Buzzcocks “Love Bites”

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またまた来ましたよー。皆んな大好き、Buzzcocksの登場です!今回は、彼等のセカンド・アルバム”Love Bites”を紹介します。Buzzcocksのバイオグラフィーについては、前回、書きましたので、そちらをご参照下さい。因みに、バンド名の意味は、「唸るチ◯ポ」ではなくて、「Buzzとはステージ上の興奮を、Cockとは北英国のスラングで友達を表すことから、『ステージ上で熱狂する友人達』」のことですから。なお、Buzzcocksは、前回書きましたが、ちょっとだけ補足をしておきます。3枚目のアルバム”A Different Kind of Tension”を出した後、4枚目のアルバムのデモテープを制作中の1981年に解散してしまいましたが、1988〜1989年に、EMIがBuzzcocksの初期のアルバムのバックカタログをCDフォーマットで再発したことや、BBCのJohn Peel Sessionでの録音盤やボックスセット”Product”をリリースしたことで、Buzzcocksは、オリジナル・メンバーで世界ツアーを行うことになりますが、ドラムのJohn Maherは、The SmithsのMike Joyceにツアー中だけ代わってもらってます。そうして、彼等はリユニオンし、4曲入りEP”Alive Tonight”を新録で出し、本格的に復活します。I.R.S. Recordsが、1991年にセルフ・コンピ・アルバム”Operator's Manual: Buzzcocks Best”を出したことから、米国でも彼等への関心が高まります。その後もBuzzcocksは盛んにツアーやリリースで活動を続けています。その中でも、2002年には、ShelleyとHoward Devotoは、1976年以来初めて、コラボ・アルバム”Buzzkunst”を制作し、リリースしていますが、内容は、エレクトロ・ミュージックとパンクを合わせたものだそうで、個人的には是非聴いてみたい作品ですね。前回と書きましたが、Vo/GのPete Shelleyが、2018年12月6日にエストニアのTallinの自宅で、心臓発作で他界してしまいます。その後をことを少し。Buzzcocksは、Shelleyに捧げると言う意味で、様々なゲストVoを入れて活動を続けましたが、彼等はバンドを続ける為に、Steve Diggle (G)が全てのVoを担当することとし、そう言った新体制でのアルバム”Sonics in the Soul”を2022年9月にリリースし、現在も活動中です。 
 本作品は、ファースト・アルバム”Another Music In A Different Kitchen”のリリース後、6ヶ月後にリリースされたと言うと、「即席アルバム』と思われるかもしれませんが、曲自体の構想が既にあって、かつファーストの評判も良かったことから、このスピード感で、本作品がリリースされたのだと思います。そう言う忙しない行程でリリースされた本作品ですが、1978年のアルバム・チャートは13位を獲得し、26日間の英国ツアー後、シングルカットされた”Ever Fallen in Love (With Someone You Shouldn't've)"は、1978年10月の英国チャートで12位にまで昇り、また12月にリリースしたシングル”Promises”も英国チャートで20位にまで達しています。また、シングルB面の”Lipstick”は、Magazineのデビュー・シングル”Shot By Both Sides"と同じコーラス・パートを使っていたのは良く知られた事実です。それで、セカンド・アルバムである本作品録音時のメンバーは、Pete Shelley (Vo, G, Kbd), Steve Diggle (G, Vo), John Maher (Drs), Steve Garvey (B)です。では、本作品の内容(A面6曲/B面5曲)について、各曲を紹介していきましょう。
★A1 “Real World” (3:29)は、GのリフとBのリフがソリッドで、Shelleyの独特の声質のVoが良く映え、メロも切ないです(Pere Ubuの曲とは同名異曲)。
★A2 “Ever Fallen In Love (With Someone You Shouldn't 've?)” (2:40)は、もう何も言うことの無い名曲中の名曲ですね。スピード感もソリッドな音そしてShelleyのVoの魅力が一杯詰まっています。
★A3 “Operators Manual” (3:30)も、ゴタゴタしたリズム隊にGのコード弾きが乗り、サビでは3拍子になると言った、彼等にしては珍しいアレンジの曲です。
★A4 “Nostalgia“ (2:51)は、典型的はBuzzcocksサウンドです。スピード感も申し分も無く、Shelleyも歌いまくっており、ちょっと甘酸っぱいメロにも興奮します。
★A5 “Just Lust” (2:57)も、正にBuzzcocksそのものな曲で、更に早いテンポでのパンクな演奏で痺れますね。メロディ・ラインもエクセレント!
★A6 “Sixteen Again” (3:14)も、最早、金太郎飴なんですが、ソリッドでカミソリのような演奏に、歌いまくるShelleyのVo、もう堪りません!ちょっと甘酸っぱいところもミソです。これは1st収録曲”Sexteen”へのアンサーソングでしょうか?
★B1 “Walking Distance” (1:58)も、MaherのタイトなDrsとスピード感溢れるBとG、これだけでご飯3杯お代わりできます。因みにインスト曲です。
★B2 “Love Is Lies” (3:10)は、意外にアコギを使った曲で、英国らしいアンサンブルが感じられ、Shelleyもしっとり気味に歌っています。隠れた名曲ですね。
★B3 “Nothing Left” (4:23)では、ロータムのDrs後、堰を切ったように、始まるソリッドな演奏とShelleyのVoがビンビンにパンク心を刺激します。間奏のGソロもフリーキーでカッコ良いです。
★B4 “E.S.P.” (4:39)も、2本のGを上手く使ったアレンジで、パンキッシュでソリッドな演奏に、同じリフを弾き続けるGが心地良く、素晴らしいです!
★B5 “Late For The Train” (5:51)では、リズムマシンのようなMaherのタイトかつ変則的Drsに、BとGの刻みがマッチしており、途中で、逆回転Gソロが挿入されるところもちょいと実験的なインスト曲で、グッときますね。そしてブレイクも!

 個人的には、このアルバムも楽しめましたねぇ。元々は、私はセルフ・コンピ”Singles Going Steady”CDで、Buzzcocksを聴いていたのですが、そうすると、如何にもパンクな曲しか収められてはおらず、個々のアルバムに含まれているちょっと変わった毛色/実験的な曲を聴き逃してしまってました。例えば、A3のアレンジ、B1やB5のインスト曲やB2でのアコギを使った曲等も、ちゃんと聴いてこなかったのは後悔しました。それから、今回、聴いてみて思ったのは、John Maherのドラムの凄さです。勿論、Buzzcocksの魅力はそのソリッドなアンサンブルなんですが、とにかくそれを支えているMaherのDrsは凄いです。そんな発見をしたアルバムです。パンクのオリジネーターの諸バンドは、やはりひと癖あるので、パンクだからと馬鹿にせずに聴いてみて下さい❗️

A2 “Ever Fallen In Love (With Someone You Shouldn't 've?)” [live version]
https://youtu.be/rQgjLkVzd8A?si=zy7Fq-kZms04QIYb

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mYTm4eShV63LiQ11dQ2O-uzPqHlAa487E&si=yNIhQT747OrW-zYy

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