリット・ミニアルバムなんですが、2人とも私の知り合いなので、恐らく交換で入手したのでは?と思うのですが、内容を含め、覚えておりません(ごめんなさい)。1980年代、日本で最も活動していたカセットレーベル第五列とDD. Recordsの代表とも思える両者の音源を3〜4曲づつが収められている奇跡的なブツです。レーベル名も不明なのですが、Discogsを検索すると京都のZero Recordsとのことです。両者とも作曲・作詞・演奏・録音をほぼほぼ一人でやっていますので、宅録による多重録音と言うことになります。Gesoさんサイドは、Synth, G, Voで、Onnykこと金野さんがSaxやノイズでヘルプしています。Kurachiさんサイドは、Drs, B, G, Kbd, Voを一人で担当しています。両者に共通するのは、字余りの日本語による歌詞と、骨折したかのような変拍子を含む演奏ですが、その歌詞を乗せる為に、難解かつポップな曲となっている点です。日本版Art Bearsと言っても良いかもしれません。ポップと言っても、歌謡曲やロックでのポップネスではなく、もう一つの音楽の流れ(パラレル・ワールド的な)におけるポップソングです。強いて言うなら、「和製レコメン系」ですね。Gesoさんの方は、ベースをシーケンサーてやっており、ドラムマシンも含めて、奇数拍子の打ち込みをやっています。それでいて、1曲目「あの人たちがやってくる」や2曲目「犬は溺れ死ぬ」では転びながらの変な疾走感があります。4曲目「使用中の手足」ではOnnykさんのサックスが時にフリーキーに入り込んでいます。一方、Kurachiさんの方は、1曲目「おろかな雲」ではマーチング・ドラムが強烈で、誤解を承知の上で例えるならLaibachの如しですが、その日本語の歌詞の奇妙さが決定的に異なります。2曲目「仕出し屋が来る」のふざけているような歌詞や3曲目「ごめんよ」での不自然なブレイクなど、奇妙で時にドライブするポップソングが並んでいます。また、北里義之さんが書いた、このアルバムの内容及びタイトルについてのライナーノーツと、両者の歌詞カードも付属していますので、それらを紐解く標べとなるでしょう。今回、聴き直してみて、両者は共に「天才」と言えますね。another sideのポップソング、貴方も聴いてみませんか? 倉地久美夫 “仕出し屋が来る” https://youtu.be/CKoRNMFWkuY #Geso #KumioKurachi #藤本和男 #倉地久美夫 #LovingTheObsoleteWords... #死語を愛して... #ZeroRecords #AvantPop #ExperimentalPop #宅録 #RecommendRecords #Lyric #AnotherSideMusic #Onnyk #第五列 #DD.Records #北里義之
Avant-pop / Experimental Zero Records 不明。Dr K2
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Magi Razzo / Rhythmus Radikal / Joel Kurt “Sauklang Sampler”
これまた、謎物件ですぅー。どうも、1980年前後に活動していたNDW (Neue Deutsche Welle: German New Wave)のバンド3組のオムニバム・アルバムみたいです。寡聞にして、この3つのバンドは私は知りませんでした。これをレコード棚から出してきた時も、すっかり忘れていました。その3組と言うのは、Magi Razzo, Rhythmus Radikal, Joe Kurtです。このアルバムに関しても殆ど情報が無いので、取り敢えず、各パンドのメンバーなどを紹介していきたいと思います。Magi Razzoは、Markus Kern (B), Norbert Jaensch (Drs), Werner Neeff (Vo, Vln, Mandolin), Wolfgang Todt (G, Vo), Gerald (G, Vo)ですが、この時のドラムはGerhardだったみたいです。まあ、NDWと言うよりも独逸のパンクに近いんですが、A1 “Silicon Orbit”ではくねくねしたギターが面白いですし、A4 “Tante Frida”でのヴァイオリンもいい感じです。次に、Rhythmus Radikalは、Manna (Klomph)を中心に、Piell (Vo), Kleo (B), Ralf (Drs)となっています。音の方はやはりNDWと言う訳ではなく、パンクとしても激烈なパワーもなく、どちらかと言うと日本のMirrorsのような立ち位置かな?と思いました。B2 “Gadzilla”と言う曲は親日的なんですが、ダウナーな曲で面白かったです。Joe KurtはKarin (Vo), Thomas II (Vo, G), Ralo (B), Ulvi (Drs), Taucher (G)らしいですが、Karin嬢の変幻自在なヴォーカルが魅力的ですね。