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Hans-A-Plast “s/t”
Hans-A-Plast (ハンズ・ア・プラスト)とは、独Hannoverで、1978年に結成されたパンク・バンドです。当時は、Neue Deutsche Welle (NDW: German New Wave)が押し寄せてきた時期でもあり、その一つのバンドと捉えられることが多かったですね。彼等は、1978年のNo Fun Festivalに出演しようと思い、女性VoにSlimeに居たAnnette Benjaminを加えて、出演したのがキッカケで、翌年には、セルフ・タイトルのファースト・アルバムであり、本作品でもあるアルバムを出しています。1979年に、このアルバムは、Lava Recordsから出ていますが、これは米国向けレーベルであったようで、1980年には、独のNo Fun Recordsから同じ内容でリリースされています。Hans-A-Plastのバイオグラフィーは以前にも書いてありますので、そちらをご参照下さい。
それで、このファースト・アルバムでのメンバーは、Annette Benjamin (Vo, Sax), Jens Meyer (G), Micha Polten (G), Renate Baumgart (B), BettyことBettina Schröder (Drs, Vo), Phil Luland (Vo; 実はLiveMixer)の6人組ですが、クレジットでは、Willi (変わり者)もメンバーだったみたいです。内容は、A面7曲/B面6曲となっています。では、各曲をご紹介していきましょう。
★A1 “Rock'n Roll Freitag” (1:28)は、元気一杯でアップテンポのパンキッシュな曲で、一発目から飛ばしていきますね。
★A2 “Lederhosentyp” (2:00)は、浮遊感のある女性Vo/コーラスから始まり、その後、お得意のパンク・サウンドをぶちかましてくれます。後半のBenjaminの奇声も中々ハマってます。
★A3 “Für 'Ne Frau” (1:57)は、ツービートで走り回るハードコアの原型みたいな曲ですが、間奏のGソロがなんか変です。
★A4 “Monopoly” (2:03)は、分厚いパンク・サウンドで、独語歌詞が良くマッチしています。それにしても、間奏のGソロでの不協和音はわざとなのかな?
★A5 “Teenage Traum” (2:45)は、口笛で始まり、ポップ・ミュージックかなあと思っていたら、サビはしっかりパンクでした!後半のコーラスワークも面白いです。
★A6 “Rank Xerox” (2:37)は、ロータムのややスローなリズムで始まりますが、直ぐにお得意の軽快なパンク・サウンドに取って代わります。Benjaminの早口独逸語Voは面白いですね。
★A7 “Es Brennt” (4:03)では、始め、Benjaminの語るようなVoと唐突なGノイズなんかが続きますが、やがてビートが生まれ、フリーキーなGも入ってきます。Benjaminの笑い声やしつこい位の歌詞の反復なんかもあって、ちょい実験的な曲です。
★B1 “Starfighter” (2:43)は、スライド奏法のGなんかも含むポストパンクな曲で、A面よりもNo Wave的です。投げやりなVoもグーだし、最後のぐちゃぐちゃ具合も面白いですね。
★B2 “Polizeiknüppel” (2:53)も、パンキッシュな曲で、疾走感もあってカッコ良いですね。間奏の銃撃音は、「警棒」って曲だからかな?
★B3 “Man Of Stone” (2:22)も、パンクよりもポストパンクな曲で、コーラスワークも冴えています。Benjaminの早口Voは結構な特徴ですね。
★B4 “Amerikaner” (4:00)は、4拍子に3拍子のパートが組み合わさった不思議な曲で、寧ろ、Alternative TVのようなポストパンクなトラックで、メンバー各人のアイデアで演奏が駆動しています。
★B5 “Hau Ab Du Stinkst” (2:44)は、一転、パンキッシュな曲で、Bのドライブ感がカッコ良いです。Benjaminの弾けっ振りも素晴らしいです。
★B6 “O, O, O” (1:58)は、B→Drs→Gの順で音が厚くなり、そこにVoも加わり、ストップ&ゴーを繰り返しながら、最後はふにゃふにゃになります。
以前に紹介したライブ盤のことをすっかり忘れていましたので、今回、初めてスタジオ・アルバムを聴いて、「おっパンクじゃん!」と再認識した次第です。それでも、全曲パンクと言う訳ではなく、程良く実験的なことを組み入れており、それが、Benjaminの若気の至り?と言うか瑞々しさと相まって、相乗効果を成しているなあと感心してしまいました。それにしても、Benjaminのちょっとハスキーな声質は、個人的には好みです。しかし、Gが2人もいるのに、そんなに音が分厚くないのも、ちょっと不思議でしたね。まあ、1978年録音で、かつ独逸と言うことで、英国みたいなストレートなパンクでは無く、独逸らしいユーモアの粉を振りかけたパンク〜ポストパンクな作品になったのではないでしょうか?そんな意味でも興味深いので、もし見つけたら、ゲットして下さい❗️
https://youtu.be/wkUY6q5jIVk?si=NkOaRwa-do5BkCZk
[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nxasK5dsz6k12dO15bAF1cJS6qeD2lMZM&si=crvIBBPltJ4a104L
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