Einstürzende Neubauten “Rampen (APM; Alien Pop Music)”

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Einstürzende Neubautenの新譜が出た(2024年4月現在)! これは思わず買ってしまいますよね?って私だけ? と言う訳で、約40年以上も、独NDW(正確には”Festival Genialer Dilletanten)から独自の道を歩み、メタル・パーカッションなる「楽器」を定着させ、更に自作ノイズ装置を楽器として使いながらも、ポップソングのように歌う、しかも通常のドラムもドラムマシンも無しだ。こんなバンド、他に無いだろう。しかも、パトロン制やサポーター制で独自の配給も行っています。ノイズ・ミュージックが世間に馴染んできたからこそ、その特異性が際立つと言うものだと思うんですよ。そんな訳で、丁度今、NDWにハマっている私には朗報でした。まあ、彼等のバイオグラフィーは今まで散々書いてきましたので、ここでは、省略させて頂きますが、現在のメンバーだけ紹介しておきます。Blixa Bargeld (Vo, Piano, others), Alexander Hacke (B, others), N.U. Unruh (Meral, Noise), Jochen Arbeit (G, others), Rudolph Moser (Per, Metal, others), Felix Gebhard (Synth, others)となっています。更に、ライナーを読むと、2022年のツアーの頃から録り始めていた即興演奏の部分から23個のピースを集めて、そこから、ベルリンのスタジオ内で再度作り込んでみて、何度も編集やオーバーダブをして、15曲分のベストテイクを選んだらしいです。それについては、Blixaは、「The Beatlesと同じ作り方だろ?」とコメントしています。如何にもBlixaらしいですね。と言う訳で、各曲についてご紹介ししていきましょう。

◼️LP1
★A1 “Wie Lange Noch?” (5:17)は、プラ・パイプとメタパーでのリズムに、BとBlixaの抑圧的な歌が乗る曲で、サビに向かって盛り上がりますが、突如ブレイクが入ります。
★A2 “Ist Ist” (3:49)では、ゴリゴリのBが曲を引っ張り、そこにメタパーやノイズが乗りますが、Blixaは自然体で色んな唱法を試しており、それらを多層化しています。
★A3 “Pestalozzi” (5:10)は、微かなドローンにBlixaの歌で始まり、バックでメタパーやキックが聴こえます。また、コーラスワークともバッチリですが、この曲は英詞なんですね。
★A4 “Es Könnte Sein” (3:20)は、微かな呟くようなVoとアコギのアルペジオで始まりますが、鐘の音やコーラスの後にいきなり盛り上がり、ちょっとぐちゃぐちゃになりますが、最後に向かって、反復し続けます。
★B1 “Before I Go” (4:19)も、微かなリズム音と呟くようなVoで始まり、やがて様々な音が混じってきます。この曲も英詞ですね。途中で山場があり、その後は可愛らしいピアノや弦楽器のサンプリング音も聴取できます。
★B2 “Isso Isso” (4:54)は、キック音で始まり、呪文のようなVoと共に、やがてBも入って来ると、独特のグルーヴが生まれます。表題は”That’s Right”と言う意味です。Blixaの引き攣るような唱法も聴けます。
★B3 “Besser Isses” (4:48)の始めは、微かなシンセ音に殆どBlixaの独唱なのですが、Bが入ってくると、俄然曲っぽくなってきます。ここら辺の盛り上げ方は本当に上手いですね。
★B4 “Everything Will Be Fine” (4:48)も、ガサゴソした音をバックに呟くように語るVoが暫し続きますが、オルガン?が入って来ると、そこでBlixaも盛り上がり、メタパーやコーラスも入ってきます。この曲は独英詞ですが、違和感は無いです。

◼️LP2
★C1 “The Pit Of Language” (4:31)では、静寂から始まり、Bのリフと共にVoも入ってきます。その後もシンセやマリンバも加わります。なお、これも英詞です。
★C2 “Planet Umbra” (8:44)では、Bとオルガンの反復で始まり、やがてキックと共にVoが入ってきます。これも英詞なんですが、Blixaにしては珍しくちょっとSFチックな内容ですね。メタパーも遠くで聴こえますが、得体の知れない音が時々挿入されます。
★C3 “Tar & Feathers” (5:15)は、ずっと続くコーラス?のバックに何かの楽器によるリフが微かに聴こえる曲で、やがてその空気を捻じ曲げるように、BlixaのVoが入ってきます。この曲も英詞ですが、短い歌詞で、曲も直ぐに終わります。
★D1 “Aus Den Zeiten” (5:13)では、比較的直線的なBラインに、演劇的な語り口なVoとキックが入ってきて、更にホワイトノイズのスネアが入って来ると、曲は沸点を迎え、一度クールダウンしますが、再び盛り上がってきます。
★D2 “Ick Wees Nich (Noch Nich)” (3:13)では、何とも怪しい音の中、Voや変調したメタパーのリズムやBのリフ等が折り重なり、高揚していきますが、最後は諦念でしょうか?
★D3 “Trilobiten” (6:16)では、アコギのアルペジオをバックにBlixaが1人語りのように歌いますが、ここでは珍しくハキハキと歌っています。やがて、キックとBも入ってきて、曲は盛り上がります。
★D4 “Gesundbrunnen” (5:15)では、プラ・パイプのリズムとBのリフのバック遠くで、Blixaの声が聴こえますが、直ぐに前面に出てきます。それに混じって、色々な音が聴こえてきます。Blixa独特の唱法の後、一旦、曲は静まり返りますが、やがて立ち上がり、そのまま終わります。

 もう、ここまで来ると、大御所としての「E. Neubauten節」と言うか、「Blixa節」を堪能させてもらった感がありますね。C2でのBlixaの新境地の歌詞もちょっとビックリしましたが、それよりも何よりも、あんなガラクタだらけの「楽器」で何故、こんなに繊細な音楽が演奏できるのか?そちらの方の「成熟度」に興味が移ってしまいました。これって、最早、彼等にしか出来ない伝統芸能なのかもしれませんね。完璧なアンサンブルです❗️まぁ大御所なので、曲の展開なんかは、初めから分かってしまうのですが、分かってしまっても、最早、そこが良いとも思ってしまいます。若い時の彼等も知っているので、その変遷具合にビックリしてしまいますが、彼等が奏でる静かな音楽も、私は良いと思いますよぉー!

[live “Rampe” in Vienna, 2022]
https://youtu.be/brQsak_8Cd8?si=7U1DTzzkHnpPkcix

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lbiOjP2TZSvaa5IK1JwwxwosRY5iMtcBo&si=qeOqGmrfZf_0_FKu

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