広義のパンクなんでしようが、割とメロディラインがいい感じです。Thomas IIが歌うとパンクっぽくなりますな。それにしても、何でこのアルバム買ったんだろうと思い返しても、分かんないですね。ただ単に独逸モノだから買ったのかなあ?しかし、殆ど情報が無いので、レアと言えばレアなんですが、価値があるかと言わられると「うん〜ん」と唸ってしまいますね。でもこの時期の独逸パンクのサンプラーとしては貴重だと思いますので、そこら辺に興味のある方は聴いてみて下さい。 Magi Razzo “Mädchen X” https://youtu.be/fnEVWG76IqE #MagiRazzo #RhythmusRadikal #JoeKurt #SauklangSampler #Schwarzwaldrecords #Punk #GermanPunk
Punk Schwarzwaldrecords 不明Dr K2
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The New Movement & KH 12 Quartet “Nichts Für Nitsch”
常にTNBことThe New Blockadersに尊敬の念を払うスウェーデンのTNMことThe New Movement (TNM)とKH 12 Quartetのスプリットなのかな?エグくて酷いアートワークで登場したのが、この作品”Nichts Für Nitsch”で、裏ジャケには「Herman Nitschに捧ぐ:」とありますが、それでこの作品のアートワークが理解できるでしょう。まあ、ウイーン・アクショニズムで、レコードを作ったなら、こうなるでしょうね。メンバーを紹介しておきます。TNMの方は、スウェーデン人Kenny JohanssonとTony Erikssonから成り、KH12 Qualtetはドイツ人Matthias HornとPhilip Zimmermannから成ります。それでそれぞれのバンドの特徴を紹介したおきます。スウェーデンのTNMは最初、マルセル・デュシャンやルイジ・ルッソロそしてTNBのアンチ・アートに影響を受けたそうですが、直ぐに「無の哲学」にたどり着き、「X」と言う宣言を行ってから、TNMとしての音楽活動を始めています。内容はまあ「関係する全てを拒絶し、ぶっ壊せ!選択すると言う武器には意味はない」と言うものらしいです。そして、誰もがTNMのメンバーになり得るとも。いやはや、TNBの上を行こうと言う訳ですかね? 一方の独逸のKH 12の片割れMattias HornはPsych KGと言うハンドメイド包装で有名なるレーベルをやっており、670以上のアイテムをリリースしてきています。そんなバックボーンを持った2組ががっぷり四つに組んだ作品が本作品になります。A面には2曲(Pt.1 & Pt.2)が、B面は1曲 (Neulich)が収められています。A面はガダガダ、ゴドゴドした崖崩れのような音と共に時折、何かを引っ掻く音やラジオらしき音も混じっており、それは流石にTNBのエピコーネンやろ?と疑いたくなります。曲としてはよく出来ていると思いますので、ここら辺は大目に見ておきましょう。一方、B面も物音系なんですかがより音響系っぽい曲で、恐らくは何かの微音をコンタクトマイクで録音した物だと思います。それに金属質な持続音が絡みついてくると言う曲になっており、こちらの方がより静謐な印象を与えます。ジャケ写含めて、アートワークはヘルマン・ニーチェのパフォーマンスを励起するような血みどろシーンのようなものですが、これはこれでアリかなぁとちょっと納得しました。まあこのようなコンセプトを知らないで、音だけも充分に楽しめますので、ご安心を。それでも聴いてみたい方はどうぞ! https://youtu.be/jUPvI0zoMNo #TheNewMovement #LH-12Quartet #PsychKG #NichtsFürNitsch #PictureRecord #Anti-Music #Noise #ContactMic #Nihilism
Noise PsychKG 不明Dr K2
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Nord “s/t”
君はNord (「ノール」と発音)を知ってるか?そう、日本で最初にノイズのフルアルバムを出した音楽の極北がNordなんです。メンバーは片山智と及川洋のデュオで、結成は1979年。やがて、1980年になると、東京などでライブ活動を始め、時にはMerzbowとのコラボ・ライブなどもやっていたそうです(ZSF Produktよりカセット作品が何本か出ています)。二人は音楽の極北を目指すという意味でNord(仏語で「北」の意味)と名付けたらしいです。1981年に記念すべきデビューアルバム”Nord”をPinakotheca Recordsより出しています。後になって、片山さんにお話しを聞いた時には、いきなりスタジオに入って、ギターとラジオやシンセ(低価格のもの、YAMAHA?)で、ほぼほぼ一発録りで録音されたとのこと。