Tachycardie “Probables”

0

これは、謎物件ですね。どうも仏のTachycardieと言うJean-Baptiste Geoffroyによるソロプロジェクトのことで、彼のファースト・アルバム“Probables”と言うことです。まあ、ソロと言っても、A面には、多数のゲスト参加者がいますが、B面の3曲は完全にGeoffroyのソロのようです。彼は仏Tours出身のドラマー兼作曲家で、Presque Toutと言うレーベルも運営しています。しかしながら、彼のことを調べようとしても、同姓同名の音楽家が複数いる為、中々、調べ上げることが出来ませんでした。また、Geoffroy自身も、様々なグループ(その多くは単発のプロジェクトみたいです)名義で活動しているようで、今回は、もう彼のバイオグラフィーを調べるのは断念しました(本当にすまん!)。ただ、その中でも、Tachycardieは、2012年リリースのCDR作品”Be Nice To Music”も含めると計5枚もアルバムを出しているので、この名義が2020年代の現在ではメインのプロジェクトと考えられます。この位しか分かりませんでした。それで、今回、ご紹介するのは、正式に、Un Je-Ne-Sais-QuoiからリリースされたTachycardioのファースト・アルバム”Probables”を紹介します。本作品のA面では、Jean-Baptiste Geoffroy (Tom, Chronometer, Synth)以外に、Melanie Loisel (Contrabass), Oliver Claveau (Trombone), Antonie Serreau (Trumpet), Julian Nicolar-Bizet (Synth-B), Nicholas Cuelli (Clarinet, Bongo), Rachel Langlais (Piano), Carla Pallon (Vln), Vincent Robert (Contrabass), Pierre Lambla (Sax), Lea Roger (Harp), Jeremie Morin (Bongo), Frederic Mancini (Tom), Guillaume Bernard (Sax), Antoine Bellanger (Euphonium), Armand Delaval (Vln)が参加していますが、B面は、Jean-Baptiste Geoffroy (Perc, Objets Frappés, Cymbales motorisées, caisses claires motorisées, céramique, coquilles d'huitres motorisées, Field Recording, Bagpipes, G, Synth, PC)と完全なるソロで多重録音しているようです。それで、録音・ミックス・マスタリングは、2018年12月〜2019年3月にBrice Kartmann によって行われていますが、A面1曲/B面3曲が収録されています。それでは楽曲をご紹介していきますね。
◼️A面
★A1 “1000 Fois Bonjour Depuis Le Vignemale”は、弦楽器のリズミックな演奏とPerc(Drs類)のドコドコしたリズムから始まり、段々と他の楽器の音が加わっていくミニマルな曲で、ほぼアコースティックな音が「機械」のように精密に演奏されています。音が加わり、少しずつリフに変化が起こると、段々とメロディらしき音像が浮かびますが、途中で、ブレイクがあります。そして、そこからも同様のパタンで演奏が再開します。パタンは余り逸脱せず、禁欲的に演奏されます。ミニマル好きには堪らんですね。
◼️B面はJean-Baptiste Geoffroy1人での演奏と構築から成っています。
★B1 “Aunir, Forcer”は、不明瞭なタムや打楽器と非常に分かりにくい何か分からない楽器の音(或いはその音のテープ操作)や持続音等から成る曲で、各パートは明瞭ですが、A面とは異なりますね。
★B2 “Vesprir”も、不明瞭な打楽器音とバックの微音の物音から成る曲で、ビートもなく、パート分けもありません。ただ、次第に金属質な音が迫ってきます。
★B3 “Tarir”では、何か金属性の擬似楽器(例えば、Harry Bertoiaの音響彫刻の演奏を想起)の単音弾きから始まり、途中から連打によって持続音的に響き渡ります。その後は非金属製打楽器の乱れ打ちと成り、管楽器や弦楽器らしき持続音も挿入され、この曲全体として何か一話完結の物語のようです。

 元メタル・ジャンク使いの私としては、B3が圧倒的に面白いのですが、それにも増して、A面全部を使ったアコースティックなミニマル・ミュージックが、やはり本作品のハイライトではないでしようか?ジャケのデザインからはもっと素人っぽい印象(宅録っぽい作品?)も受けたのですが、聴いてみると意外にコアな現代音楽ファン向けの内容で、良い意味で裏切られました。アコースティックな音に飢えている場合には丁度、良い音楽となるので、そんなリスナーさんにはピッタリです❗️

A1 “1000 Fois Bonjour Depuis Le Vignemale”
https://youtu.be/xcW8otka9Ns?si=F4N-7oulZOFVrY2x

B1 “Aunir, Forcer”
https://youtu.be/5U6Ht9ONb5g?si=Bx0jAb1srILPV4an

B2 “Vesprir”
https://youtu.be/ZWmdiFXpeUA?si=MnIZfy9RfdBGTJ5F

B3 “Tarir”
https://youtu.be/RdqhEN_1F5Q?si=JwWrNpaWZ6LYC6P3

#Tachycardie #Probables #UnJe-Ne-Sais-Quoi #FirstAlbum #Experimental #ModernClassic #MinimalMusic #FrenchComposer #SoloProject #Jean-BaptisteGeoffroy #MelanieLoisel #OliverClaveau #AntonieSerreau #JulianNicolarBizet #NicholasCuelli #RachelLanglais #CarlaPallon #VincentRobert #PierreLambla #LeaRoger #JeremieMorin #FredericMancini #GuillaumeBernard #AntoineBellanger #ArmandDelaval

Default