Ptôse Production “Early Recordings 79-83”

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出ました!仏の地下実験ポップ界の一大勢力Ptôse (プトーズ)またの名をPtôse Productionの初期の音源を集めた2枚組のセルフ・コンピ・アルバム”Early Recordings 79-83“の登場です!版元は独のVinyl On Demandです(毎回、欲しいものばかりなのに、限定品なので困ってしまいます)。Ptôse Productionのバイオグラフィーについては、前回ご紹介していますので、そちらをご参照下さい。この時期のメンバーは、Lionel Jarlan, Benoît Jarlan, Pascal ‘ZZe’ Elineauの3人です。この2枚組のA面では、A1-A6はPPP K005(PPPとは、彼等のレーベルPtôse Production Présenteの略で、K001とはカセット・フォーマットでのリリースのカタログ番号のことです)“Hand-made Electronics”から、A7-A8は、PPP K003 “Seigneurs des Mouches"からの選曲で、B面は、PPP K006 “Apparaitre”からの選曲となっており、C面では、C1-C7は、PPP K009 “Moxisylyte N.”からの選曲で、C8は、仏レーベルSordide SentimentalからのシングルSS45001 “Women In The Moon”の曲となっており、D面では、D1-D4は、PPP K015 “Poisson Soluble”から、D5-D7は、PPP K019 “Night Of The Reptiles”からの選曲と、D8はPPP K018 カセットコンピ “Assemblée Générale 4”に収録した曲から成っています。また、C7は、日本のレーベルPinacotheka RecordsのコンピLP “なまこじょしこおせえ/Infecund Infection”に、また、D2は、仏レーベルAAAのコンピLP “Douze Pour Un”に、または、D4は、米国レーベルIdiosyncraticsのコンピ・カセット”On-Slaught No. 5”にも収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。
◼️Tracks From PPP K003 and PPP K005 (1979-1980)
★A1 “Interlude” (2:44)は、ミニマルなシーケンスから成る曲で、ピコったシンセが絡む曲で、ドラムマシンのアレンジが多彩。
★A2 “The Baby's Song” (3:52)は、シーケンスに早回しVoと物音系Percからユーモラスな曲。後半のシンセも出鱈目で面白い。
★A3 “Ouch!” (1:46)は、モヤったシーケンスに、鶏の首を絞めたようなVoから成る小曲。
★A4 “Fernsehapparat / TV” (3:37)は、直線的シーケンスが多層化していき、合ってるかどうかも不明な曲。声も入っていますが、メロディは無いです。
★A5 “Here Comes The Spotnics” (3:32)は、パルス音とホワイトノイズをリズムに、ウニョウニョしたシンセや不明瞭なVoが絡む曲で、The Residentsっぽい。
★A6 “+Bonus” (1:04)は、ミニマルなシーケンスとキックとPercから成る小曲です。
★A7 “Effritt” (3:35)も、パルス音のリズムに、ピュンピュンしたシンセが絡む曲で、テープ・スクラッチみたいな音も。
★A8 “Wise And Busy” (3:20)は、ユニゾンっぽいシーケンスに、通常Voと早回しVoとが絡む、ユーモラスな曲です。シンセも出鱈目なアレンジで入っています。
◼️Tracks From PPP K006 (1980)
★B1“Voyelles” (2:51)は、ホワホワしたパルス音とシーケンスを中心に聴き取りにくいVoとヘンテコなシンセから成る面白い曲です。
★B2 “Apparition” (3:10)は、四つ打ちキックとミニマルなシーケンスのリズムに、歪んだGとシンセ音が絡む曲です。
★B3 “Ritual” (2:11)では、ノイズっぽいバックの音に、明確なカシオトーンのメロディが乗っています。ぴょんぴょんしたシンセも可愛らしい。
★B4 “Epoche” (2:45)も、不明瞭なパルス音をリズムに、「あー」って言うヴォイスが支配する曲です。
★B5 “Dance” (1:50)は、シーケンスによるワルツのリズムに、へなへななシンセとGのメロディが乗る小曲です。
★B6 “La Grande Epreuve” (1:46)も、パルス音によるミニマルなリズムと何ちゃってなシンセによるメロディとホワイトノイズのスネアとから成る小曲です。
★B7 “Ignobles Limaces” (1:30)でも、不明瞭なリズムで、その代わりにシーケンスがテンポをキープし、途中、変調Voやグニュグニュなシンセも入ってきます。
★B8 “Le Mort Qui Fuit” (2:49)も、シンセ・パルス音をリズムにユニゾンのようにシンセ音が多層化してくる曲です。
★B9 “Part La Fenêtre” (2:21)も、キックに近い低音パルス音をリズムにして、ミニマルなシンセが乗る曲で、途中でピョロピョロ/ポワポワしたシンセも入ります。