このアルバムは早速購入して、A1 “Labyrinthe”の初っ端の法螺貝のような咆哮にビックリした覚えがあります。内容は後述しますが、このレコードのアートワークを及川さんが1人で勝手にやった為、ラベルには首吊りのフォト・コピーが、そしてジャケ写も何かの死体らしきもの(聞いたことはあるのですが、今はうろ覚えです)が使われており、当時の世界的なノイズ・シーンとは呼応していましたが、片山さんは気に入っていなかったとのこと。その為か、1983年にNordは分裂し、ライブ活動を中心とした片山Nordと、録音メインな及川Nordになり、どちらもNordを名乗っていました。ライブを一切しなかった及川Nordは分裂後、自身のレーベルL・S・D Recordsを立ち上げ、2枚のLPと4本組みのカセット作品をリリースした後に、活動が途絶えてしまいます。一方、片山Nordは、現在Japanoise Netを運営している伊藤真と共に、デュオでライブ活動を続けていきます。1990年代には都内を中心に、雑誌「電子雑音」の勧めもあって、割とライブを頻繁にしていたのではないでしょうか?その時のライブ録音を纏めて編集した曲を3曲選んで、片山Nordとしては初のCD”Electronic Meditation”を私のレーベルKinky Musik Instituteから出しています(これは自慢したい❗️)。しかしながら、2003年に伊藤さんが脱退し、この後に、Astroの長谷川洋と内田静男が加入し、ライブを再開しますが、2006年に長谷川さんは離脱。基本的には片山さんのソロユニットになっているようです。ライブも年に数回とかですが、最近は、モデュラーシンセを使っているようです(私は未見)。ライブではお香を焚いて、視覚と嗅覚と聴覚を刺激するのは、片山さんが裸のラリーズのファンだからでしようか(因みに片山さんの奥様もラリーズのファンらしいです)。 それで、本作品は、分裂前のNordの唯一のアルバムです。先に書きましたが、兎に角、T.G.とかWhitehouseとかSPKとかと違う、何か不穏な恐ろしさを持った音であると言うのが、当時の私の正直な感想でした。特にB面片面を全部占める”Utopie”は、何か分からない恐怖感さえ覚えました。多分、私にとっては、日本のノイズ・アーティストの中で一番ショッキングな体験でしたねぇ。今、聴くと、それ程、凄いことをやっている訳では無いのですが、当時、下宿で1人ヘッドフォンで聴いていると、恐ろしさを感じていました。なので、私にとっては、ノイズミュージックのバイブル的なアルバムです。その音楽を分析するのではなく、初期衝動に植え付けられた「音」の記憶さえ有れば良いと思っています。ほんとうに究極ですね。皆さんも是非、ノイズの生まれた瞬間を体験してみてください。因みに片山さんは全然怖い人ではありませんので、ご安心を。 https://youtu.be/yEdGeO6wBi8 #Nord #PinakothecaRecords #FirstAlbum #Noise #Originator #SatoshiKatayama #HiroshiOikawa #StudioRecording #裸のラリーズ #Guitar #Synthesizer #Radio
Noise Pinakotheca Records 2500円?Dr K2
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CockC’Nell / Sighing-P Trio “s/t”
これは、レア中のレアなブツですよ、何と、1980年代初頭に活動していたPinakotheca Records (ピナコテカ・レコーズ)が出していたカセット作品特集の一環で、何とCockC’Nell (コクシネル)とレーベル・オーナーでもあった佐藤隆史さんのバンドSighing-P (Trio或いはOrchestraになることも)のスプリット・カセットです。今や、中古市場にも出回らない、出てもめっちゃ高価なアルバムです。A面はCockC’Nell のライブ録音で、5曲が収められています。一方、B面はSighing-P Trioとして2曲の長目のライブ曲が収められています。CockC’Nellは基本的に野方攝(のがた せつ: Vo, G)さんと池田洋一郎(G)さんが中心になって1980年頃に結成されたバンドです。解散前に2枚のアルバムと7㌅シングルなどを出しています。2002年にリユニオンされ、今でも活動しています。ここでのメンバーは先述の2人に加えて、今井次郎 (B, Kbd, Vo), 石渡明廣 (Dr), 島根孝典 (Sax)が加わった編成となっています。メンバーも音の表層的構造は変わりましたが、今は金沢に移って、新たな活動をしているみたいです。オリジナル・メンバーは池田さん、野方さん以外に、工藤冬里 (Kbd)、前衛劇団「時々自動」の故今井次郎 (B)、近藤達郎 (Dr)、「喜多郎グループ」故小島康夫 (Vln)、故島根孝典 (Sax, Vln)、早川岳晴 (B)、石渡明廣 (Dr)が初期メンバーで、金沢へ移ってからは当時美大生だった山際英樹が加わったとのこと。日本のロックはCockC’Nellが居れば充分と言わんばかりの、歌詞とそれに同期したバンドのスポンティーニアスな音。完璧です。野方さんの力強く、一語一語をハッキリと発音する歌は本来、そうすべきであった日本のロックだと確信しています。一方、Sighing-Pに関しては、情報が殆ど無く、また音源も殆ど無いので、うろ覚えの知識で書きますが、レーベル・オーナーの佐藤隆史さん(Piano, Ring Modulator)が中心となって、1979年に結成されたプロジェクトで、毎回メンバーを誘ったり、参加は自由と言うスタンスだったりで、Trioの時もあれば、大人数のOrchestraになることもあったようです。私は大学生の頃、彼等の演奏(その時は4、5人だったような?)を生で観ていて、特にリング・モデュレーターを繋いたエレピを弾く佐藤さんに釘付けになりました。ピアノでこんな音出るんだぁと感心してた訳です。本作品のSighing-P Trioでは佐藤さん以外に、大村礼子 (Vo: 現工藤礼子)そんと工藤冬里 (Dr)が参加しています。この録音で残念なのは、佐藤さんのモデュレーション・ピアノの音が余り聞こえないことですね。佐藤さん、ピナコテカを畳んでから、実家に戻ってからは、音楽関係者とは連絡不能状態なので、これ以上のことは書けません。悪しからず。またSighing-Pの音源はオフィシャルなモノはこれしか無いので、このカセットは親を売ってでも入手して下さい。またピナコテカのこのシリーズほカセット作品は当時も余り出回っていませんでしたので、レアものが多いと思います。見つけたら即ゲットです❗️ CockC’Nell “せんそう” https://youtu.be/tJJ9i2bemx8 #CockC’Nell #Sighing-PTrio #PinakothecaRecords #YojiroIkeda #SetsuNogata #TakafumiSato #日本のロック #FreeFormImprovisation #CassetteAlbum #SplitAlbum
Avant-Music / Improvisation Pinakotheca Records 郵便代Dr K2
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V.A. “AWA 沫 (Foam)”
皆さん、覚えていますかぁ?と言う訳で、今回は1980年前後で日本で活動していた宅録ミュージシャンやマイナーパンドのコンピがクリア盤2枚組みでの登場です。それを組織したのが、地下活動をしていたYLEM (「イーレム」と呼ぶ)です。それまでにもカセット作品を出していたみたいですが、私は不幸にして見かけたことはないですが、噂だとMerzbowのMerz Collectionを10本組みとしてリリースもあったが、頓挫したとか。それで、YLEMが声をかけて、関西・関東の地下で活動していたアーティストやグループをLP2枚にパッケージしたのが、本作品です。まあ、沫のようにふわふわと定まらず自由に活動を応援すると言う意味合いでしょう。しかしながら、装丁やデザインにお金をかけ過ぎて、文字通りYLEMは泡の如く消えてしまいました。本当に時代の沫になってしまったようです。当時はあのDOLLでさえ、解説付きの記事を載せていましたが。内容は大阪のVanity Recordsに対する関東からのレスポンス(実際には関西のバンドやアーティストも収録)と言うべきモノでしょうか。幾らアングラ好きな私でも全然知らないバンドが多いです。それでもこの作品は自分のようなノイズ指向にとっては大変貴重なモノでした。名前だけでも知っているのは、のいずんずり、Perfect Mother, Salaried Man Club, Merzbow, 佐藤薫氏のPersonal Effect Only, Mad Tea Party, Minimal Lethal Dose辺りでしょうか?それでも知らないバンドやユニットの曲には大変勇気を貰いました。しかし、アータワークは当時のRock Magazine丸出しのもので、ワクワクするやらうんざりするやら。ここのバンドとかの紹介はしませんが、その匿名性に隠れて活動するバンドは何故か惹かれましたねぁ。ひよつとしたら、これ全部がほんの数人の作家の組み合わせによってパロディになってるとか、、、だったら面白いのになぁとも今、書き直していて思いますね。だってそんなの名前だけで立ち上げてちょっと違う風味でやれば出来ない訳では無さそうですしね。今で言う厨二病を拗らせた若者なんで、それで騙せますよ(私は佐藤薫氏の関係するものにはきっと裏があると思ってますので)。そんな作品ですが、内容は1980年代初期のリズムマシンを多用した(勿論ドラム入りの曲はありますが)プリミティブな「もう一つ」の音楽なので、そこら辺に興味のある方は聴いてみてください。何ともなく鬱々とした気分になれめすよ。 https://youtu.be/pWeO1Q-qNCQ #VariousArtists #Awa #沫 #Foam #YLEM #のいずんずり #Merzbow #PerfectMother #SalariedManClub #MadTeaParty #MinimalLethalDose #宅録 #RockMagazine