◼️Tracks From PPP K009 and SS45001 7" (1981)
★C1 “Proteus Mirabilis” (2:22)では、チープなリズムマシンとミニマルな手弾きシンセにGを弾きまくってます。
★C2 “Fractions Ribosomales” (3:33)は、チープなリズムマシンとミニマルなシーケンスにGとピアノと言う組合せのインスト曲です。
★C3 “Corazon” (5:15)も、DR-55のリズムとパルス状の低音シンセに引き攣るG、更に意味の無い鼻歌も!Gと共に段々盛り上がっていきます。
★C4 “Le Jardin Inconnu” (2:37)も、チープなマシンリズムと手弾きのシンセBに、エレピが絡んでくるインスト曲です。
★C5 “Légère Altération” (2:57)も、チープなマシンリズムとピコったシンセやらGやらが混然となる曲で、濁声Voも!宅録テクノ?
★C6 “J'ai Mal Au Coeur!” (2:24)は、手弾きシンセBと弱々しいリズムに手拍子と腑抜けたシンセのメロと言うインスト曲です。
★C7 “Ecrasez La Vermine!” (1:57)は、お馴染みの曲の別アレンジですね。リコーダーとかも使っています。何とも言えないグダグダのVoも良きかな。
★C8 “Women In The Moon” (4:40)は、直線的で単調なシーケンスに変調Gと不明瞭な変調Voと言う曲で、Ptôseらしい偏執狂的アレンジが光ります。
◼️Tracks From PPP K015 and PPP K019 (1982-1983)
★D1 “Eat Your Fish” (2:34)は、グレードアップしたリズムマシンとシンセBに、金属的シンセやVoやGが乗る曲で、これも代表曲の別アレンジです。
★D2 “Boule (Viens Ici!)” (2:35)では、太いシーケンス音とリズムマシンに、子供のようなVoや木琴、Gを使った曲で、これも代表曲の別アレンジです。
★D3 “Waiting For My Soul” (3:31)も、代表曲の別アレンジで、マシンリズムとシーケンスに、GとなよっとしたVoから成ります。結構、Gのリフがキモです。
★D4 “Our Only Food” (2:32)は、結構カッコ良いアレンジのサーフっぽい曲で、ここでもGとVoが大活躍です。
★D5 “Night Of The Reptiles 2” (2:46)も、テンポは早いですが、代表曲の別アレンジです。Vo以外、殆どをシンセで演奏しています。これはカッコ良い!
★D6 “In Your Bush” (1:18)は、似非土俗的リズムとストリングスやVoが面白い曲です。
★D7 “The Bogyman” (2:29)は、強力なマシンリズムにふんだんに使われたシンセ音とVoやGの掛け合いも興味深いです。
★D8 “La Nuit Des Sauriens” (3:05)は、一転、ダウンテンポで、スライドGや手弾きシンセ等が、鬱々感を出すような曲です。

 私がPtôse Productionを知ったのは、メール・アートをしていた時期で、丁度、1980年〜1983年頃であったので、仏に面白いグループがいると言うことは聞いていたのですが、直接コンタクトは取っていませんでした。今回、聴き直してみて、シアトリカルなVoやスライドGの使用は、The Residentsとの共通点もあるのかな?と思いました。一括りには出来ない程、個性的な音楽ですが、この時期は機材の面でもどんどんグレードアップしていたのが、良く分かりました。もし、1980年代初頭の宅録実験ポップに興味のある方は、入手困難とは思いますが、是非とも聴いてみて下さい❗️

クレジット
 LP1: Tracks From PPP K003 and PPP K005
A1 “Interlude” (2:44)
A2 “The Baby's Song” (3:52)
A3 “Ouch!” (1:46)
A4 “Fernsehapparat / TV” (3:37)
A5 “Here Comes The Spotnics” (3:32)
A6 “+Bonus” (1:04)
A7 “Effritt” (3:35)
A8 “Wise And Busy” (3:20)
 Tracks From PPP K006
B1“Voyelles” (2:51)
B2 “Apparition” (3:10)
B3 “Ritual” (2:11)
B4 “Epoche” (2:45)
B5 “Dance” (1:50)
B6 “La Grande Epreuve” (1:46)
B7 “Ignobles Limaces” (1:30)
B8 “Le Mort Qui Fuit” (2:49)
B9 “Part La Fenêtre” (2:21)
 LP2: Tracks From PPP K009 and SS45001
C1 “Proteus Mirabilis” (2:22)
C2 “Fractions Ribosomales” (3:33)
C3 “Corazon” (5:15)
C4 “Le Jardin Inconnu” (2:37)
C5 “Légère Altération” (2:57)
C6 “J'ai Mal Au Coeur!” (2:24)
C7 “Ecrasez La Vermine!” (1:57)
C8 “Women In The Moon” (4:40)
 Tracks From PPP K015 and PPP K019
D1 “Eat Your Fish” (2:34)
D2 “Boule (Viens Ici!)” (2:35)
D3 “Waiting For My Soul” (3:31)
D4 “Our Only Food” (2:32)
D5 “Night Of The Reptiles 2” (2:46)
D6 “In Your Bush” (1:18)
D7 “The Bogyman” (2:29)
D8 “La Nuit Des Sauriens” (3:05)

https://youtu.be/3PC2iXdBixU?si=Pxu0pM4C-Lh1Gqzf

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