Experimental / Noise /Avant- Pop YLEM 5400円Dr K2
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Minamata “Niigata/Kyushiu”
出ました!仏の至宝ノイズユニットMinamata (水俣)”のオフィシャル・ブートレッグです。Minamataとは、あの悪名高き水俣病から名前を取った仏のノイズユニットで、メンバーはTiburce, Xavier Niel (1990年まで)及びMarie Cardenne (1985-1986年)です。このようなグループについてはちゃんとした情報源がないのですが、取り敢えず分かる範囲でバイオグラフィーを書いてみます。先述のように、1984年に上記3名で活動を始め、ファーストカセット”Mit Lautem Geschrei”をNew Wave Recordsよりリリースします。なお、Xavierは後にNomenklaturのリーダーとしてを活動をやり始めています。まあこの時期ですから、ダークで苦痛を伴う雰囲気、憎悪に満ちたアグレッシブなヴォイスから成る音楽性で、インダストリアル或いはパワーエレクトロニクスの先駆者的存在になっています。彼等は自分達のものは自分達でと言う訳で、自身のレーベルLes Nouvelles Propagandesを成立し、名作との評価も高い3本目のカセット作品”Niigata 1964-1965”を1986年に同レーベルから出します。音は最盛期のSPKを思わせるとの高評価も得られています。その後、2017年まではオフィシャルなリリースは確認できますが、それまでの殆どの作品を自身のレーベルからリリースしています。2009年にはTiburceのソロになっていますが、CD/スタジオDVD/ライブ音源から成る”Cyclator”をリリースします。彼の声明はシンプルで、「リスナーの耳をぶっ壊して、それ以上聞くものが無いようなしてやる❗️」と言った挑戦的なものです。このような声明を持って2009年に復活する訳ですが、それには露のレーベルMonochrome Visionレーベルの後押しがあったようで、同レーベルから、露における政治的・経済的についての作品”Politkovskaïa”を2010年にリリースします。これに関するショーはパリ(Espace B)のなどの様々な場所で演奏されています。2014年には仏RotoreliefよりファーストカセットがLPで再発され、CD作品”Fukushima”が2017年に仏のForce Majeureからリリースせれており、これが最新作になっています。 それで、本作品についてですが、見かけはLPか?と思わせる簡素な装丁ですが、中身は7㌅EPとなっており、「やられた!」と思いました。しかしながら、特にアセテート盤ではなかったように思います。内容は1986年のカセット作品に関係するよううで、歪みまくった籠った腐食電子音と叫び声のようなディレイを効かせたアジテーション・ヴォイスから成ります。ある意味、正統なパワー・エレクトロニクスの継承者とも言えますね。難を言えば、ジャケがでかいので、アートワークももうちょっと豪華にして欲しかったです。まあ、万人には推薦しませんが、マニアの方は是非とも入力しておいた方が良いかと思います。因みに、この盤、カタログ番号がNEdSになっていますが、あのお店の関係なんでしょうか? “Niigata” https://youtu.be/MfT2fG-9AYo #Minamata #Niigata #Kyushiu #7inchEP #LesNouvellesPropagandes #LPサイズ #NEdS #Tiburce #XavierNiel #MarieCardenne #PowerElectronics #Noise #France
Noise / Power Electronics Les Nouvelles Propagandes. 不明Dr K2
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Ultravox! “Retro (Live)”
こ、こ、これは泣けますねぇ❗️John Foxx先生在籍時の初期の曲4曲入りのシングルです。でもちょっと高かったかな?まあ劇レア盤なので仕方ないかな。 Ultravox! (ビックリマークが付いているのは大事です)はやはり好きだわぁ。収録曲は”The Man Who Dies Every Day”, “Young Savage”, “The Wild, The Beautiful And The Damned”, “My Sex”でファーストからサードアルバムからの曲です。Ultravox!のライブ盤なんて無かったですからね。貴重です。音もそれ程悪くはないですし。ちょっとざらついた音が如何にもライブらしいんですけど、アレンジが良いのか、殆どスタジオ・テイクと同じ展開なんですよ。プロデュースはバンドとSteve Lillywhiteがやっています。この人のプロデュースは信用できますね。と言う訳で、皆さんの中で、初期Ultravox!好きなファンがいましたら、是非とも買って聴いてみて下さい‼️まあ、ファンでなくても良いですが。 “The Wild, The Beautiful And The Damned” https://youtu.be/Wvvr5h03hdY “Young Savage” https://youtu.be/hbKtzbdf9n8 #Ultravox! #Retro(Live) #IslandRecords #JohnFoxx #SteveSear #BillyCurrie #WarrenCann #ChrisCross #Live #EarlyPhsse
Experimental Pop Island Records 3000円Dr K2
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V.A. “Mineral Composition (鉱物図鑑)”
1980年代初期から中期まではメール・アートやメール・ミュージックが盛んに行われていました。そんな中から、国際コンピとかが出てきた訳ですが、この「鉱物図鑑」もその一つであると思います。首謀者はStratosphere Musicを主催し、自らもMasaki名義で活動していた江口昌記氏。前作”40 Days 40 Nights (40日40夜)”も素晴らしかったですが、今回は、よりコアなメンツでのコンピになっています。そして何と言ってもピクチャー盤でのリリースが素晴らしい!参加者は、A面が、重いサウンドとカッコいいギターで始まるFetus Production (豪)、ベース弾き語りからアングラ・ファンクになるJohanna Went’s Box (米)、短いけど、流暢なシンセサウンドのS.C.I. (米)、メタパーの第一人者にしてマイスターのZ’ev (米)、初期ヤプーズでも活躍した一人打ち込みのY. Yoshikawa (日)、ループで攻めるAnne Gillis (仏)、Jean-Luc Aimé, Phil LégeronとJean-Luc Boinotのコラボユニットでダークな曲のStabat Stable (仏)、本名María José Gonzálezで、逆回転塗れのNeo Zelanda (スペイン)、ひっくり返したオモチャのようなテクノポップのPicky Picnic (日)、そしてB面が、これぞゴスの素にもなったインダストリアル・エレクトロのDie Form (仏)、懐かしいTR-606に合わせてのギターとエレピの合奏を披露するTara Cross & George Matthewson (米)、マーチのリズムに合わせてユーモラスな曲を演奏するMasaki (日)、雷鳴をバックにホーン・セクション的な音を入れてるDe Fabriek (蘭)、超絶テクに裏打ちされたカンタベリー系ロックをドラムマシンに合わせて演奏するLegendary Pink Dots (英)、正体不明な音(?)に導かれて宅録的な色んな音が出てくるD.D.A.A. (仏)、ゆるりとしたシンセをしっとり聴かせるY. Yoshikawa (日)です。今回は特に仏と米を中心に音源を集めた印象ですね。今からすると凄い選曲ですが、当時はこのようなコンピがカセットを中心に多数つくられていたかと思います(私も”Inter-Margin”と言う国際コンピ・カセットを作ってましたね)。こう言うコンピは、メンツや選曲も含めて、無法地帯であったように思います。惜しむらくは、江口氏が、ここら辺を最後に失速していったことでしょうか。ピクチャー盤は当時でも珍しかったし、何よりお金がかかったと思います。できたら、また、江口氏がまた復活して、この様なコンピを作ってくれればと思いますね。皆さんもどうですか? Z’ev “From the Promotional Tape” https://youtu.be/40atirBEqWE De Fabriak “Verval” https://youtu.be/YFDW26tF7HA Tara Cross & George Matthewson “Flight 1” https://youtu.be/Tdtm9_ENweA #MineralComposition #VariousArtists #DtratosphereMusic #InternationalCompilation #PictureRecords #FetusProduction #JohansWent’sBox #S.C.I. #Z’ev #Y.Yoshikawa #AnneGilis #StabatStable #NeoZelanda #PickyPicnic #DieForm #TaraCross&GeorgeMatthewson #Masaki #DeFabriek #LegendaryPinkDots #D.D.A.A.
Experimental Pop Stratosphere Music 不明Dr K2
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White Hospital “Holocaust”
White Hospitalを、貴方は知っているか‼️と言う訳で、現GRIMの小長谷淳氏が、Vasiliskの桑原智禎氏と一緒に1980年代にやっていた、その前身とも言うべき国産インダストリアル/ノイズ・バンドです。これはWhite Hospitalの唯一の単独アルバムです。LPは高価で取引されてますが、2014年にオーストリアのSteinklang Industriesによって、同時期にリリースされていた”We Wish You Are Merry X’Mas”7㌅と未発表曲を加えて、CD再発されており、こちらの方が入手し易いかと。White Hopistalは1983年に、小長谷氏が桑原氏を誘って結成され、翌年に本作品をリリースしています。その後、分裂してしまいますが、このパワー・エレクトロニクスのスタイルは、恐らく日本初ではなかったのでしようか?担当は、小長谷氏がVoice performance, Synths, Tapes, Metal Percを、桑原氏がChurch Organ, Synths, B, Dr, Perc, backing-Voですが、リチュアルですらあるリズムと狂気のヴォイス・パフォーマンスは凄まじいテンションで、今でも全然通用するレベル、否、今以上にテンションは高いです。A-1”Hymn Of Heaven”の讃美歌的曲からの、A-2”Robotomy Operation”の怒涛のリズム、そしてA-3”Body And Flesh”のトライバルほ曲。この流れは完璧です❗️更にA-4”Transfer-15”のメタパーを使った、よりインダストリアルな曲も、素晴らしいです。B-1”Holocaust”のライブトラックも狂気が放出されてます。B-2”Ginny Voice”は一旦して、少女の声をフィーチャーした小曲、B-3”Fair Warning”は狂気のヴォイスの掛け合いからなる凶悪な曲。B-4”White Hospital”は高揚感のない讃美歌的な曲にテープ録音されたようなヴォイスが絡みます。と言う訳で、この時点で、完成度は高く、ここら辺の音楽性が現在のGRIMの原点であるようです。しかしながら、ここでの音楽は独特なインダストリアル感がありますね。皆さんも国産パワ・エレにも目を向けてみてください。 https://youtu.be/P0r7FK7yagw #WhiteHospital #Holocaust #EskimoRecords #JunKanagaya #TomoKuwabara #PowerElectronics #Industrial #Ritual
Noise, Industrial Eskimo Records 不明Dr K2
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AMK “Mecca”
限定10部はないでしょ❗️と言う訳で、1980年代中期より活動する米国のAnthony Micheal KingことAMKの登場です。彼はBanned Productionsと言うレーベルも運営しており、The HatersのG.Xe. Jupitter-Larsen氏とも長年に渡り協力関係にあります。バイオグラフィーらしき情報はなく、割と謎の多い人物ですが、1999年に私が西海岸ミニツアーをやった時に、初めて彼に会いました。その第一印象は「変わり者」でした。それまでも、1993年位にお互いに郵便で連絡を取っていたのですが、彼の演奏形態には驚きました。彼はそれをアナログ・モンタージュと呼んでいました。つまり、既存の曲が録音してされている複数枚のソノシートを文字通り切り貼りして、台紙に貼り付け、それをレコードプレイヤーで再生すると言う手法で、当然、針飛びやチリノイズやらに混じって、既存の曲がコラージュされて再生するとなる訳です。或いは溝が違い過ぎて、ちゃんと再生できない。これをもって彼の演奏が始まる訳です。それで、本作品ですが、ラテカット盤なんですが、時々、これは本当の針飛びなのか?録音されたものなのか?と言うことが分からなくなってきます。元々が、ソノシートなので、わからないです。そんな狐に包まれたような音楽体験はどうでしようか? 因みに、この盤を出しているHarbinger Soundは英国のSteve Underwoodが運営するレーベルで、1990年から活動しています。そして、この作品は20枚作って、10枚だけ流通し、残りはAMKが壊して、アナログ・モンタージュに使ったらしいです。 YouTubeには無いので、他の作品で。 https://youtu.be/5n_qX6sKpEM #AMK #Mecca #HarbingerSound #AnalogMontage #LathCut #Noise
Experimental music Harbinger Sound 不明Dr K2